安保・沖縄闘争に総力を 基地撤去・中国侵略戦争阻止! 5・15沖縄現地闘争へ

週刊『前進』04頁(3395号01面01)(2025/05/12)


安保・沖縄闘争に総力を
 基地撤去・中国侵略戦争阻止!
 5・15沖縄現地闘争へ


 自民党参院議員の西田昌司が5月3日に那覇市内で開かれた「憲法シンポジウム」なる会合で、沖縄戦に動員された沖縄師範学校などの女子生徒・教職員らを記憶する「ひめゆりの塔」(糸満市)の展示内容について「歴史の書き換えだ」などと誹謗(ひぼう)中傷していたことが発覚し、沖縄戦体験者をはじめ全国で怒りの声が噴出している(関連記事4面)。さらに、米国防総省の報告書で、2020年9月までの8年間で在沖米軍基地内での性的暴行が949件も発生していたことが明らかとなった。これらはいずれも、米日帝国主義の中国侵略戦争への準備が、沖縄の「再びの戦場化」を前提に進められる中で起きている。沖縄の怒りと共に5・15沖縄現地闘争に駆けつけ、中国侵略戦争を阻む安保・沖縄闘争の爆発をかちとろう!

中国包囲網構築急ぐ石破

 米国防総省が3月に暫定国家防衛戦略(NDS)の指針で「中国による台湾侵攻の阻止」を最優先事項に指定し、これを受けて同月30日の日米防衛相会談では、中谷元・防衛相が朝鮮半島も含むインド太平洋全域を一つの「戦域(シアター)」とする「ワンシアター構想」を提起、ヘグセス米国防長官が「西太平洋の有事で日本は最前線に立つことになる」とコメントするなど、中国侵略戦争に向けた米日の動きは急加速している。
 こうした中で、日本帝国主義・石破政権は「日本がインド太平洋地域を主導すべき」(防衛省幹部)との考えに基づき、日ベトナム首脳会談(4月28日)、日フィリピン首脳会談(29日)、日インド防衛相会談(5月5日)を立て続けに行った。日比首脳会談では物品役務相互提供協定(ACSA)の締結に向け交渉を開始するとともに、両国の当局間で「安全保障上の機密情報を適切に保護する」ための情報保護協定締結に向かっての議論を進めることを決めた。日印防衛相会談では、インドとの間で共同訓練の拡大と防衛装備品移転協力の強化などを取り決めた。中国侵略戦争に向けた中国包囲網の形成を急いでいるのだ。
 また4月28日には、中谷防衛相がフェラン米海軍長官と防衛省内で会談し、日本国内での米軍艦船の共同維持・整備を含む防衛産業協力の推進を決めた。フェランは同日付日本経済新聞のインタビューで、軍事転用可能な商業船舶(軍民共用船舶)の日米共同での建造や日本企業の米西海岸の造船業へ投資を要請する考えを示し、世界の造船能力の5割を占める中国(米国の200倍以上とも言われる)に対抗して「世界造船2位の韓国、3位の日本と一体で米国の復活を目指す」と語った。
 今や大没落し、帝国主義の唯一・絶対の基軸国として世界に君臨し続ける力を失いつつあるアメリカ帝国主義は、そこからの巻き返しと延命をかけて日本などの同盟国を総動員し、対中包囲網の構築から中国侵略戦争へと凶暴に突き進もうとしている。日帝・石破もこれと完全に一体化し、日米同盟の中国侵略戦争同盟への大転換を推し進めている。その矛盾と犠牲の最大の集中点となっているのが沖縄だ。今こそ沸き上がる沖縄の怒りと共に、すべての労働者人民の未来をかけて、中国侵略戦争阻止の安保・沖縄闘争に総力で決起する時だ。

武器見本市開催を許すな

 5月21~23日には千葉市の幕張メッセで武器見本市が開かれようとしている。「先進技術によるインド太平洋の安全保障強化」をメインテーマに掲げ、日帝の軍事力・軍事技術を世界に向けて誇示し、日本と他国の軍事産業の結合や武器の共同開発・技術革新を推進し、国内軍需産業の育成を図ろうとするものであり、中国侵略戦争への策動そのものだ(関連記事3面)。
 そして、この武器見本市などを通じて日帝が軍事協力関係を深めようとしているイスラエルが、パレスチナ自治区ガザで新たな侵略と人民大虐殺に踏み出そうとしている。米帝・トランプの承認のもと、イスラエル首相ネタニヤフは5日、ガザの「完全破壊」とパレスチナ人民の永久追放に向けた新計画を閣議決定した。5月13~16日のトランプの中東歴訪を前後してこの計画を発動しようとしている(関連記事3面)。すでに3月初旬から国連などの食料や医薬品などの支援物資搬入がイスラエルによって絶たれている中で、3月18日からは軍事作戦が再開され、以降2436人以上の命が奪われた。テントや病院、食料配給所などへの攻撃も急増し、女性や子どもが虐殺されている。23年10・7以来の侵略と虐殺がここにきて一気にエスカレートしているのは、中国侵略戦争に全力を集中するためにパレスチナ・中東の民族解放闘争の根絶を急ぐトランプが、イスラエルを全面擁護し、後押ししているからだ。
 だが、この帝国主義むき出しの暴挙に対し、全米・全世界で激しい怒りと闘いが広がっている。中東・パレスチナ人民の血叫びを受け止め、帝国主義による侵略と民族抑圧を許してきた帝国主義本国のプロレタリアート人民が自らのあり方を変革し、階級闘争のそれまでの「平和的」形態を乗り越える実力闘争への飛躍をかちとっているのだ。これに続く闘いを日本からも巻き起こそう!

5・15国会闘争に結集を

 こうした情勢の中で、日帝・石破政権は「国難」を叫び、野党を巻き込んだ改憲と戦時体制構築の策動を推し進めている。
 5月3日の憲法記念日には、極右団体・日本会議が主導する「危機に立つ日本/各党は改憲の共同作業に着手せよ!」と題する改憲集会に、自民、公明、日本維新の会、国民民主が登壇して9条改憲を主張、石破は「果断に(現行憲法の)見直しを」「緊急事態対応、自衛隊の明記を最優先に取り組む」とビデオメッセージを寄せた。国会では「論憲」を掲げる立憲民主党の枝野幸男元代表が衆院憲法審査会の会長を務め、審査会を毎週開いて改憲論議を推進している。
 さらに今国会では、中国侵略戦争のための戦争法案の成立が狙われている。先制的に中国にサイバー攻撃を行う「能動的サイバー防御法案」は4月8日に、ネット事業者に個人・組織の全通信情報の提出を強制する刑事デジタル法案は18日に、いずれも立民、維新、国民民主の野党3党が賛成して衆院を通過した。
 日本学術会議を特殊法人化する法案は18日に衆院本会議で審議入りした。これは「国の特別機関」である現状の組織を解体し、運営や会員の選考、業務や財務まで政府の統制下に置く新たな法人をつくるものだが、2022年末に決定した安保3文書の具体化そのものである。安保3文書では、「防衛生産・技術基盤は防衛力そのもの」として位置づけられ、その強化のために「スタートアップ企業や国内の研究機関・学術界等の民生先端技術を積極活用する......、総合的な防衛体制強化のための府省横断的な仕組みを活用する」(国家防衛戦略)ことが打ち出された。産官学軍が一体となり、中国侵略戦争遂行のために国を挙げて軍事技術の研究・開発を行うということであり、学術会議にそれを率先して担わせようというのだ。学術会議法人化法案では前文から「平和的」の文言が削除されているのもそのためだ。
 5・15国会闘争に集まり、中国侵略戦争に突進する改憲・戦争国会を労働者人民の怒りで包囲し、石破を打倒しよう!
 5月沖縄闘争から6・14大行進中央集会・デモへの3千人結集へ、女性解放闘争と中国侵略戦争阻止の反戦闘争を猛然と闘い、青年・学生・女性を組織し、革命党を建設しよう!

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