被災地に軍の空爆続く ミャンマー 石破が自衛隊機派遣
週刊『前進』04頁(3391号02面04)(2025/04/14)
被災地に軍の空爆続く
ミャンマー
石破が自衛隊機派遣

3月28日、ミャンマー中部を震源地とする大地震が発生した。マグニチュード7・7、ミャンマー中央部を南北に走るザガイン断層がマンダレーからネピドーを貫いて最大で6㍍も横ずれしたのだ。
ミャンマーの独立系メディア「ビルマ民主の声」によると地震発生から10日が経過した4月7日時点で全国の死者は4325人、負傷者6588人、行方不明者448人に上り、死傷者は1万人を超えた。
2021年2・1軍事クーデターから4年、震源地のザガイン管区は、民主派武装組織・市民防衛隊(PDF)による解放が進んでおり、地上戦では不利となったミャンマー軍による集中的な空爆が続いている。
独裁軍は、地震発生から3時間も経たず北東部シャン州を空爆。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は4日、震災後の軍による攻撃が61回に上ると発表した。うち16回は軍評議会(SAC)総司令官ミンアウンフラインが、停戦を発表した2日以降だ。
軍はPDF側に物資や資金が届くのを警戒し、マンダレーから救援物資を積んでザガインに入ろうとするバスやトラックを検問し、通行を妨害している。道路や橋が崩落し、電気や水が確保できない中、季節外れの雨や猛暑が被災者に襲い掛かっている。始まりは自然災害でも、今や被災者を死に追いやっているのは、独裁軍だ。
独裁軍支える日帝
2・1クーデター以降、独裁軍に虐殺された人は4月3日時点で6481人、そのうち1276人が空爆による殺害だとミャンマーの人権団体・政治犯支援協会(AAPP)が明らかにしている。すでに国内避難民は350万人を超えるが、民主化を求める激しい武装闘争が「春の革命」として続いている。震災前日の27日は、「国軍記念日」だった。ここでミンアウンフラインは、年末にも総選挙を行うと宣言したが、展望は全くない。ミャンマー人民による民族解放・革命戦争の大攻勢が進む中、軍の支配が及ぶのは全土の25%未満に過ぎないのだ。
この震災に乗じて石破政権は、航空自衛隊のC130輸送機をミャンマーに送った。隣国の中国を牽制(けんせい)するとともに独裁軍を支え、中国侵略戦争を前にミャンマー人民の「春の革命」を圧殺しようというのだ。このために震災直後、いち早く動いたのは日本財団会長の笹川陽平だ。2日にネピドーでミンアウンフラインと会談、300万㌦(約4億3千万円)相当の援助物資の寄付を約束した。この機に乗じた軍への資金供与だ。
ネットやコンビニなどで呼びかけている募金の9割は独裁軍に流れる。そのため在日ミャンマー人たちは被災地に直接届ける救援募金を街頭などで精力的に呼びかけている。闘う在日ミャンマー人と連帯し、ミャンマー軍を支える石破政権、中国侵略戦争に突進する石破政権を倒そう。
