戦争阻止・石破打倒!4・28闘争へ 中国侵略戦争阻む大反戦デモを 米帝の大没落示すトランプ関税
戦争阻止・石破打倒!4・28闘争へ
中国侵略戦争阻む大反戦デモを
米帝の大没落示すトランプ関税
アメリカ帝国主義・トランプ政権が4月2日に発表し、5日から発動している関税戦争が全世界を揺るがしている。その最大の攻撃対象は言うまでもなく中国であり、米帝は関税を武器に中国を追い詰めながら、欧日などの「同盟国」をも自らの意思のもとに組み敷こうとしている。しかもトランプ自身が強調するように、この関税発動は単なる経済政策ではなく、米帝の軍事力を支える基盤産業の再建・強化のためにこそ不可欠なのであり、まさに中国侵略戦争と一体で発動されているのだ(関連記事3面)。だが、それは戦後世界体制の最後的崩壊を著しく促進し、アメリカ始め各国の階級矛盾を激化させ、階級闘争の新たな高揚を生み出している。米韓はじめ世界の闘いと連帯し、中国侵略戦争を阻む反戦闘争の爆発を今こそかちとろう!
戦争の論理貫き関税発動
「貿易不均衡の是正」と称して全世界を対象にした「相互関税」を発表した米トランプ政権は、5日にほぼ全ての国・地域からの輸入品に一律で10%の追加関税を発動した。さらに9日には貿易赤字の大きい国・地域を標的にして税率を上乗せしたが、世界同時株暴落が続くなど金融危機の爆発が迫る中で、同日中に急きょ、国・地域ごとの関税上乗せについては90日間発動を延期すると発表した。だがその一方で中国に対しては、2日に発表した34%の追加関税に中国側が報復措置をとると表明したことを理由に、さらに税率を引き上げ、発動済みの20%と合わせて計125%もの桁外れの関税を即日発動すると発表した。
これを受け、中国政府は「米国が独断を貫くなら最後まで戦う」(商務省)として、米国からの全輸入品に84%の追加関税を10日から発動。また欧州連合(EU)も9日、トランプ関税に対する初の報復措置として、農産物や鉄鋼、家電など計約210億ユーロ(約3兆3千億円)の米国製品に15日から追加関税を課すと発表した。トランプによる関税発動がただちにこうした報復合戦を引き起こし、とりわけ米中2大国の間で世界経済を真っ二つにするデカップリング(切り離し)の現実味がまざまざと示される中で、4日の米ニューヨーク株式市場ではダウ工業株平均が史上3番目の下落幅を記録。7日の東京株式市場も日経平均株価は2644円安で史上3番目の下落幅となった。だがこれらはまだ始まりにすぎない。
いま起きている事態は、戦後帝国主義世界体制の唯一の基軸国でありながら、もはやその地位を維持できないところまで大没落した米帝が、そこからの巻き返しと延命をかけて自ら戦後世界体制をぶち壊し、「米国第一」の名のもとに本格的・全面的な〈世界再分割戦〉に乗り出したということである。それは結局、米帝に次ぐ世界第2の大国となった中国を軍事力でたたきつぶす侵略戦争に行き着かざるを得ない。実際、トランプは2日の大統領令で「米国の貿易赤字が製造基盤の空洞化につながり、わが国の防衛産業基盤を外国の敵に依存させた」と述べ、中国のような「敵」と戦うための軍需産業基盤の再建のために、国家非常事態を宣言して関税を発動したのだと強調した。また各国に対しては「経済および国家安全保障問題で米国と整合するために重要な措置を講じた場合に関税を引き下げる」と通告した。中国との関係を断ち、米帝の側に付けと迫っているのだ。
重要なことは、この関税戦争が単なるトランプ個人の意向ではなく、大没落する米帝の中国侵略戦争への本格的突入の中で発動されているということだ。そしてトランプは、この戦争の最前戦に日本帝国主義を動員し、沖縄をはじめ日本全土を戦場にすることを全力で追求しているのだ。
沖縄の出撃基地化許すな
鉄鋼・アルミニウムに続き、日本の米国向け輸出の3割近くを占める自動車への25%の追加関税が3日に発動された。さらに90日間の猶予期間を経て24%の「相互関税」が全品目に発動されれば、日帝資本の打撃は計り知れない。石破はこれに追い詰められながらも、米帝の求めに応じて日米安保の大転換を推し進め、ますます凶暴に中国侵略戦争に突進することに帝国主義としての延命の道を見いだそうとしている。
3月には、元統合幕僚長の岩崎茂が台湾行政院(内閣にあたる)の政務顧問に就任するという異例の人事が行われた。続いて台湾の頼清徳総統が3月13日に中国を「境外敵対勢力」とする認識を示したことに対し、中国軍は「台湾独立」をけん制する台湾周辺での大演習を4月1、2日に展開した。
6日には、南西諸島への部隊と物資の輸送を担う陸海空自衛隊の共同部隊「自衛隊海上輸送群」の発足式が海上自衛隊呉基地(広島県呉市)で行われ、中谷元防衛相は「自衛隊の統合運用は新たな時代に入った」と訓示した。9日には石破と北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長が会談し、防衛装備の規格統一を確認。ルッテは、日本がウクライナ戦争の教訓を収集するためにNATOの「対ウクライナ安全保障支援・訓練組織」への参加に意欲を示したことを歓迎した。また中谷は8日、米海軍の大型無人偵察機「MQ4(トライトン)」を沖縄県の米軍嘉手納基地に数週間以内に無期限で配備することを公表した。中国侵略戦争の本格的発動に向けて沖縄―全土の出撃拠点化が推し進められているのだ。
こうした中で、天皇ナルヒトが7日、戦後80年の「慰霊の旅」と称して硫黄島を訪問した。これを皮切りに6月に沖縄、広島を、9月に長崎を訪れようとしている。天皇の戦争責任を居直り、犠牲者を英霊化し、新たな侵略戦争に向かって天皇のもとへの「国民統合」をつくりだそうと動き出しているのだ。4―5月安保・沖縄闘争を爆発させ、反戦闘争の圧殺・解体を狙う「戦後80年」攻撃を階級的怒りの爆発で粉砕しよう。
人民の怒りを日帝打倒へ
トランプ関税をめぐり、石破は4日の衆院内閣委員会で「国難と称すべき事態だ。超党派で検討・対応を」と野党に協力を求めた。立憲民主党代表の野田佳彦は「自民党は挙党態勢を組んだ方がいい。その後に『挙国態勢』だ」と表明。日本共産党は「経済主権・食料主権を脅かすな」と叫び、国益主義・愛国主義をむき出しにして「公正な貿易ルールを日本が主導せよ」と石破を後押ししている。まさに未曽有の「国難」から日帝を救済するための与野党あげての挙国一致が構築されようとしているのだ。
こうした中で、「能動的サイバー防御法案」が8日、立憲民主、日本維新の会、国民民主の野党3党が賛成して衆院本会議で可決、参院に送付された(関連記事3面)。米英独などと軍事情報を共有し、先制的に中国にサイバー攻撃を行うというまぎれもない中国侵略戦争遂行法案だ。
厚生労働省が7日に発表した毎月勤労統計調査では、物価高騰下で2月の実質賃金が前年同月比1・2%減となり、名目賃金の伸びが物価に追いつかない現状が浮き彫りとなった。賃上げすらない非正規職労働者をはじめ、圧倒的多数の労働者とその家族はますます生活の困窮にあえいでいる。ここにトランプ関税による大失業が襲い掛かろうとしている。労働者人民の渦巻く怒りが戦争に向かうのか、革命に向かうのか――今こそ戦時下の国防主義・排外主義と真っ向対決し、日帝・石破政権を打倒する中国侵略戦争阻止の決起を全力で組織する時だ。
3・8婦人デー闘争、3・11反原発福島闘争、3・30三里塚闘争、反戦春闘などの3月闘争の地平をうち固め、全学連への弾圧を粉砕し、4・28沖縄デー闘争の大爆発をかちとろう!
