C滑走路建設中止せよ 成田空港拡張差し止め裁判 3・24耕作権裁判判決へ会見

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週刊『前進』04頁(3388号02面03)(2025/03/24)


C滑走路建設中止せよ
 成田空港拡張差し止め裁判
 3・24耕作権裁判判決へ会見

(写真 閉廷後の記者会見【3月14日 千葉市】)

 千葉地裁民事第3部(岡山忠広裁判長)で3月14日、成田空港拡張差し止め裁判が開かれた。
 三里塚芝山連合空港反対同盟はこの裁判で国と成田空港会社(NAA)に対し、①B´暫定滑走路の2500㍍への延長(2006年)と第3誘導路建設(10年)の違憲・違法性を追及し、②「空港機能強化策」を掲げた施設変更許可(20年)により現在進められているB´滑走路の再度の延伸(3500㍍化)、第3(C)滑走路建設などの空港拡張工事の差し止めを求めている。
 被告・国は3月7日、反対同盟顧問弁護団が20年の許可処分に関する計画図面の提出を求めたのに対し「そんな地図はNAAから出されていない」と白を切った。弁護団はこうした国の不誠実な姿勢と対応を厳しく追及した。
 新C滑走路が完成すると、原告の伊藤信晴さんが住む芝山町白桝地区は3本の滑走路に囲まれ極限的な騒音被害にさらされる。弁護団は「空港拡張計画は違法であり工事は直ちに差し止められなければならない」と被告に迫った。
 その後、3月24日の耕作権裁判判決に向けた記者会見を反対同盟と弁護団が開いた。親子三代100年にわたって天神峰で耕してきた市東孝雄さんに揺るぎない耕作権があり、NAAが市東さんを「不法耕作者」と決めつけて土地の明け渡しを迫るのはまったく不当であること、小作者の同意なく地主から底地を買収し証拠文書を秘匿しているNAAこそ違法脱法の張本人であることを解説した。
 開廷に先立ち、三里塚支援連絡会議は千葉地裁前で情宣活動を行った。
 次回裁判は7月8日、次々回は10月3日。

機能強化の工事を弾劾

(写真 伊藤信晴さんを先頭に第3滑走路準備工事を弾劾。怒りのシュプレヒコールを響かせた【3月12日 千葉県芝山町菱田地区】)

 三里塚芝山連合空港反対同盟の呼びかけで3月12日、成田空港機能強化の工事現場を確認するフィールドワークが行われた。
 中野洋昌国土交通相が2月24日、第3(C)滑走路予定地などを視察し「国を挙げて取り組む」と述べた。機能強化攻撃を国策として加速し、反対運動つぶしを進めようとしているのだ。
 反対同盟事務局の伊藤信晴さんが今回の行程を説明し、市東孝雄さんのあいさつを受けて出発した。
 最初の目的地は横堀地区だ。整地作業を行っている現場では、樹木が伐採されむき出しになった土の上を重機が動いている。
 続いて、菱田地区に移動した。ここでは水田が重機によって踏み荒らされ、鉄板がすえつけられている。農地をつぶし、農家を追い出して、軍用機の発着をも見込む滑走路が造られようとしているのだ。
 参加者は心底からの怒りを込めて空港機能強化・第3滑走路計画を弾劾し、3・24耕作権裁判勝利、3・30天神峰現地闘争への総決起を固く誓った。

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