女性の反戦決起つくりだす 3・8国際婦人デー中央闘争

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週刊『前進』04頁(3387号02面01)(2025/03/17)


女性の反戦決起つくりだす
 3・8国際婦人デー中央闘争

(写真 矢嶋全学連委員長が、女性差別を克服する運動の変革と飛躍を訴えた【3月9日 東京都杉並区】)

 東京・杉並区で3月9日、「女性の力で革命を!中国への侵略戦争を止めよう 3・8国際婦人デー集会」が行われ、300人超が結集した。
 集会では関西の運動内で発生した重大な女性差別事件について、被害を受けた当該の女性をはじめとする仲間たちの人生をかけた告発・決起によってそれが明るみに出されたことが報告され、当該の女性も登壇し発言した。この深刻な事態を受け、女性差別を絶対に許さず、決起した女性たちと固く団結し、女性が政治闘争・大衆的実力行動の先頭に立って闘える運動を絶対につくりだすという決意に燃えてかちとられた。この間の女性差別事件の当該のAさんは「女性差別イデオロギーに屈服していたことで、自分の身に起こったことが女性差別・性暴力だと自覚し決起するまでに時間がかかった。しかし、これから同じようなことが起きたときに自分が当該と共に女性差別と闘えるようにするために決起した。奪われた怒りを奪い返したことは、まさに政治と暴力の奪還の闘い」と語った。Bさんは「運動体の許しがたい女性差別の現状を変革する。それを強制する力が自分たちにある」と訴えた。
 基調報告は洞口朋子杉並区議会議員が第1報告を、矢嶋尋全学連委員長が第2報告を提起。不当逮捕を打ち破り奪還された京大生をはじめ、婦人民主クラブ全国協議会の荒井素子代表、福島の青年労働者、三里塚芝山連合空港反対同盟婦人行動隊の宮本麻子さん、星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議共同代表の星野暁子さんらが次々と決意を表明した。
 集会後のデモは大きな注目を集め、沿道の人々が手を振ってコールに応えた。

基調報告〔第1報告〕
女性は帝国主義打倒の先頭に 
 杉並区議会議員 洞口朋子さん

 今年の3・8は第2次トランプ政権の登場と中国侵略戦争の急加速という情勢の中で開催されています。本日の闘いを、中国侵略戦争阻止の反戦闘争、女性とセクシュアル・マイノリティーへの差別・抑圧の根源である資本主義・帝国主義打倒の革命の扉をこじ開ける出発点としよう!
 全学連は昨年9月に登場した矢嶋尋委員長(史上初の女性委員長)を先頭に「女性の政治と暴力の奪還」を復権させ、中国侵略戦争阻止の反戦政治闘争に真正面から取り組み、多くの青年・学生・女性の決起をつくりだし、隊列を拡大し続けています。
 1908年3月8日、アメリカで女性労働者たちが賃上げと労働時間短縮を求めてデモに決起したことを受け、3月8日は「国際婦人デー」となりました。そして、ロシア革命において、国際婦人デーと女性たちが決定的な役割を果たしたことを改めて確認したい。「3・8国際婦人デー」とは何より、ロシア革命と女性たちの決起を現代に引き継ぎ、女性こそが中国侵略戦争阻止、自民党・石破政権打倒、帝国主義打倒と女性解放の闘いの中軸を担っていくためのものです。
 戦前の女性運動は路線的に屈服し、日本帝国主義のアジア侵略戦争に加担しました。帝国主義侵略戦争を阻止し、帝国主義を打倒すること、資本主義的搾取と階級支配を廃絶し、階級支配のための私有財産制と家父長制、天皇制を粉砕する中にこそ、女性解放の道があります。
 沖縄の軍事要塞(ようさい)化と一体で激発する女性暴行事件への怒りと闘いを今こそ爆発させよう! 米軍のみならず、自衛隊でも実戦部隊への転換=侵略軍隊化と一体で腐敗が激化しています。戦時における女性への「産めよ殖(ふ)やせよ」攻撃も一層激化しています。
 最後に、反戦闘争への全力での決起、反戦闘争の実力闘争としての発展、とりわけ首都・東京を席巻する青年・学生・女性の決起を共につくりだすことを訴えます。歴史的に社会でも職場でも家庭でも暴力で支配され政治から切り離されてきた女性たちが、反戦闘争をはじめとする政治闘争・大衆的実力行動を先頭で闘い、運動の指導的部分を担う中で政治と暴力を奪還していくことが革命と真の女性解放の現実性を切り開きます。新入生を含む学生・青年・女性の大隊列で沖縄デー闘争として4・27渋谷デモを闘い、5月沖縄現地闘争へ! 6・14芝公園に3千人を超える大結集を実現しよう!

基調報告〔第2報告〕
女性差別克服へ闘いと団結を
 全学連委員長 矢嶋尋さん

 戦争の時代、帝国主義の危機のもとで女性差別は激化しています。この1年、私たちの運動内でも女性差別の発生とその克服が大きな課題となってきました。女性差別を受けた仲間の渾身(こんしん)の決起は、運動全体と一人ひとりに変革を迫るものとして突きつけられました。彼女たちの決起を絶対に無駄にせず、連帯して闘い、女性解放闘争と反戦闘争を一体的に闘い抜ける運動への飛躍を実現することが、本年の3・8闘争で訴えたい、もう一つの主要なテーマです。
 何より決定的なのは、この闘いの中で女性差別と闘う女性の決起と一体となって闘う仲間たちの団結が、強固に形成されてきたことです。まず、女性差別を絶対に許さず、繰り返し引き起こさせないために、決起した仲間と徹底的に連帯して闘うことを、この場に集まったすべての闘う仲間の共同の決意としましょう。
 今回の件で決定的だったのは、当該の女性の告発が無視・抹殺されようとすることに対して、自らもまた運動の中で女性差別を受けてきた仲間が当該の女性と共に決起して事態を告発し、全学連の仲間たちもこれに続いて当該の女性と共に立ち上がったことです。私たちの運動には、このような力が育まれてきていたことも事実です。
 その土台には、昨年の4・28性暴力事件をめぐる被害当該の女子学生の決起と、それを契機とする運動全体の大変革があります。昨年の4・28沖縄デー渋谷闘争後、飛び入り参加者による全学連の女性への性暴力事件が発生しました。性暴力を許してしまった現実の根本にあるのは、組織と、それを構成する一人ひとりの性差別に対する認識の甘さです。女性への性暴力が日々起きている現実は遠くの話ではなく、自分たちの運動の内部でも起こりうるということが自覚されていきました。
 政治運動に立ち上がった女性たちに支配階級や民間反革命からの攻撃、性差別・抑圧が集中してしまう現実がある中で、いかに運動・組織として女性の決起を防衛し、共に闘っていくのか。これを課題として設定し、女性たちの自己解放的な力を最大限に引き出すことこそ、女性解放を目指す運動体の任務です。
 女性解放闘争の前進における重大な契機の一つは、とりわけ男性が、女性差別の実態について実体的・具体的に認識することです。もう一つは、自己解放の主体としての女性の層としての決起、ひいては女性活動家を層として獲得・建設することです。
 女性が歴史上奪われてきた力を、運動全体の主体的課題として強烈な意識性のもとで取り戻し、現実の困難の中で女性の決起を支え、革命の主体として共に闘うために、性や世代をも超えた組織、運動、階級全体の変革と飛躍をかちとらなくてはなりません。
 3・8の闘いが口火を切ったロシア革命のように、女性たちの力を引き出し爆発させていくことが「戦争か、革命か」の時代を決するものとしてあります。本日の闘争を戦闘的に打ち抜き、新たな時代をつくりだす第一歩としましょう!

奪還された学生から
弾圧を団結拡大に転じた大勝利
 全学連 松本彩乃さん

 2月8日の逮捕から20日間、勾留されていましたが、7人全員の釈放をかちとりました! この逮捕は一つに、中国侵略戦争策動と対決し、反戦運動を全力で切り開いてきた全学連への攻撃です。二つに、戦争情勢下で京大学生運動をたたきつぶすということ。大学を戦争推進の機関に作り変えるにあたって、処分を恐れず闘う京大生の団結を解体する攻撃でした。三つに、女性解放闘争の前進、女性の決起への恐怖です。
 そして、こうした権力のもくろみをすべて粉砕し、完全勝利を収めました。とりわけ若い女性の仲間、女性差別事件と対決して運動体の変革を推進している仲間の力で戻ってきました。
 勝利して、弾圧は運動を強くすると確信しました。弾圧との闘いは、国家権力と対決して権力を取りに行く闘いなんだと実感する。星野・大坂闘争や仲間の逮捕との闘いで、そのことをつかんできました。今回のようにどんな攻撃も団結の拡大に転じ、粉砕して闘い抜きましょう。

女性の決起支え団結し共に闘う
 全学連副委員長・京都大学 亀井陽慧さん

 反戦闘争、労働運動、女性解放の名で女性差別を行うことは、立ち上がった女性を奈落の底に突き落とすようなとてつもない裏切りです。激しい怒りと同時に、一人の男性活動家として本当に申し訳ないと思い、この現実を覆すために全身全霊でこの決起を支え抜こうと決意し、当該の女性と共に闘ってきました。
 当該の女性が、自らが受けた襲撃をまず女性差別・性暴力ととらえる過程、そもそも行われた行為に対する怒り・言葉すら奪われている状況から、それを見据えていく過程は自己解放に向けた決定的な契機であると同時に、身を切り裂くような痛みを伴いました。共に闘い信頼してきた仲間が加害者を擁護するような裏切りが行われ激しい衝突が起きる、本当に苦しい闘いでした。しかし、この鉄火をくぐり抜けることなしに、今の戦争情勢、中国侵略戦争と対決できる階級の前衛へと飛躍することはできなかったと思います。
 一番身近な女性の叫びも聞けないで、どうしてパレスチナ人民の血叫びが聞こえるのか。どうして中国・アジア人民への血債をかけて、体を張って中国侵略戦争を止めると言うことができるのか。革命なき女性解放がありえないのと同じように、女性解放なき革命はありえない。全学連は立ち上がった女性たちと団結して先頭で闘います。

決意表明
資本・国家権力と非和解で闘う
 婦人民主クラブ全国協議会 新会員

 帝国主義段階に達した資本主義国家・日帝は今、むき出しの弾圧に走り出し、若い反戦活動家を痛めつけることに腐心しています。許せない!
 この資本主義社会で、ブルジョアイデオロギーが労働者搾取を正当化し、労働者は自分が搾取されていることに怒りを持つことができないでいます。人間の存在は経済のためにあるのではない。人間の搾取・商品化、そして資源化に対して今こそ声を上げていくべきときです。労働者たちは階級の概念を奪われ支配階級の規範を内面化していますが、一部の女性、特にラディカルフェミニストたちは、すでに家父長制への怒りを取り戻し、連帯を広げています。ある女性は「国際女性デーに必要なのはミモザではなく火炎瓶だ」と言い切りました。そうだ! 今日は資本主義と資本家を焼き尽くす日です。
 家父長制の打倒だけならリベラルも言えることですが、われわれは常にブルジョアジー・国家権力とは非和解です。私自身も学びを深め自己変革し、女性たちを獲得し、必ずこの中国侵略戦争を内乱に転化して止めてみせたいと思います。

女性の自己解放実現するデモを
 全学連 首都圏・女性

 運動の内部で起きた女性差別事件を告発した女性同志の決起に応えたい、その意志で発言に立ちました。運動内での女性差別を繰り返させないために、私自身も責任を引き受ける決意を表明します。
 4・28性暴力事件の告発に立ち上がった女子学生は、私が反戦運動で発言することを支えてきてくれた先輩です。先輩の命がけの決起に応えるために、絶対に女性差別、反戦闘争に負けるわけにはいきません。
 私は、戦時下での治安弾圧を行う警察権力に、今も暴力支配で抑圧されている女性たちの生き死にが決められるような理不尽な現実に強い怒りを感じます。2・8弾圧では不当逮捕の現場で仲間が権力に連行されるのを目撃し、激しい怒りを覚えました。しかし、仲間と団結し、政治と暴力を自らの手に奪還して、警察と対峙(たいじ)しながら実力で不起訴奪還をかちとり仲間を奪還したことは大きな展望を切り開きました。女性たちが自己解放を実現できるデモを今日ここから成功させましょう。

革命引き寄せる女性の反戦決起
 全学連書記次長・京都大学 池之端紗衣さん

 女性が反戦闘争に決起することはとてつもなく困難な道のりであると同時に、革命を手繰り寄せる決定的な力を持っています。
 日帝国家権力は全学連の女子学生たちの決起に追い詰められています。彼らにとって「客寄せパンダ」に過ぎず、機動隊や右翼といったむき出しの暴力を仕向けさえすれば屈服するはずの若い女性たちが、国家権力との激突も辞さず自己解放的に闘っている姿は、彼らを心底恐怖させていることでしょう。だからこそ、この闘いを先頭で切り開いてきた女子学生2人を獄に閉じ込めたわけです。しかしここ1、2年で反戦闘争、京大学生運動に決起してきた若い女性たちが奪還闘争の先頭に立ち、弾圧は完全に粉砕されました。
 女性は救済の対象ではなく社会変革の主体であること、そして全学連の闘いは女性の決起を運動全体で支え、その力を引き出すことのできる闘いだということを、私は今ここに立っている自らの存在で示したいと思います。中国侵略戦争―世界戦争に突き進む石破政権を打倒する革命的内乱を巻き起こしましょう。

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