三里塚反対同盟からのアピール

発行日:

週刊『前進』04頁(3386号03面02)(2025/03/10)


三里塚反対同盟からのアピール

この天神峰で耕し続ける
 天神峰 市東孝雄さん

 みなさんの日頃からのご支援に心から感謝しています。18年続いた私の南台農地をめぐる耕作権裁判も、いよいよ判決が3月24日に迫りました。
 NAAは「市東が自分たちに所有権がある土地を不法耕作している」として私を訴えたわけですが、うちは祖父の代からおやじ、私と3代100年もここで耕し続けてきたのです。
 向こうは「地主から底地は買った」と言うわけですが、この裁判の法廷で明らかになったことは、おやじと旧地主との間で取り交わしたとする文書が、偽物だったということです。これが証拠にならないことは裁判所も認めています。
 そして、NAAは旧地主との間でもめたせいで、肝心の畑の位置の特定も間違っており、こんなずさんなやり方で私が丹精込めて耕してきた土地をとろうなどとは、絶対に認めることができません。
 ほかにも多くの違法・脱法を積み重ねてきたNAAの責任こそ問われなければならないことが、はっきりしました。
 しかし、農地法裁判の不当判決、そして23年の天神峰農地への強制執行からも明らかなように、「国策裁判」ではどんなに理不尽な内容でも裁判所は権力の側を勝たせようとするのです。
 ですから、私は今度も良い判決が出るとは期待はしていません。そしてどんな判決が出ようと、私は反対同盟の一員として自分の体が続く限りこの天神峰の地で耕し続けるという気持ちはいささかも変わっていません。
 成田空港の拡張、地域の破壊を許さず、戦争に反対し農民の権利を守るため、判決後もみなさんと心を一つにして闘い続けます。
 3月24日の判決日、そして30日の現地闘争にどうぞ集まってください。

農地に一指も触れさせぬ
 東峰 萩原富夫さん

 千葉地裁が耕作権裁判の判決日を3月24日に指定しました。
 反対同盟員であり、同じ産直の仲間でもある市東さんは、「生まれ育った天神峰でこれからも生きていきたい」と成田空港に反対しながら、精魂込めて野菜づくりに取り組んでいます。3・30現地闘争では南台農地で立派に育つ野菜をぜひ見てほしいと思います。
 農業に真剣に取り組み、消費者との絆を大切にしている市東さんの誇りや生きがい、喜びを、NAAは再びの国家暴力を使った強制執行で奪おうとしています。絶対に許すわけにはいきません。
 まずは判決前にやれることを全力でやりきろうではありませんか。判決日に向け、千葉地裁を包囲する大結集をかちとるための宣伝活動を現地の仲間が開始してくれています。国家権力の横暴を絶対に許さない決意と迫力で千葉地裁を圧倒し、勝利判決をかちとりましょう。3・24への大結集をよろしくお願いします。
 一昨年前に天神峰農地が強制執行で奪われた悔しさを、天神峰に行くたびに感じています。私自身、初めての経験だったこともあり、もっと敵の攻撃を具体的に想定し、闘いを組むべきだったと反省しています。その反省を踏まえ、南台農地を絶対に守り抜くために、市東さん、現地の仲間と話し合い闘いを組んでいきたいと考えています。
 労働者は労働争議の際、職場の仲間と工場や会社の前でスクラムを組み、ピケットを張ってスト破りを許さず闘います。学生もまた、大学でのストライキではバリケードを組んで闘っています。そうした闘いは数百の部隊がいるからこそ可能です。
 三里塚は全人民的な闘いです。学生が実力阻止の先頭に立つと言ってくれていますが、学生だけに任せて済ますわけにはいきません。
 また、トランプ・石破によって中国への侵略戦争準備が進められる中、成田軍事空港粉砕の闘いはますます重要さを増しています。南西諸島の軍事要塞(ようさい)化と闘う仲間と連帯し、本土における軍事拠点づくりを粉砕しましょう。
 あらゆる知恵や資金、人を集め、国家権力・機動隊に市東さんの南台農地に一指も触れさせない決意、空港会社を震え上がらせるような闘志をもって3・30に南台農地に集まっていただきたいと思います。共にNAA本社に向けてデモに立ちましょう。

このエントリーをはてなブックマークに追加