3・24耕作権裁判勝利―30三里塚へ 市東さんの南台農地守り抜け 成田軍事空港化許すな

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週刊『前進』04頁(3386号03面01)(2025/03/10)


3・24耕作権裁判勝利―30三里塚へ
 市東さんの南台農地守り抜け
 成田軍事空港化許すな

(写真 1月12日の旗開きにあたって、反対同盟は市東さん【右から2人目】を先頭に成田市天神峰をデモ)


 18年闘われてきた耕作権裁判の判決が3月24日に千葉地裁民事第2部(齊藤顕裁判長)において出される。市東孝雄さんの命の農地、南台耕作地を絶対に奪わせてはならない。三里塚芝山連合空港反対同盟の呼びかけに応え、反動判決を絶対に許さぬ気概で開廷前の千葉地裁デモに立とう。成田空港の中国侵略戦争遂行のための兵站(へいたん)基地化、軍事空港化を許さず、3・30天神峰現地闘争に大結集し、成田空港会社(NAA)へ向けた実力デモに立ち上がろう。

中国侵略戦争阻止の決戦

 アメリカ第一主義を掲げる米トランプ政権は中国を主敵に据え、侵略戦争に打って出ようとしている。ウクライナ・ゼレンスキー大統領との会談決裂をも契機に、アメリカ帝国主義は基軸国としての位置からの没落を自覚しながら一層の帝国主義的利益の追求をむき出しにして、延命と巻き返しを図ろうとしている。
 日本帝国主義・石破政権もまた、自らの生き残りをかけて日米安保同盟を強化して改憲・大軍拡を推進し、中国侵略戦争へ猛然と突き進んでいる。自衛隊は「台湾有事」と連動した南西諸島をめぐる中国軍との戦闘を想定した「離島奪還」の訓練を繰り返し、米軍との共同演習を積み重ねている。南西諸島のミサイル基地化、弾薬庫建設、部隊の配備・増強が、地元住民の生活を踏みにじりつつ急速に進展している。
 すでに政府は、全国28カ所の「特定利用空港・港湾」を指定し、民間の空港・港湾施設を自衛隊や米軍の大型爆撃機や軍艦が利用するための整備・拡張工事に着手している。
 成田空港もまた、有事法制で兵站拠点へ転化する大空港として位置づけられている。三里塚闘争の創成期に反対同盟が視察に訪れた羽田空港は、ベトナムの戦場と行き来する米軍のチャーター機がひしめいていた。それ以上の光景が成田で再現されようとしている。第3滑走路建設、B滑走路延伸、空港敷地2倍化を計画する成田の「空港機能強化」、そしてターミナル統合、貨物地区の再編統合をもくろむ「『新しい成田空港』構想」は、国策としての巨大軍事空港建設にほかならない。
 三里塚反対同盟は、結成当初から今日まで一貫して「軍事空港阻止」のスローガンを掲げて闘ってきた。中国侵略戦争―アジア・太平洋戦争に動員され筆舌に尽くせぬ苦難を味わってきた反対同盟第一世代の反戦の強い意志は、世代を超えて受け継がれている。
 「空港絶対反対、農地死守」を掲げた三里塚闘争はまさに反戦の砦(とりで)として、国家権力や資本と非和解で闘う全国の労働者・農民・学生・人民の共闘と連帯によって守られ、発展してきた。これを押しつぶすために、権力は市東さんの農地を奪おうとしている。南台農地を守り抜く闘いはまさに、中国侵略戦争阻止決戦そのものだ。

違法・脱法重ねるNAA

 耕作権裁判は、2006年にNAAが市東さんを相手に、「不法耕作している土地を明け渡せ」として起こした裁判だ。祖父の代から農業を受け継ぎ、日々精魂込めて耕してきた市東さんに、「不法耕作者」のぬれぎぬを着せ追い出そうというのだ。だが法廷で明らかになったのは、NAAこそが違法・脱法・不正を働く張本人だということだ。彼らが唯一の証拠とするのは、市東東市さん(孝雄さんの父、故人)と旧地主が交わしたとされる耕作地の位置に関する「同意書」「境界確認書」だったが、これらが偽造文書であることが明らかになった。裁判所もこれに証拠価値を認めないと言明した。
 そしてNAAは、市東家が一度も耕したことのない土地を「賃借地」と決めつけるなど、位置の特定においても完全に誤り破綻した主張にしがみついた。さらに空港公団(NAAの前身)と旧地主の間での用地買収交渉の記録(本来証拠となるべき重要文書)は「一切残っていない」と白を切り、裁判所の文書提出命令も拒絶したのだ。
 このような不誠実な訴訟態度を貫いてきたNAAが、盗人猛々(たけだけ)しくも「土地を明け渡して出ていけ」と市東さんに迫っている。そんなでたらめを通していいわけがない。
 だがそれでも三里塚闘争では、道理を覆して権力の側を勝たせる「国策裁判」がまかり通ってきた。仮執行宣言が付いた反動判決が出た場合、南台農地を守る実力決戦に突入する。23年2・15の天神峰農地強制執行攻撃との対決を思い返し、市東さんの怒りを胸に刻み、今度こそ南台農地を守り抜こう。勝利判決をもぎとるため、全力でNAAの不正を暴き千葉地裁を追いつめよう。

今こそ「成田廃港」実現を

 成田空港は「機能強化」に先立ち、現在の空港施設のまま発着枠上限を現在の年間30万回から34万回に拡大する方針を打ち出した。
 周辺地域は一層深刻な健康被害をもたらす騒音の中に恒常的にたたき込まれる。すでに説明会などで激しい怒りが周辺住民から噴き出している。
 空港内では、管制官や地上支援業務(グランドハンドリング)などの深刻な労働強化・要員不足は解消のめどすらたっていない。昨年の羽田航空機事故のような事故を再び起こさせるわけにはいかない。
 動労千葉が闘ってきた反合理化・運転保安闘争や戦争協力拒否の闘い、反戦デモを組織する階級的労働運動の拠点を空港の内外に建設しよう。
 また千葉県と周辺自治体は、空港機能強化によって周辺地域一帯を物流基地の戦略特区とし、自然と農業の破壊を大規模に進めようと画策している。周辺住民の怒りと共に「成田廃港」を今こそ実現する時だ。
 3月本格着工が狙われている第3滑走路建設工事を粉砕しよう。3・24千葉地裁耕作権裁判判決日闘争―3・30天神峰現地闘争に結集し、反対同盟との血盟にかけて市東さんの南台農地を守り抜こう!

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「空港機能強化」フィールドワーク
 3月12日(水)午前10時 天神峰・市東さん宅前集合
 呼びかけ/三里塚芝山連合空港反対同盟

3・24耕作権裁判判決日闘争
 3月24日(月)正午 千葉市中央公園集合→市内デモ
 午後2時開廷 千葉地裁 601号法廷

3・30天神峰現地闘争
 3月30日(日)午後1時 市東さんの南台農地集合→NAA本社へ向けデモ
 主催/三里塚芝山連合空港反対同盟

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