杉並区議会 戦時体制反対、児童館潰すな 洞口区議、区長を追及

週刊『前進』04頁(3385号04面02)(2025/03/03)


杉並区議会
 戦時体制反対、児童館潰すな
 洞口区議、区長を追及

(写真 質問する洞口区議【2月17日】 )


 2月17日、第1回杉並区議会定例会で一般質問に立ちました(要旨別掲)。トランプ政権の政策について質問すると、岸本聡子区長は「アメリカ国内での人権侵害や社会的分断を深めることになるのではないかと危惧(きぐ)している」と答弁しました。このようにきわめて「第三者的」「客観的」に物事を語る姿勢そのものが間違っています。
 世界最強の軍隊を持つアメリカが中国を「最大の敵」として政権転覆の侵略戦争を発動すると公言しています。日本政府は軍事費2倍化を進め、9条改憲を公言し、増税や社会保障切り捨てを始め労働者民衆にあらゆる矛盾を強制してでも「国力」の一切を軍事と戦争に投入するとしています。沖縄・南西諸島に自衛隊基地を続々と新設し、中国本土も射程に入れた長射程ミサイルの配備が始まろうとしています。「中国や北朝鮮からの弾道ミサイル飛来の脅威」などの差別・排外主義があおられ、東京各地で内閣官房や自衛隊の主導するミサイル避難訓練が始まっています。
 こうした「戦時体制」形成が進行している時に「危惧」や「憂慮」などと述べている場合でしょうか? 政府が沖縄を犠牲にして戦争準備を進め侵略戦争に加担しようとしていることに全力で反対すべきです。
 さらに、岸本区長のペテン的な児童館整備方針や阿佐ケ谷再開発について質問しました。「対話の区政」を掲げる区長ですが、児童館の存続を求める保護者に「あなたの質問の仕方が悪い。納得できないのは、あなたのロジックと私たち行政のロジックがそもそも違う(から)」と言い放ったことを紹介しました。区長は「公約を全部かなえることは到底無理」と居直りました。
 岸本区長とそれを支持する日本共産党などの「リベラル」たちが、田中良前区長と同様に児童館を潰し、民営化を進め、阿佐ケ谷再開発を進めていることに、「ダブルスタンダードだ」と多くの住民が怒っています。今後も議会内外で闘います!(杉並区議会議員・洞口朋子)
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洞口区議の一般質問(要旨)

侵略戦争への加担は許されない
 住民無視の民営化・再開発やめよ

【1】区長の政治姿勢について
 連邦議会の公聴会で、ルビオ米国務長官が「中国は米国がこれまで直面した中で最も強力で危険な敵」と述べたように、トランプ政権は中国への侵略戦争に向かっています。そして、日米首脳会談で石破首相はトランプ政権と一体化し、帝国主義のむき出しの侵略と戦争を推し進めることを確認しました。再び登場したトランプ政権の政策について区長の見解を伺う。石破政権の来年度予算案(8兆7005億円の大軍拡)について岸本区長の見解を伺う。
 アメリカ政府は中国からの全ての輸入品に10%の追加関税を発動し、中国を最大の標的とする関税戦争を本格的に開始しました。これと一体で、日本においても、滞日・在日外国人への差別・排外主義が全社会を覆っています。1月27日に保育課から保護者宛にコンビニ強盗未遂事件について注意喚起を促すメールが配信されました。同月30日に「メールの内容に犯人の国籍について一部不確かな情報に基づく配慮に欠いた表現がありました」とおわびのメールが配信されましたが、一連の経緯を伺います。排外主義的なメールが配信された原因を、区はどのように総括しているか伺います。
 沖縄・南西諸島を始め全国各地でミサイル避難訓練が相次いでいます。今年2月4日には品川区で行われ、区役所職員50人が動員されました。中国侵略戦争体制に労働者住民を動員しようとするものにほかなりません。自治体でのミサイル避難訓練について、杉並区の検討状況を伺う。
 自治体が協力して若者の専用閲覧名簿を作成し、自衛隊本部に閲覧させている問題について伺う。自衛官募集業務の2024年度の実施状況について伺う。また、今年の自衛隊入隊・入校予定者激励会はいつ行われる予定か、お答えください。
【2】児童館・学童クラブについて
 杉並区は、「現時点で中学校区に児童館が無い地域に新たな児童館の整備を検討する」とのことですが、1月30日付で区議会に保護者からの陳情が提出され、小学生の居場所に従来同様、小学生機能優先児童館の整備を追加することなどを求めており、私も全面的に賛同します。
 陳情者Aさんは、前区政で廃止された東原児童館を利用していた保護者で、昨年11月17日に高井戸地域区民センターで開催された区長の区政報告会に参加されており、終了後に区長と直接、以下のやり取りをしています。
 Aさん「児童館について、なぜ公約から方針転換する内容になったか? 理由が一切説明されていない」
 区長「プラザやコミュニティふらっとや放課後居場所等の代替施設を整備している」
 Aさん「それは田中前区長の施設再編成の理由で、公約方針転換の理由にはならない。オープンハウスで職員に聞いても答えられないから岸本さんに聞きにきた」
 区長「職員も私と同じ認識だから、これ以上話すことはない。職員に聞いても私に聞いても分からないのは、あなたの質問の仕方が悪いからでは? 納得できないのは、あなたのロジックと私たち行政のロジックがそもそも違う」
 Aさん「いやいや、住民が納得できない事業は立ち止まる。住民合意をとるための『対話の区政』なのでは? これでは田中区政と一緒。納得できない」
 区長は話す機会を設定することもなく、その場を後にしたそうです。これが岸本区政の「対話」の実態です。
 まず、現時点で中学校区に児童館が無い7地域を伺います。7地域それぞれの整備の計画予定をお答えください。
【3】阿佐ケ谷再開発について
 岸本区長は就任後、初めての議会で、「阿佐ケ谷駅北東地区のまちづくりは防災性、安全性の向上など、地域の課題解決のために推進している重要な事業」と述べています。私は計画・事業を撤回する気など、さらさらないのだなと理解しました。岸本区長が区長選において問題としていたのは、「情報公開や合意形成」など、あくまで「進め方」の問題でありました。
 阿佐ケ谷駅北東地区まちづくりと土地区画整理事業の今後のスケジュールを伺う。土地区画整理事業に関わる昨年度末時点までの総額経費と内訳を伺う。

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