トランプ暴言で侵略が加速 ガザ・西岸で虐殺を継続住民追放狙うイスラエル

週刊『前進』04頁(3384号04面03)(2025/02/24)


トランプ暴言で侵略が加速
 ガザ・西岸で虐殺を継続住民追放狙うイスラエル

(写真 米大統領トランプのガザ住民追放計画に怒るヨルダン人民)

 米大統領就任直後にパレスチナ自治区ガザの住民を「一掃する」と発言したトランプは2月4日、イスラエルのネタニヤフ首相との共同記者会見で「米国がガザを長期的に所有する」と宣言、10日には近隣国に移った住民がガザに戻る権利は「ない」と言い放った。帝国主義むき出しの民族抹殺・領土強奪宣言に、全世界で怒りの声が爆発している。

強制移住を主張「戻る権利ない」

 トランプは4日のネタニヤフとの会談後、「米国はガザを引き継ぐ。ガザを所有し、責任を持って不発弾や兵器を取り除く」と傲然(ごうぜん)と述べた。10日に公開されたインタビューでは、「移住した住民がガザに戻る権利はない。エジプトやヨルダンに彼らのための恒久的な場所を建設する」と主張した。
 ネタニヤフはトランプの構想を「歴史を変えうるものだ」と歓迎。イスラエルのカッツ国防相は17日、ガザからのパレスチナ人の移住を推進する部署を設置すると発表した。一方、アラブ諸国の国連大使らは14日、ガザからの強制移住を拒否すると表明した。
 ガザの住民は「破壊されたガザで、さらに強制移住などされていいはずがない。われわれはどこにも行かない」と怒りを込めて訴える。ガザに住む200万人を「一掃する」というトランプの構想は、1948年のイスラエル「建国」に伴い70万人のパレスチナ人を追放した「ナクバ(大破局)」をも超える民族浄化の暴挙だ。

西岸攻撃し難民キャンプを破壊

 他方、ヨルダン川西岸では、数週間にわたるイスラエル軍の攻撃により、難民キャンプで暮らす数万人が住宅や道路などのインフラを破壊され、家を追われている。北部ジェニンではイスラエル軍が1月21日に開始した「大規模軍事作戦」により、難民キャンプから1万7千人が退去を強いられて、ほぼ無人と化している。ヌールシャムスでは全体の3分の2にあたる6千人が、トゥルカームでは1万人が難民キャンプを追われた。
 こうした中、トランプは4日、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への資金拠出の停止を継続する大統領令に署名した。米帝はイスラエルと一体化してパレスチナ人民に全面屈服を迫っている。
 イスラエルが「停戦」期間中もガザ住民への攻撃を続ける中、ハマスが人質の解放を延期すると発表したことを受け、トランプは人質全員を15日までに解放するよう要求。実行しない場合は「停戦」合意を白紙にすべきだと述べ、「地獄のような事態が起こる」と恫喝した。ハマスは15日に3人の人質を解放したが、「停戦」の第2段階にあたるイスラエル軍のガザからの完全撤退についてイスラエル側は協議に応じていない。
 米帝・トランプは中国侵略戦争に総力を挙げるためにも、中東を早急に軍事力で「平定」しようとますます凶暴化し、イスラエルを先兵として民族浄化を徹底的に進めようとしているのだ。パレスチナ連帯闘争を、中国侵略戦争阻止・帝国主義打倒の闘いとしてさらに拡大し闘い抜こう。
このエントリーをはてなブックマークに追加