3・8国際婦人デー闘争へ 戦争阻み帝国主義打倒へ闘う革命的女性解放闘争の創成を 革共同女性解放組織委員会

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週刊『前進』04頁(3384号03面01)(2025/02/24)


3・8国際婦人デー闘争へ
 戦争阻み帝国主義打倒へ闘う革命的女性解放闘争の創成を
 革共同女性解放組織委員会

(写真 昨年3月9日、東京・杉並で闘われた3・8国際婦人デーデモ。「沖縄を戦場にするな!」「中国侵略戦争阻止!」の声が響き渡った)


 2月7日の日米首脳会談・共同声明で、石破とトランプは「日米関係の黄金時代の追求」を宣言し、中国侵略戦争に向かってますます一体化を進めている。「南西地域の防衛体制の強化」(共同声明)とは、沖縄を中国侵略戦争の出撃拠点として再び地獄の戦火にたたき込むということだ。この情勢下で在沖米兵による女性暴行事件をはじめとして女性への差別・抑圧・性暴力が極限化している。戦時下に吹き荒れる差別・排外主義、反戦運動弾圧を粉砕し、女性の内乱的決起をかちとることができるか否か。このことが「戦争か革命か」を文字通り決するのだ。革命党としての断絶的な飛躍と自己変革をかけて、女性解放闘争と反戦闘争の前進を何としてでもかちとろう。すべての仲間に3・8国際婦人デー闘争への結集を訴える。

闘う女子学生らへの不当逮捕を許すな!

 一昨年12月に沖縄で起きた米兵による少女への性暴力事件を米軍・沖縄県警・日本政府が半年間隠ぺいしていたことが発覚して以降も、米兵による女性暴行事件が激発している。米軍嘉手納基地・第18航空団司令官のエバンス准将はこれを「(米軍と)地域との関係の小さな一側面」などと居直った。1995年の米兵による少女暴行事件に対する10万人決起をも超えて、今や沖縄の積もりに積もった怒りが爆発しようとしている。中国侵略戦争に突き進む米日帝国主義はこれを死ぬほど恐れているからこそ、続発する性暴力事件を百パーセントの政治的意図をもって隠ぺいし、「大した問題ではない」ことのようにわい小化しているのだ。絶対に許すことはできない。沖縄の軍事要塞(ようさい)化・人間性破壊の軍隊教育や訓練と一体で激発する、米兵の女性暴行事件への怒りと闘いを日本帝国主義打倒に向かって、とりわけ本土において、今こそ爆発させなければならない。
 この闘いの端緒はすでに切り開かれている。昨年、全学連は女子学生を先頭に4・28沖縄デー渋谷デモ、5月沖縄現地闘争―辺野古土砂搬入阻止の座り込み、8・6広島原爆ドーム前集会、10・7イスラエル大使館前抗議闘争などの実力反戦闘争を連続的に闘い、9月全学連大会で初の女性委員長となる矢嶋尋委員長体制を確立した。11・3全国労働者総決起集会では、前年比1・5倍となる学生の結集を実現した。続く12・1反戦女性集会では「沖縄米兵による少女暴行事件弾劾」をメインスローガンに、2024年の闘いを通して革命運動に合流した女性たちが次々と発言に立ち、反戦闘争と女性解放闘争の前進を示した。京都大学での12・13全国学生反戦集会では、京大の女子学生から熱烈な女性解放アピールが発せられた。
 これに対し、日本帝国主義国家権力は今年2月、2人の女子学生を含む京大7学生に「威力業務妨害」容疑をでっち上げて不当逮捕した。全学連の女子学生に対する逮捕は、2010年2月に法政大学前でのビラまきで法大生(当時)の洞口朋子さんが「威力業務妨害」容疑で不当逮捕されて以来、15年ぶりだ。2・7日米首脳会談の直後に仕掛けられた今回の弾圧は、このような女性を先頭とした実力反戦闘争の発展に対する支配階級の恐怖の表れだ。1925年治安維持法制定とその最初の適用例となった「京都学連事件」から100年。女性に対する性的嫌がらせをも手段として屈服・転向を迫る国家権力の反戦運動弾圧を粉砕し、女性の内乱的決起をかちとる闘いとして、今年の3・8闘争の位置が決定的に高まっている。

戦時下の差別・排外主義と対決し闘おう

 さらに今年の3・8闘争は、女性とセクシュアル・マイノリティーに対する帝国主義の攻撃の「転換」を捉えて真正面から対決することが求められている。
 これまでアメリカ帝国主義・バイデン前政権は、有色人種や移民、女性、セクシュアル・マイノリティーなどへの「差別撤廃」を掲げながら反差別運動を国家の側に取り込み、「多様性の尊重」と称して実際には女性の権利の破壊を進め、女性とセクシュアル・マイノリティーの分断・対立を意図的につくりだしてきた。またそれを通じて、自らを頭目とする主要7カ国(G7)を「民主主義陣営」として描き上げ、対中国、対ロシアを口実に戦争政策を正当化してきた。
 これに対し、バイデン・民主党への怒りや不満を吸い上げながら選挙戦を展開し圧勝したトランプは、大統領就任直後から移民やトランスジェンダーを排除する大統領令に次々と署名している。トランプは「女性を守る」などとうそぶくが、女性の人工妊娠中絶権を合憲とした1973年の米連邦最高裁判決を49年ぶりに覆した2022年の反動判決を「自らの功績」と自画自賛するトランプが実際に守ろうとしているものは、女性を子産み道具・家内奴隷とする「伝統的」家族制度にほかならない。
 民主党=バイデン・ハリスと共和党=トランプのどちらの政権下だろうと、大没落する米帝に残された道は中国侵略戦争・世界戦争に突き進む以外になく、そこに女性やセクシュアル・マイノリティーの解放などないことは明白だ。このアメリカで真に求められているのは「民主主義の復活」ではなく、戦争を引き起こす以外に延命できなくなった帝国主義を打倒するプロレタリア革命である。トランプ反革命のもとで激化する差別・排外主義への怒りと闘いが、これまで以上に爆発していくこともまた不可避だ。

性加害を告発する女性の決起が拡大

 アメリカと同じ内乱的激動情勢は日本でも始まっている。この間、吉本興業やフジテレビでの組織的性暴力の実態が明らかにされる中で、SNS上では「#私が退職した本当の理由」というタグで性暴力、セクハラの告発が女性たちから殺到している。職場での上下関係など社会的権勢を利用した差別・抑圧によって女性が職場から排除されながらも、表向きは「体調不良」や「自己都合退職」として扱われ、多くの女性差別の現実が闇に葬られてきた。それが今、次々と明るみに出されているのだ。
 昨年10月に初公判が行われた、大阪地検トップ(検事正)だった北川健太郎が部下の女性をレイプした事件でも、北川は被害女性に対して「(事件が公になれば)大阪地検は仕事にならないくらいの騒ぎに巻き込まれ、組織として立ち行かなくなる」などと口止めをし、被害女性は数年間にわたって泣き寝入りを強いられた。北川は事件が明るみに出るまでは「華々しく」公の場に登場し、被害女性は心的外傷後ストレス障害(PTSD)で休職に追い込まれた。さらに被害の告発を受けた上司の女性副検事は北川らに情報を漏らした上、被害女性への誹謗(ひぼう)中傷を組織内で吹聴していた(「告発した女性は北川に恋愛感情を抱いていた」「PTSDは詐病」など)。北川は女性を暴行する際に「これでお前も俺の女だ」と発言し、他にも複数の女性と「不倫関係」にあったという。
 このような女性差別と腐敗は無数に横行している。ところが、階級間対立の問題を現役世代と高齢者の対立にすり替え、資本に向けられるべき人民の怒りを差別と排外主義にねじ曲げ続けている国民民主党の代表・玉木雄一郎の不倫=女性差別的腐敗が明らかになったとき、「リベラル」連中は一斉に「当人同士の問題」「複数人との恋愛自体は否定しない」などと擁護し、あるいはブルジョア性道徳への単なる反発として「自由な恋愛」を賞賛すらしたのだ。
 有史以来、私有財産制のもとでの一夫一妻制は女性にのみ強制され、女性の不倫が「姦通罪」として厳しく罰せられる一方で、男性の貨幣その他の社会的権勢による買春はつねに正当化されてきた。女性が従属的位置に置かれている社会において、男性の性的放蕩(ほうとう)や性暴力によって無数の女性が心身を破壊され、時には子どもを抱えて路頭に迷わされ、犠牲と不利益を一身に被ってきた。この現実を捨象した「自由恋愛」の賞賛など女性解放とは無縁なばかりか、それ自体が女性差別主義そのものなのだ。

革命党の飛躍と変革かちとり日帝打倒へ

 今こそわれわれは、2019年の革共同第26回全国委員会総会(26全総)以来の格闘、さらにいえば70年闘争以来の苦闘を通じて確立してきた革命的女性解放闘争の理論と実践を、あらためて全党・全階級の中に復権しなければならない。
 「私有財産制に根拠をもつ女性差別・抑圧は、階級社会発生以来のものであり、資本主義の発生以前からあるのであり、その根は深い。そして最後の階級社会である資本主義社会に生きているわれわれ自身が、その影響を不断に受けてきているのである。さらに新自由主義の総破綻のなかで、帝国主義の経済的・政治的・イデオロギー的な差別・分断の攻撃は極限的に激化しており、われわれ自身もこの攻撃と無縁ではなく、革命党内といえども差別が発生する潜在的要素は厳然として存在する。だからこそ、これと徹底的に闘わなくてはならない。またそのことを確認するだけに終わらせず、実際に自覚的な闘いを開始することが必要だ。ここから目をそらしたときに差別に屈し、敗北するのだ」(革共同30全総・特別報告)
 この「自覚的な闘い」を再確立する決戦として今年の3・8を闘おう。動労千葉元委員長の故・中野洋さんは著書『新版・甦(よみがえ)る労働組合』で、「反戦闘争を闘い抜く時には、同時に侵略に反対する、差別や排外主義と闘っていく、こういうものを総称したものとしての反戦闘争と言わなければならない。それがどこか欠けていると本来の反戦闘争にならない。......結局どこかで壁にぶち当たってねじ曲がっていくことになりかねない。極めて重要な路線的問題だ」と提起している。
 階級社会の中で生まれ育った私たち自身が差別・腐敗に慣れ切り、習慣化してしまっている恥ずべき現実に対して、労働者階級と党が真正面から向き合い、日常的闘争課題とし、根底から打ち破って、真の同志的連帯を築き上げるために意識的に闘わなくてはならない。労働者階級は、資本主義社会を転覆する革命によって自らを解放するだけでなく、そのことによって資本主義以前の階級社会が生み出し資本主義のもとで再生産されてきたあらゆる差別的・抑圧的諸関係をも根底から一掃して全人間を解放するという、世界史的使命をもった階級である。労働者階級がプロレタリア独裁権力を樹立し階級社会のあらゆる汚物を一掃し、資本主義社会の転覆の上に新社会を建設していく能力を身に付けていくためにも、こうした自らの階級性を問い直す日常不断の闘いが不可欠なのである。
 運動に立ち上がった女性たちが時代や国境を越えて口々に、国家権力と体を張って徹底的に闘うことの楽しさや、これまでの「弱い性」としての自己のあり方が闘いの中で変革されてきたことの感動を語っている。歴史的に社会でも家庭でも暴力で支配され、政治から切り離されてきた女性たちが、反戦闘争をはじめとする政治闘争・大衆的実力行動を先頭で闘い、運動の指導的部分を担う中で、政治と暴力を奪還していくことが革命と真の女性解放の現実性を切り開く。女性が歴史上奪われてきた力を、男性も含めた運動全体の主体的課題として強烈な意識性のもとで取り戻し、現実の困難の中で女性の決起を支え、革命の主体としてともに闘うために、性や世代をも超えた組織、運動、階級全体の変革と飛躍をかちとらなくてはならない。3・8の闘いが口火を切ったロシア革命のように女性たちの力を引き出し爆発させていくことに、民衆が歴史をつくる時代を切り開く展望の一切がある。
 すべての労働者、学生のみなさん! 3・8を自分たち自身の闘争として全力で闘おう!

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2025年3・8国際婦人デー
◆3・8中央闘争/25年国際婦人デー集会
 3月9日(日)午後2時 西荻地域区民センター・ホール(東京都杉並区桃井4―3―2)
 集会後、デモ行進
 主催 3・8国際婦人デー集会実行委員会
◆広島/3・8反戦女性行動in広島
 3月8日(土)午後2時 アステールプラザ4階大会議室A(平和公園南側)/午後4時 デモ
 主催 3・8反戦女性行動in広島実行委員会
◆福岡/3・8国際婦人デー集会&デモ
 3月8日(土)天神一周デモ 午前11時30分 警固公園(福岡市中央区天神2―2)集合
 集会 午後2時開場 TOHOレンタルスペース天神(天神パインクレストビル202号室)
 主催 婦人民主クラブ全国協議会・福岡支部
◆北海道/3・8国際婦人デー
 3月8日(土)スタンディング 正午~午後0時30分 札幌市大通り西3丁目
 集会 午後1時~4時 カタオカビル5階カンファレンスルーム(中央区南2条西3―13―4)
 主催 婦人民主クラブ全国協議会北海道支部

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