関生支部への戦時弾圧粉砕を 湯川委員長への有罪判決許すな

週刊『前進』04頁(3384号02面02)(2025/02/24)


関生支部への戦時弾圧粉砕を
 湯川委員長への有罪判決許すな

(写真 関生支援東京の会が昨年6月に行ったデモ)


 全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の湯川裕司委員長に対する「京都3事件」の判決が2月26日に出される。検察は昨年6月、湯川委員長に「懲役10年」の超重刑を求刑した。断じて許せない。有罪判決を何としても打ち破ろう。2023年3月には大津地裁が湯川委員長に懲役4年の実刑判決を出している。中国侵略戦争に突進する国家権力は、あくまで関生支部を押しつぶそうと狙っている。この攻撃を粉砕することに、労働者人民の未来がかかっている。

ストを違法と決めつけ懲役10年求刑

 26日に判決が出される京都3事件とは、倒産争議の解決金を受け取ったことが「恐喝」にでっち上げられたベストライナー事件と近畿生コン事件、廃業の意向を示した経営者に設備の解体とミキサー車の譲渡などを求めたことが「恐喝未遂」「強要未遂」にされた加茂生コン事件の3件だ。
 経営者との合意に基づき労働組合が解決金を得ることは、何ら犯罪ではない。経営者団体の生コン協同組合が関生支部に解決金を払ったのは、協組に加入しないアウトサイダー企業の業界参入を阻むため、同支部との協調関係を維持するという目的があったからだ。
 加茂生コン事件では、同社に設備の解体などを求めた生コン協組執行部の言動が、関生支部との「共謀」の上になされたとして、湯川委員長らが逮捕・起訴された。だが検察は、生コン協組と関生支部との間にどんなやり取りがあったのかを何も立証していない。
 にもかかわらず検察は、「懲役10年」の常軌を逸した求刑をした。検察の論告は「関生支部はストライキを手段とし、組織の威力を背景に自らの要求に応じさせるスキームを確立していた」「関生のストライキは出荷妨害が目的」などと、スト自体を違法と決めつけている。だが、「業務の正常な運営を阻害する」争議権の行使は、労働組合の正当な権利だ。労働組合の行動が威力を帯び、資本を畏怖させるのは当然のことだ。
 論告はさらに、「使用者に対して社会的に劣位にある労働者を保護するのが労組法の刑事免責の趣旨であるが、関生支部は組織力・動員力を背景に京都生コン協組を畏怖させ、意のままに支配していた」とも言う。強い労働組合には団結権の保障はないと言うに等しい。そこに表れているのは、労働者が団結し実力で闘いに立つことへの国家権力と資本の恐怖だ。

戦時体制づくりに立ちはだかる闘い

 中国侵略戦争に向けた戦時体制は、労働者の階級性を解体し動員することなしに成り立たない。その攻撃の先兵が、「賃上げのためには戦争にも軍需生産にも協力する」という姿勢をあらわにする連合だ。だが連合の一層の産業報国会化は、その求心力をさらに失わせる。この裂け目を突いて階級的労働運動が台頭してくることに、支配階級はおびえている。
 経団連は「賃金引き上げを定着させる」とうそぶくが、三十数年にわたり賃金を引き下げてきたのは経団連だ。関生支部はこの攻撃と闘い、生コン労働者の大幅賃上げと雇用保障を実力でかちとってきた。だから資本と権力は同支部をつぶし、崩壊しつつある連合のもとに労働者を縛りつけようと躍起になっている。
 関生支部は全国金属機械労組港合同や動労千葉とともに11月労働者集会を呼びかけて階級的労働運動再生の闘いの先頭に立ってきた。また、産業別労働運動を拡大して戦争を止めようと訴え、実践している。学生7人の不当逮捕や8・6広島暴処法弾圧が示すように、国家権力は反戦闘争つぶしに全力を挙げている。こうした攻撃に労働組合として最前線で立ち向かっているのが関生支部だ。

25反戦春闘に立ち関生支部を守ろう

 関生支部の組合員は、逮捕や起訴を脅しにした組合脱退強要に屈せず、団結に生きると決断し、必死の反撃に立っている。それは敵の攻撃に破綻を強制した。
 和歌山広域生コン協組事件で23年3月に逆転無罪判決が出されて以降、3件11人の無罪が確定した。和歌山事件の判決は、産業別労働組合の関生支部と生コン協組は労働関係上の当事者に当たるため、そこに組合員がいなくても協組に対する同支部の行動は団結権の正当な行使だと判断した。
 関生支部が訴えているように、この画期的な判決も活用して労働組合をつくりストライキに立つことが、同支部への最大の支援になる。25春闘を中国侵略戦争絶対阻止の反戦春闘として闘おう。湯川委員長への有罪判決を粉砕する闘いは、その最初の決戦だ。関生支部を全力で守り抜こう。

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