成田市の文書隠しを弾劾 三里塚団結街道裁判
成田市の文書隠しを弾劾
三里塚団結街道裁判
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千葉地裁民事第3部(岡山忠広裁判長)で1月24日、団結街道裁判が開かれた。成田市天神峰の市東孝雄さんの営農にとって、自宅と南台農地を直線で結ぶ団結街道(成田市道・天神峰―十余三線)は必要不可欠の道路だったが、「3本目の誘導路をつくるのにじゃまだ」とのNAAの意を受けた成田市は、2010年6月にこの道を暴力的に封鎖し、その土地を格安でNAAに売り渡すという暴挙に及んだ。市東さんはじめ住民が原告となり、廃道処分の違法を追及してきたのがこの裁判だ。
東峰、天神峰地区では、誘導路・滑走路の増設に伴ってトンネル化された地下道が四つあるが、団結街道は「廃止」という結論だけが強いられた。反対同盟顧問弁護団による求釈明に対して、被告・成田市の代理人は1月10日付の書面で、「2009年8~12月の4者協議会の中でトンネル化は検討されたものと思われるが、記録が残っていない」としらを切った。
また、「付け替え道路、機能補償道路を整備することで耕作地へのアクセスが確保できるから、トンネル化は必要ないと判断した」と開き直った。遠回りになる「付け替え道路」「機能補償道路」が市東さんの営農に多大な負担を強いることについては一切言及なしだ。
弁護団は、「記録がないとは、成田市お得意の証拠隠しだ。この裁判は廃道処分が実行された直後に提訴されたのであり、本来保存されて当然の関連記録文書が一切残っていないことなど絶対にありえない」と追及した。さらに、被告NAAが「トンネル化するかどうかの検討は、廃道とは関係ない。道路法に基づいて『一般交通の用に供する必要がなくなった』だけだ」と主張していることも、弁護団は徹底的に弾劾した。
閉廷後、伊藤信晴さんの司会で報告集会が開かれた。弁護団は文書隠しを行う被告らを強く批判し、判決が間近に迫る耕作権裁判勝利への決意を表した。動労千葉、市東さんの農地取り上げに反対する会、全学連が連帯発言を行った。
次回の裁判は、2月28日(金)午後1時30分開廷、最終弁論が行われる。
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