トランプ「ガザの住民一掃する」 2千ポンド爆弾提供を再開

週刊『前進』04頁(3381号04面01)(2025/02/03)


トランプ「ガザの住民一掃する」
 2千ポンド爆弾提供を再開

(写真 これ以上子どもを殺すな! 医療労働者がガザでの病院襲撃に抗議【1月6日 ニューヨーク】)

 トランプ米大統領は1月25日、パレスチナ自治区ガザ地区に住む人々を「全て一掃する」と言い放ち、ヨルダンやエジプトなどアラブ諸国が受け入れるべきだと主張した。同時に、イスラエルへの2千ポンド爆弾の提供を再開すると明かした。20日の大統領就任後、直ちにパレスチナ抹殺攻撃へ凶暴に突き進むトランプに、世界中で怒りが爆発している。

アラブ諸国にガザ市民受け入れ要求

 トランプは25日、ヨルダンのアブドラ国王にパレスチナ人の受け入れを要求。その後、「(ガザには)おそらく150万人ほどの人々がいるが、われわれは全てを一掃する。何世紀にもわたって多くの紛争が起き、全てが破壊されて人々が死亡し、まさに解体現場のようだ。だからアラブ諸国も巻き込んで、別の場所に家屋を建てて平和に暮らせるようにしたい」と発言した。エジプトのシーシ大統領にも受け入れを要求する考えを示した。
 そもそもガザを破壊し尽くし、大虐殺を繰り広げているのはイスラエルであり、それを全面擁護し大量の武器を送り続けているのはアメリカ帝国主義だ。ガザでは27日、南部などに避難していた住民の北部への帰還が始まったが、多くの人が家を完全に破壊され、ガザ全体で13万5千のテントや仮設住宅が必要だと言われる。
 その上、トランプは、バイデン政権があまりに巨大な破壊力ゆえに停止させていた2千ポンド爆弾の提供の再開を命じたのだ。度重なる空爆を受けながらも必死に生き抜くパレスチナ人民に、「ガザを捨てろ、さもなければ皆殺しにする」と迫っているのである。

イスラエル閣僚が移住の推進を宣言

 トランプの発言を受け、イスラエルのスモトリッチ財務相は「イスラエルを破壊するという野望のために、ガザの人口の大半が過酷な環境に置かれてきた」と事態を全く転倒させて描き、「できるだけ早く移住を実施するための計画を策定する」と宣言した。ガザ「停戦」に反発して政権から離脱したベングビール前国家治安相も「今こそ移住を促進せよ」と主張した。
 パレスチナ自治政府の議長府は26日、「パレスチナ人は決して自分たちの土地や聖地を放棄しない」と表明した。住民は「ここにとどまり、破壊されたガザを再建する。困難な道のりだが、辛抱強く歩んでいく」「土地に残り続けることはパレスチナの人にとって抵抗の証しだ。一度去ったら戻れない。絶対に移住を始めてはならない」と不屈の闘志を燃やしている。イスラエル「建国」に伴って70万人のパレスチナ人が故郷を追われた「ナクバ(大破局)」を繰り返すことなど断じて許してはならない。
 トランプ足下の米国をはじめ、各国でパレスチナ連帯闘争が闘われている。イスラエルを支える日帝・石破打倒の反戦闘争を大爆発させよう。
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