2・9国鉄集会に結集を 戦争阻止の決戦陣形を築き階級的労働運動とり戻そう
週刊『前進』04頁(3381号02面01)(2025/02/03)
2・9国鉄集会に結集を
戦争阻止の決戦陣形を築き階級的労働運動とり戻そう
(写真 国鉄解雇撤回裁判の一審判決が出された昨年11月13日、動労千葉を先頭に東京地裁を包囲するデモが闘われた)
1987年の国鉄分割・民営化は、改憲と戦争国家化のために強行された戦後最大の労働運動解体攻撃だった。国鉄闘争はこれに抗して闘い抜かれ、労働運動再生の拠点をなしてきた。トランプの再登板と中国侵略戦争の急切迫は、労働運動の存廃を巡り、国鉄分割・民営化時に匹敵する決戦を引き寄せている。この攻防に勝ち抜く強固な陣形を、2・9国鉄集会(要項1面)でつくり上げよう。
控訴審勝利で解雇撤回へ
国鉄分割・民営化によって80年代初頭には40万人いた国鉄労働者が、JR発足時には20万人に減らされた。この大量首切りは、労働者に対する猛烈なネガティブキャンペーンとともに、労働組合を破壊する国家的不当労働行為として強行された。当時、マスコミは「国鉄職員は怠け者」「国鉄赤字の原因は職員が働かないせいだ」というデマ宣伝を連日繰り返した。すさまじい敵意があおられ、国鉄労働者の子どもは学校でもいじめの対象にされた。200人以上の労働者が自ら命を絶った。これは、当時を体験した労働者にとっては絶対に忘れることのできない記憶だ。1047名解雇撤回闘争は、この歴史を抹殺して一切の責任を闇に葬る攻撃と真っ向から対決して闘われてきた。首切りの主犯であり労働者の血に染まったJRは、恥知らずにも「身の潔白」を主張し、「犯罪があったとしても、罪を犯したのは旧国鉄」と言いつくろった。司法権力もその卑劣な言い分を容認し、JRを免罪し続けた。
控訴審段階に入った解雇撤回裁判は、いわば「再審」でJRに解雇の責任を取らせる闘いだ。昨年11月13日に東京地裁が出した判決は、「JRが主犯」という動かぬ証拠を突き付けられてもなお、「時効」でJRに逃げ道を与えた。この不正義極まる反動判決を覆し、逆転勝利をもぎり取る力勝負が始まったのだ。
これは、単に「過去に行われた不正」に決着をつけるだけの闘いでは決してない。トランプの再登板で中国侵略戦争が急切迫する中、国鉄分割・民営化の時と同様、あるいはそれを上回るような労働者への襲撃を許さず粉砕することが、今現在の課題として浮上してきた。1047名解雇撤回闘争は、その行く末を決める重大な攻防だ。
反動の突出をうち砕く力
昨年11月の兵庫県知事選は、社会に衝撃を与えた。県職員へのパワハラ疑惑などで内部告発され、県議会から不信任を議決されて失職した斎藤元彦が、異様な形で再選された。首長の権力を振りかざした横暴極まるパワハラへの人々の怒りは一転し、「パワハラはなかった」「斎藤知事ははめられた」という言説がSNSにあふれかえった。パワハラを告発した職員の声は意図的な虚偽とみなされ、暴力的に封殺されて職場は凍り付いた。事態は、疑惑を調査する百条委員会の委員を務めた県議が自殺するまでに至っている。斎藤や、斎藤再選を主導した「NHKから国民を守る党」の立花孝志らは、公務員労働者を問答無用にバッシングすることで、自身を「現状変革者」として押し出した。これは、国鉄分割・民営化や郵政民営化などに際して、自民党が繰り返し使ってきた手法だ。だが、斎藤や立花らが自民党と異なるのは、既成の「民主主義的秩序」をこれ見よがしに踏みにじり、それを自身の宣伝材料に使うことだ。彼らは人を死に追いやることもいとわない。
こうしたやからが、現状に対する人民の激しい怒りを一定、糾合している事態は、トランプが再び大統領に押し上げられたアメリカの状況とまったく同じだ。アメリカ帝国主義の歴史的大没落がトランプ反革命を生み出したように、日本帝国主義の絶望的危機と打開しようのない閉塞(へいそく)状態こそが、日本でもミニ・トランプをはびこらせているのだ。
トランプのむき出しの領土拡張主義と「不法」移民への襲撃、パレスチナ人民圧殺戦争の極限的激化、女性や性的マイノリティーの人々に対するあからさまな差別と抑圧は、日本のミニ・トランプどもに格好の手本を与えている。彼らの反動的言動や行動を絶対に許さず、これを力で粉砕することが必要だ。これは、階級的労働運動にとって欠くことのできない課題だ。
国鉄分割・民営化と対決してきた国鉄闘争と、国鉄闘争を軸に共闘してきた11月労働者集会運動には、そうした闘いを生み出す力が内包されている。労働者階級と真正面から対決したこともなく、内乱も経験していない軽薄なやからに、階級的に武装した労働者が負けるはずはないのだ。
改憲・戦争国家化粉砕を
トランプのもとでかつてなく激化する帝国主義間争闘戦におびえ、最も翻弄(ほんろう)されようとしているのは日帝だ。トランプは大統領就任演説で、「米国民を豊かにするために外国に関税を課す。……外国から巨額の金が国庫に流れ込むことになる」と言い放った。その標的には、明らかに日帝が含まれる。石破はこれに必死の対応を試みつつ、結局は米帝と一体となって中国侵略戦争に突き進むしかない。少数与党に転落した石破は、自民党ら既成勢力との「現状破壊的対抗」を演出する極右の突出をも利用して、リベラル派を震え上がらせ、野党をさらに屈服させて戦時体制をつくろうとしている。国会はすでに全政党が「国を守れ」に唱和する総翼賛状態だ。「年収の壁」をめぐる議論はあっても、軍事費8兆7千億円は問題にもされない。その上に石破は、あわよくば改憲発議をも狙っている。
国鉄分割・民営化当時の首相・中曽根康弘は、「行政改革でお座敷をきれいにして立派な憲法を安置する」とうそぶいた。国鉄闘争はこのもくろみを打ち砕き、三十数年にわたり改憲を阻み続けてきた。この力を全面的に発揮するべきときはまさに今だ。
階級的労働運動の存廃をめぐっては、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の湯川裕司委員長への有罪判決を粉砕する2月26日の判決日の攻防が重大な決戦になった。
2・9国鉄集会は階級的労働運動をよみがえらせる重要な集会だ。ここを起点に反戦春闘に立ち、中国侵略戦争を阻止する巨大な反戦闘争を巻き起こそう。