民主労総 「労働者の現実変える」 社会大改革を宣言

週刊『前進』04頁(3380号02面04)(2025/01/27)


民主労総
 「労働者の現実変える」
 社会大改革を宣言

(写真 「内乱勢力清算・社会大改革実現」を掲げ、意気高く都心デモに出る民主労総の隊列【1月18日 ソウル】)

(写真 ユン政権が強行した医療改悪と民営化を弾劾する医療連帯本部の組合員)


 ユンソンニョルを弾劾訴追・逮捕に追い込んだ韓国労働者階級の闘いは、労働者権力の樹立に向かって進撃を続けている。

各労組が次々と新たな闘い決意

 ソウル・光化門では1月18日、ユンソンニョルの即時退陣・社会大改革を求める7回目の「汎(はん)国民大行進」が開催され、15万人が結集した。現場には事前集会を開催した民主労総傘下の各労組がデモで合流。光化門―景福宮駅一帯にブースを設け、市民向けに労働組合の闘いを知らせる宣伝活動を行った。集会では「ユンソンニョルの逮捕は始まりにすぎない」「『戒厳宣布以前の日常を取り戻す』だけでは不十分だ。大統領や国会議員の顔だけを変えるレベルを超えた政治改革が必要だ」という決意が口々に語られた。
 20日には金属労組が国会前で記者会見を開催し、非正規職労働者らが労働三権をかちとるための労組法2・3条の即時改正を訴えた。関連法が2度も国会を通過しながら、ユンソンニョルの大統領拒否権発動で阻まれてきたものだ。
 参加者は、ユンソンニョルの逮捕・拘束後には、「『生き地獄』である造船下請け労働の現実が変わり、外国投資企業の『食い逃げ』がなくなり、間接雇用の労働者が憲法に明示された労働三権を享受し、整理解雇と労組弾圧のない社会」をつくらなければならないと訴えた。そして「『弾劾後』『政権交代後』ではなく今すぐだ」と、国会や野党に釘を刺した。
 22日には、ユンソンニョルが推進してきた医療・年金・教育・労働の「4大改革」攻撃と闘ってきた公共運輸労組とその傘下の医療連帯本部、教育公務職本部、国民年金支部、非正規職特別委員会が記者会見を開催した。参加者たちは、ユン政権下で「労働者は『社会戒厳』と変わらない日常を過ごしてきた」とし、この現実を変えることこそユンソンニョル退陣の本質だと強調した。
 保健医療労組はすでに、今年の核心課題としてユンソンニョル退陣・弾劾―社会大改革の実現と並び、労働者の力で医療改革を闘いとるために産別ゼネスト闘争に打って出ることを決定している。

南北分断体制を打ち破る闘いへ

 1月19日には、逮捕状発付に反発したユンソンニョル支持者が米連邦議会襲撃事件に倣ってソウル西部地裁に乱入する暴動的事態まで起きた。街頭で太極旗と星条旗を振り「北朝鮮の脅威」「反共」を叫ぶ極右勢力は、日米韓軍事同盟に自らの命運を託している。
 ユンソンニョルの完全打倒・労働者権力樹立に向けた闘いの中で、南北分断を基礎とする反共軍事基地国家の現実をのりこえることが重要な課題にせり上がっている。
 民主労総に対する労働者人民の支持が拡大する中、追いつめられた極右勢力は、与党「国民の力」をバックとして民主労総への敵意をむき出しに「反共青年団」の発足を宣言した。さらに、その下部組織は、かつて1980~90年代に労働運動・民主化闘争に残虐な襲撃を加えた私服警察部隊である「白骨団」の名を引き継ぐに至った。労働運動・民主化闘争弾圧の象徴、国家暴力の象徴である白骨団の復活に対し、労働者人民の中から激しい怒りと危機感が噴出している。
 また、ユンソンニョルが昨年ピョンヤン(平壌)に無人機(ドローン)を侵入させてビラを散布し、これに反発する北朝鮮との間で武力衝突を引き起こして非常戒厳宣布の口実としようとしたことに対する怒りも高まっている。実際に10月、北朝鮮はドローン侵入に抗議して南北を結ぶ道路と鉄路の爆破に踏み切った。韓国軍が対応射撃を行い、軍事境界線をめぐる緊張は「朝鮮戦争以来で最高」のレベルにまで高まった。他でもないユン政権こそが南北分断を利用し、戦争をあおってきたのだ。
 日本帝国主義の侵略と植民地支配によってもたらされた南北分断体制、そして今なお続く朝鮮戦争下での国家保安法の存在に象徴される反共軍事基地国家の現実を内側から覆す闘いが今こそ求められている。
 韓国労働者階級と固く連帯し、米日帝による中国侵略戦争を東アジア革命―世界革命に転化する大反戦闘争を巻き起こそう。

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