トランプ打倒の歴史的闘争へ 米日帝の中国侵略戦争を国際的内乱に転化せよ!

週刊『前進』04頁(3380号01面01)(2025/01/27)


トランプ打倒の歴史的闘争へ
 米日帝の中国侵略戦争を国際的内乱に転化せよ!

(写真 トランプ就任式に全米で怒り爆発 「イスラエルへの支援をやめろ」「朝鮮半島から手を引け」。パレスチナ人民との連帯を示すクーフィーヤを巻き、トランプの就任式に抗議するデモ隊【1月20日 ニューヨーク】=記事3面


 1月20日、トランプが第47代アメリカ大統領に就任した。就任演説で米国第一主義を掲げ、むき出しの帝国主義として「米国は富を増やし領土を拡張する」と宣言して登場したトランプは、戦後世界体制を自ら最後的に破壊し、これまでにない凶暴さで中国侵略戦争・世界戦争に突進しようとしている。起きている事態の背景にあるのは、戦後帝国主義の唯一・絶対の基軸国であったアメリカ帝国主義の大没落、その世界支配・国内階級支配の崩壊的危機にほかならない。米国内では、闘う労働組合や青年・学生を先頭にただちにトランプ打倒闘争が始まり、米階級闘争は内乱的激突に入った。アメリカ、そして全世界の労働者階級人民と連帯し、中国侵略戦争を内乱に転化する闘いを日本からも開始しよう!

「米国第一」へ留め金外す

 トランプは20日、首都ワシントンの連邦議会議事堂で就任演説を行い、「米国の黄金時代がいま始まる」と宣言し、「米国はこれ以上つけ込まれることを許さない」「非常に明快に米国を第一に据える」として改めて米国第一主義を強烈に打ち出した。そして「米国は再び成長する国家となり、富を増やし、領土を拡大し、新たな美しい地平線に米国の旗を掲げていく国家になる」などと領土強奪を公言した。今まで通りのやり方では「成長」も「富の増大」もできないほどに大没落しきった米帝を「再び強大に」するためには、米帝一国の帝国主義的利害を徹底的に貫き、なりふり構わず戦後世界体制をぶち壊しながら突き進む以外にない、ということだ。
 さらにトランプは「メキシコ湾の名称をアメリカ湾に変更する」「米国は中国からパナマ運河を取り戻す」と述べ、ただちに名称変更の大統領令に署名。また「最強の軍隊を再構築する」と表明し、ガザ停戦合意(記事3面)を自らの成果として誇示した。国防長官に就任したヘグセスが1月14日の連邦議会公聴会で「中国が最優先事項」「戦争を終わらせ、より大きな脅威に軍事的資源を優先して振り向ける」と語ったように、その狙いはパレスチナ民族解放闘争を徹底的に圧殺して中国侵略戦争に全力を集中することにある。
 就任演説後の記者会見では、トランプはメキシコとカナダに2月1日から25%の輸入関税を、中国には10%の追加関税を課すことを検討していると述べた。大統領選時の公約ではすべての国からの輸入品に一律10~20%の関税を課すことを掲げてきたが、実行すれば平均関税率は17・7%に達し、1930年代の大恐慌時以来の水準となる。それは輸入インフレの高進、世界経済の分裂・ブロック化と大恐慌の激化、そして労働者人民のさらなる困窮をもたらすものだ。
 さらに「常識の革命を始める」と称して大反革命クーデターに踏み出すことを宣言したトランプは、「不法」移民排斥を掲げ国家非常事態宣言を発令し、メキシコとの南部国境に米軍を派遣することを表明、「史上最大の強制送還」に乗り出そうとしている。その一方で、「禁錮22年」「18年」の極右団体の幹部をはじめ21年1月の連邦議会襲撃で起訴されたほぼ全員にあたる1500人に恩赦を与えた。こうした極右を先兵に差別・排外主義を扇動し、移民労働者、女性や性的マイノリティーの人々への襲撃を扇動している。大統領令を連発し、軍隊を出動させ、政府職員の大量解雇を可能とするなど、トランプ独裁で「上からの内乱」をしかけているのだ。
 だが、億万長者のテック企業をはじめとした「巨大資本の政府」であることを隠しもしないトランプ政権に対し、米労働者階級人民の根底的な怒りと闘いが燃え上がり、内乱的激突がさらに発展することは不可避である。戦後の帝国主義世界体制の基軸国である米帝が「戦後の国際秩序は時代遅れだ」(ルビオ米国務長官、1・15上院公聴会での発言)として自らそれを破壊し、中国を「米国が直面した中で最も強力で危険な敵国」(同)とみなして侵略戦争に突き進む----それは全世界で戦争を激化させると同時に、階級矛盾・階級対立を先鋭化させ「本物の革命情勢」を成熟させずにはおかない。帝国主義そのものの打倒へ最後的決着をつける革命的激動の時代が到来したのだ。

争闘戦の激化に慄く日帝

 日本帝国主義・石破政権と資本家階級は、トランプによる「米国第一」の激しい争闘戦の発動に慄(おのの)き、絶望的危機に追い詰められている。トランプの大統領就任を前に、日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収が大統領命令で阻止されるという異例の展開となったが、「米国内所有・運営による強力な鉄鋼業界は国家安全保障の重要優先事項」「なぜなら鉄鋼は米国の防衛産業基盤を支えるものだからだ」(バイデン前大統領)との言葉通り、米帝は今や安保・戦争問題を絡めながら日帝に対して激しい争闘戦をしかけているのだ。トランプ政権下でこれがさらに加速されることは不可避だ。
 こうした中、21日に岩屋毅外相がルビオ米国務長官とワシントンで会談し、日米同盟を「新たな高みに引き上げる」ことで一致した。トランプ政権発足後初の日米豪印4カ国(クアッド)外相会合も開かれ、「一方的な現状変更に強く反対する」と中国との対抗姿勢を打ち出し、クアッドの枠組みを維持し続けることを確認した。また岩屋外相は訪米に先立つ13日にソウルで韓国外相と会談し、日韓、日米韓の協力を強化していく方針を確認。ユン打倒情勢で大動揺する日米韓3カ国軍事同盟を維持するために必死で働きかけた。15日には、沖縄と並ぶ中国侵略戦争の拠点と位置づけられるフィリピンを訪問、外相会談で対中国での海洋連携強化を確認した。
 トランプが2国間のディール(取り引き)外交を掲げる中で、「トランプ時代の国際秩序を探れ」(日本経済新聞社説)との声が日帝ブルジョアジーの中から噴出している。だが、日帝は独自の帝国主義的利害を追求して必死に動き回りながらも、米帝に代わって「国際秩序」を打ち立てる力などなく、結局は米帝と共に中国侵略戦争に突き進む以外にない。中国侵略戦争の要となる日本における反戦闘争の爆発こそが、東アジア―世界革命を切り開く決定的位置にますます押し上げられているのだ。

戦争国会粉砕・石破倒せ

 いま求められているのは、中国侵略戦争を日帝打倒の革命的内乱に転化する大反戦闘争を巻き起し、トランプ反革命と対決するアメリカをはじめ全世界の労働者人民と連帯して、日帝・石破政権打倒の巨大な闘いをつくり出すことだ。
 24日に開会した通常国会は、昨年以上の大軍拡・戦争国会になろうとしている。第2次トランプ政権の登場に対し、国会内では全政党が「祖国防衛」で反動的に身構えている。立憲民主党は「日米同盟のさらに健全な発展を」と主張し、日本共産党は「対等な日米関係を」と帝国主義外交=戦争を後押ししている。少数与党に転落した石破・自公政権はこれらの野党を取り込み、改憲・戦争に向かって国会の総翼賛化を推し進めている。こうした中で軍事費8兆7005億円の大軍拡予算、戦時体制構築のためにメールや通信を政府が監視する能動的サイバー防御法の制定などが狙われている(記事2面)。安保・沖縄闘争と一体で翼賛国会を包囲する闘いを巻き起こそう。
 さらに国鉄闘争全国運動が主催する2・9国鉄集会に大結集し、1047名解雇撤回の控訴審闘争勝利をかちとり、中国侵略戦争を阻む階級的労働運動・11月集会運動の巨大な発展を切り開こう。
 ウクライナ戦争3年2・23新宿反戦闘争を、ウクライナ反戦・中国侵略戦争阻止・石破打倒の闘いとして大爆発させよう!

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