三里塚 農地強奪実力阻止態勢へ 意気高く団結旗開き
三里塚
農地強奪実力阻止態勢へ
意気高く団結旗開き
三里塚芝山連合空港反対同盟が主催する新年初の敷地内デモと団結旗開きが1月12日に行われた。
まず、東峰神社で鳥居のしめ縄を交換した。この神社は東峰部落の総有でありB滑走路の南延伸に真正面から立ちはだかる闘争拠点だ。手際良く作業を終えてデモのために市東孝雄さんの南台農地に再集合した。
成田空港会社(NAA)が耕作権裁判でこの畑の強奪を狙っていることを太郎良陽一さんが説明し、「南台農地を守ろう」と訴え、直ちに120人がデモに出た。宣伝カーから婦人行動隊の宮本麻子さんが「空港反対・農地死守」の訴えを一帯にとどろかせた。デモは空港に向かって進撃しNAA本社に怒りをたたきつけた。
午後から芝山町飯櫃(いびつ)の福祉センター「やすらぎの里」で新年団結旗開きを開催した。最初に伊藤信晴さんが主催者あいさつに立ち、米トランプ次期大統領の相次ぐ暴言を「まるでギャング」と非難し、石破政権がトランプと共に中国侵略戦争に突進していることを指摘し、反戦闘争への全力決起を訴えた。
続いて東峰の萩原富夫さんが「闘争宣言2025」を発した(別掲)。「戦争のための空港機能強化と市東さんの農地強奪に立ち向かい、成田軍事空港粉砕へ闘おう」と訴え、耕作権裁判で不当判決が出た場合は直ちに実力阻止態勢に決起することを呼びかけた。
乾杯の音頭で市東さんが登壇した。「反対同盟59年の闘いも、みなさん方との団結の力でここまで続けて来られました。耕作権裁判の判決が間近ですが、闘いはこれからです。私の気力のあるうちは闘います」と力強く語り乾杯した。
連帯のあいさつの最初に動労千葉の関道利委員長が立ち、反対同盟と「車の両輪」として市東さんの農地を守り抜くと表明、また1人の組織拡大を実現したことを報告し、25春闘を「組織拡大・反戦春闘」として闘う決意を明らかにした。
顧問弁護団のあいさつやミニライブ演奏で会場の雰囲気が盛り上がったところで各団体の連帯あいさつが行われた。ひときわ熱い拍手に迎えられた全学連の矢嶋尋委員長は、耕作権裁判で反動判決が下された場合、直ちに現地行動隊を編成して闘うと約束した。一昨年の2・15天神峰強制執行阻止を闘った経験がその後の実力闘争の土台となったことを確認し、隊列を倍増して闘うと誓った。
革共同の秋月丈志書記長は、「三里塚は戦後80年の4分の3にわたり日本階級闘争の軸をなし、反対同盟と動労千葉を先頭に成田空港建設、国鉄分割・民営化の2大国策を揺るがす闘いをやってきた。革共同は反対同盟と共に25年三里塚決戦に決起し、トランプ反革命粉砕、中国侵略戦争阻止へ闘う」と表明した。
最後に太郎良さんが「また強制執行となったら、2・15の比じゃない、すごい闘いをやりましょう! 3・30天神峰現地闘争へ」と訴え、「団結がんばろう」で締めくくった。
---------------------------------------------------------
三里塚闘争宣言2025
2025年、ウクライナ戦争が3年、パレスチナ人民虐殺も終わりが見えない中、アメリカ第2次トランプ政権発足によって世界は混乱と衝突が激化し、世界戦争の危機が深まっている。シリア・アサド政権の崩壊、ドイツ連立政権崩壊、韓国・ユン大統領の戒厳令発動、米中対立の激化など世界情勢が激動する中、少数与党に転落した石破自公政権は総翼賛体制構築へと向かい、戦争準備を加速させている。
われわれは帝国主義による侵略戦争と環境破壊に立ち向かう世界の人民と共に闘う。59年目の三里塚闘争は、戦争のための空港機能強化と市東さんの農地強奪に立ち向かい、成田軍事空港粉砕へ闘わなければならない。
23年2月の天神峰農地強制執行から2年、成田空港会社は鉄板フェンスで囲い込んだ市東さんの農地を破壊し、荒れ地にしたまま放置している。これは農民(市東さん)と農業に対する冒涜(ぼうとく)だ。市東さんの営農と生活を破壊し、騒音をあびせて追い出しにかかる成田空港会社の攻撃を跳ね返そう。
18年間闘ってきた耕作権裁判は証人尋問を闘い抜き、昨年9月結審した。予想される3月の判決日まで気を緩めることなく千葉地裁を包囲し、必ず勝利判決を勝ち取り、南台農地を守り抜こう。仮執行など不当な判決が出た場合は、ただちに実力阻止態勢に決起しよう!
成田空港会社は「新しい成田空港」構想で、効率化し、巨大物流拠点として改造して空港間競争に勝ち抜くというが、実態は国家プロジェクトとしての軍事拠点造りに他ならない。対中国戦争をにらんだ沖縄・南西諸島でのミサイル基地建設から九州、全国へとひろがる空港・港湾の軍事化と弾薬庫建設など、戦争準備と一体だ。辺野古、宮古島など死活をかけて闘う沖縄と連帯して、軍事空港を粉砕する反戦闘争に立ち上がろう。
「夜間飛行差し止め訴訟」を闘う周辺住民と連帯し、空港拡張反対署名に取り組み「空港拡張差し止め裁判」を闘おう。3・30天神峰現地闘争に総決起しよう! 反対同盟は全ての闘う仲間と共に闘うことを宣言する。
2025年1月12日
三里塚芝山連合空港反対同盟