イスラエルが攻撃激化 中東全域に侵略戦争拡大
イスラエルが攻撃激化
中東全域に侵略戦争拡大
パレスチナ自治区ガザの保健省は昨年12月16日、一昨年10月に戦闘が始まって以降のガザの死者が計4万5028人になったと発表した。パレスチナ民族解放闘争の圧殺・ガザの完全更地化を狙い大虐殺を続けてきたイスラエル・ネタニヤフ政権は、米トランプ政権登場を前に軍事行動を一気にエスカレートさせている。
トランプ就任前に米が追加軍事支援
イスラエルは、ハマスが停戦合意の条件とするイスラエル軍のガザからの完全撤退をあくまで拒否しながら、ガザへの攻撃を続けている。12月27~28日には北部のカマル・アドワン病院などを攻撃し、世界保健機関(WHO)によると「北部の最後の主要医療施設が使用不能に陥った」。イスラエル軍は29日にもガザ市中心部の病院を空爆し、少なくとも7人を殺害した。
1月2日には、イスラエル軍が自ら避難区域に指定している南部マワシを含む各地を空爆し、少なくとも68人を殺害した。さらに4日から5日にかけて100カ所以上を攻撃し、105人を殺害した。
イスラエル紙ハアレツは12月18日、ガザを南北に分けるネツァリム回廊で、イスラエル軍が民間人も恣意(しい)的に殺害していたと報じた。軍は回廊を「殺害地域」とし、「狙撃兵が見渡せる範囲」で民間人を殺害。死者は「テロリスト」として数えられ、部隊間で殺害数の競争さえ生まれているというのだ。イスラエルの狙いがパレスチナ人民の皆殺しにあることはますます明らかだ。
こうした中、米連邦議会上院は12月18日、6億㌦以上のイスラエル支援を盛り込んだ国防関連法案を可決した。トランプは、1月20日の自らの就任までにハマスが人質を解放しなければ「米国史上、最も強力な打撃を与える」と恫喝している。中東での民族解放闘争の圧殺を早急に「完了」させ、直ちに中国侵略戦争に全体重をかけようとしているのだ。
シリア、イエメン、レバノンも攻撃
イスラエルは米帝と完全に一体化して、シリアをはじめ中東全域にますます戦火を広げている。
アサド政権崩壊翌日の12月9日、イスラエル軍はシリア各地の軍事目標を空爆し、占領地ゴラン高原からシリア領内に侵入して非武装地帯や軍事的要衝のヘルモン山などを制圧した。米帝もシリアへの空爆を繰り返している。
さらにイスラエル政府は15日、ゴラン高原の「人口倍増計画」を承認。国際法違反の入植地拡大に周辺国などが抗議する中、17日にはネタニヤフがヘルモン山のシリア側に入り、「イスラエルの安全を保障する取り決めができるまでこの地にとどまる」と宣言した。これについても米国務省は「シリアが放棄した緩衝地帯周辺にテロ組織が入り込めば、イスラエルを脅かす可能性がある」とあくまでも擁護している。
米帝・イスラエルはイエメンへの攻撃も激化させている。12月26日、イスラエル軍がイエメンの首都サヌアの空港や港を空爆し、少なくとも3人を殺害した。ネタニヤフは「イスラム組織フーシ派を破壊する。この任務が終わるまで攻撃を続ける」と述べた。米中央軍も30~31日、フーシ派の複数の拠点を攻撃した。
イスラエルは、11月27日に60日間の停戦を合意したレバノンにも空爆を続けている。その一方でイスラエルは1月7日までに、ヒズボラがレバノン南部のリタニ川以北へ撤退しなければ「合意が崩壊」する可能性があると「警告」した。
米帝・イスラエルによる中東全域への侵略戦争の拡大は、米国内を含む全世界のパレスチナ連帯闘争のさらなる爆発を呼び起こさずにはおかない。イスラエルを支えるトランプ・石破を打倒する反戦闘争の巨大な爆発をかちとろう。