革共同政治局の2025年1・1アピール トランプ反革命粉砕!石破打倒!中国侵略戦争阻止の大反戦闘争へ 革共同の飛躍かちとり、日帝打倒を反帝・反スターリン主義世界革命の突破口に!

週刊『前進』08頁(3376号05面01)(2025/01/01)


革共同政治局の2025年1・1アピール
 トランプ反革命粉砕!石破打倒!中国侵略戦争阻止の大反戦闘争へ
 革共同の飛躍かちとり、日帝打倒を反帝・反スターリン主義世界革命の突破口に!

(写真 東京・日比谷野外音楽堂で開催された2024年の11・3労働者総決起集会には全国・世界各地から3000人の仲間が結集し、中国侵略戦争阻止へ団結を固めた)

はじめに

 全世界において革命情勢が「全速力」で成熟・激化する中で、2025年が幕を開けた。韓国では、昨年12月3日の大統領ユンソンニョルによる非常戒厳宣布に対し、全国民主労働組合総連盟(民主労総)のゼネスト決起を中心に百万人規模の大闘争が爆発し、その最先頭で10~20代の青年労働者・学生が巨万の政治的決起を開始した。米大統領選でのトランプ当選とそれを前後して起きた一連の事態----日本の総選挙での与党大敗、ドイツ連立政権崩壊、フランスでの内閣不信任案可決(62年ぶり)、韓国のユン打倒への大闘争、シリア・アサド政権崩壊など、帝国主義の中心部や戦後世界体制の矛盾の集中点で、既存の政治支配の崩壊が次々と起こっている。
 本年1月の第2次トランプ政権発足は、アメリカ帝国主義の全体重をかけた中国侵略戦争・世界戦争への突入を急加速させると同時に、アメリカのみならず全世界で階級矛盾・階級対立を先鋭化させ、革命情勢のさらなる発展をもたらさずにはおかない。他方、「共産主義」を掲げながら世界革命を放棄し、帝国主義の延命を前提にして一国での社会主義建設を自己目的化したスターリン主義も、その公然たる登場(1924年秋、スターリンが初めて「一国社会主義論」を提唱)から百年を経て最後的破産・崩壊の時を迎えた。深刻な国内矛盾と経済危機を抱えながら、帝国主義の戦争重圧に対して反人民的な軍事的対抗を続ける中国スターリン主義・習近平体制も、もはや完全に行き詰まっている。
 いまやわれわれは「本物の世界革命情勢」のただ中にある。反帝・反スターリン主義の旗のもと、プロレタリア世界革命を完遂すべき時代が到来したのだ。革命をやる客体的条件は十分すぎるほどに満ちている。だが革命情勢を革命に転化する主体がいる。一切は革命主体としての階級の形成と、革命をやり抜く意識性をもった党の飛躍にかかっている。革共同はこのことを強烈に自覚し、「トランプ反革命粉砕! 日帝・石破打倒! 中国侵略戦争阻止!」の2025年決戦に突入する。
 第1次大戦の勃発直後、当時のドイツ社会民主党最左派の一人だったクララ・ツェトキンらによる女性雑誌「グライヒハイト」の1914年8月5日付号に掲載された次の檄(げき)を、レーニンは「帝国主義論ノート」に書き留めている。
 「プロレタリア大衆の行動の革命的精力と情熱は、彼らに対する迫害をもたらし、彼らを危険にさらし、犠牲を払わせるだろう。それがどうしたというのか? 個人や人民の生活には、全てを賭けさえすれば、全てを獲得できる、という時機があるものである。現在はそのような時機である。プロレタリア女性よ、用意はいいか!」
 この戦争下の精神で武装し共に闘うことを、革共同は本1・1政治局アピールをもって、全同志・全階級・全人民に心から訴える。

―Ⅰ― 党の飛躍かけ実力闘争貫徹し階級闘争の新段階開いた24年

⑴9回大会―33全総路線で原則貫き闘いの隊列を拡大

 3000人を結集した昨年11月3日の全国労働者総決起集会に至るまでの2024年決戦は、戦時下における革共同の革命党としての飛躍をかけた戦略的挑戦としてあった。
 革共同は、ウクライナ戦争開戦直後の22年2月に開催した8回大会で「反戦闘争としての反戦闘争」への総決起を確認し、そこから23年2月の三里塚農地死守決戦や5月のG7広島サミット粉砕闘争を経て、同年夏に開催した第31回全国委員会総会(31全総)で、反戦闘争に職場闘争を「対置」するような傾向を乗り越えて「一切の前提を抜きに、無条件に、例外なく、まず自らが反戦闘争そのものに決起」(31全総報告。季刊「共産主義者」第217号)することを全党員の義務とした。「反戦闘争=反帝国主義闘争が党の第一の任務」(同)と確認し、反戦闘争の爆発で11月集会への大結集を組織することを決定したのである。
 その直後の10月7日、イスラム抵抗組織ハマスを中心とするパレスチナ人民の歴史的蜂起が爆発し、われわれはこのパレスチナ人民の命懸けの決起を断固支持する立場を鮮明にさせ、パレスチナ連帯闘争を闘い抜いて11・19集会をかちとった。そしてこの地平を踏まえ、本紙24年新年号1・1アピールで「7・7路線の現代的再確立」を確認し、続く2月の9回大会で「闘う中国人民・アジア人民と連帯し、米日帝国主義の中国侵略戦争―世界戦争突入を日帝打倒の革命的内乱に転化せよ!」の戦略的スローガンを確立した。それは同大会第2報告の「米日帝国主義の中国侵略戦争と革命的共産主義者の任務」の明確化(それを踏まえたウクライナ戦争論やパレスチナ連帯闘争論の明確化)と一体だった。
 現実の戦争の進行とそのもとでの帝国主義の祖国防衛主義・排外主義の大宣伝に完全に屈服した日本共産党やカクマル、さらには実際に戦争が始まり革命が現実的課題になった瞬間にわが同盟から脱落・逃亡した部分は、今や軒並み、ウクライナ戦争をめぐってはロシアのみを断罪して帝国主義とその先兵=ゼレンスキーを擁護・応援し、パレスチナをめぐっては「ハマスもやりすぎ」論をもって帝国主義とイスラエルを事実上擁護する側に回っている。われわれは、こうした勢力とは真逆に、反帝・反スターリン主義を現代世界把握の基底に据え、「情勢の主体化」を闘争として実践しながら現実をつかみつつ、その確信を土台に労働者階級人民への宣伝・扇動と組織化を強力に展開してきた。
 こうして24年の闘いは、「反戦闘争としての反戦闘争」の組織化の闘いを決定的に次の段階に進めた。それは一つに、われわれが闘うべきなのは、戦争に対して一般的・抽象的に、あるいは「米中戦争ない」論のように非現実的に平和を願う運動としての「反戦闘争」ではなく、中国侵略戦争阻止の反戦闘争であり、国家権力との激突も辞さず「連帯し、侵略を内乱へ」を貫く闘争であるということだ。そしていま一つに、このような闘いこそが労働者階級、とりわけ青年・学生・女性にストレートに通用するのであり、彼らを結集させ力を引き出すものであることを実証したことだ。このことは11・3集会3000人結集、特に全学連が前年の1・5倍増となる百数十人の学生を結集したことに象徴的に示されている。そして今や全国の各地区、あるいは産別・戦線的領域で、青年世代を中心に新たな党員や活動家の結集が続々とかちとられており、全学連に続いて、闘いの隊列を急速に拡大する展望と現実性が生み出されているのである。
 振り返ると、9回大会と8・6広島暴処法弾圧(5同志不当逮捕)を前後して闘われた2・24ウクライナ開戦2年新宿闘争で、われわれは都心・繁華街でのヘルメット・スクラムデモを敢行、ここに出会ったばかりの青年・学生や大学入試を直前に控えた受験生などが層をなして結集して全学連と共に実力デモを闘った。3・8国際婦人デー闘争、3・11反原発福島行動24でも新たな仲間の決起が続き、4・28沖縄デー闘争では新入生の決意表明を起爆剤に渋谷の街を席巻するスクラムデモを実現した。5月沖縄闘争、6~7月闘争の過程でも闘いのたびに新たな青年・学生が隊列に加わり、鮮烈な発言で全体を鼓舞し、デモの先頭に立った。改憲・戦争阻止!大行進運動は、中国侵略戦争阻止の実力闘争を闘う大衆運動として発展を開始し、ここに結集した人が新たに仲間を組織する過程も始まった。

沖縄、広島闘争の勝利

 特筆すべきは5・15沖縄闘争での辺野古土砂搬入実力阻止、そしてこれに続く8・6広島闘争での平和公園入場規制を打ち破る徹夜座り込み・原爆ドーム前集会の貫徹である。「情勢の主体化」をもって全力で展開されてきたわれわれの闘いは、沖縄と広島の闘いで決定的に情勢そのものを揺り動かし(主体の情勢化)、「戦争を止め、社会を変える力はここにある」ことを実証した。特に広島闘争では、8・6ヒロシマ大行動と大行進運動、全学連、さらには一昨年から全国で数十波のストライキをうち抜きながら闘争力を高めてきた労働者たちが、共に労働組合運動を闘ってきた暴処法弾圧5同志の獄中闘争と連帯し、逮捕・弾圧を辞さず闘う決意を固めて実力闘争を貫徹したことが、以後の闘いの決定的な推進力となった。
 革共同はこの地平を踏まえ、8月の33全総で「8・6広島闘争の地平を全国へ!」と確認し、国家権力・右翼などとの激突も辞さず9・1練馬、9・22横須賀、10・27横田と反基地闘争を闘い抜いた。さらにパレスチナ人民の10・7蜂起1年を期して闘われたイスラエル大使館前行動と新宿デモは、この数年の首都での反戦闘争で最大規模の大衆的結集を実現し、闘争初参加の青年・学生・女性たちがその日のうちに11・3集会の組織者になった。パレスチナ連帯闘争とは「かわいそうな人々」を救済する運動ではなく、命懸けで日夜闘うパレスチナ人民と連帯して、帝国主義足下で帝国主義(自国政府・支配階級)と実力で闘うことだと示したのである。
 11・3に向かう過程では、自民党総裁選―衆院解散・総選挙と米大統領選、そして中国侵略戦争を想定した日米共同統合演習「キーン・ソード25」が展開される中で、反戦闘争を激烈な党派闘争としても積極的に位置づけて攻勢的に闘い抜いた。戦争問題を争点にせず総選挙でも大敗した日本共産党との対極で、われわれはそうした共産党と決別しつつある多くの人々との層としての合流を実現した。これは、革共同から集団脱党しながら今なお「革共同・東北地方委員会」を名乗って反党・反革命活動を続けるEL5派を11月集会運動からたたき出すこととも一体で、党派闘争の原則的な貫徹を通じて実現されたのである。
 以上の闘いを通じて、われわれは大衆的な実力闘争を通じて「政治闘争としての反戦闘争」、帝国主義の打倒、政治権力の奪取をめざす反戦闘争を復権させてきたのだ。

⑵3労組を先頭に11月集会運動の新たな前進かちとる

 24年決戦の地平としていま一つ強調すべきことは、11月集会運動を呼びかけてきた全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部、全国金属機械労働組合港合同、国鉄千葉動力車労働組合の3労組と共に、日本帝国主義国家権力と資本による組織壊滅型の弾圧と「労組なき社会」化攻撃を打ち破り、戦時下で反戦を貫く階級的労働運動の防衛・発展を力強くかちとってきたことである。
 一昨年の11月集会の直後にストライキを闘った港合同・昌一金属支部に対しては、同年末から民事再生法適用による会社倒産・解雇という形で、国鉄分割・民営化型の組織破壊攻撃が襲い掛かった。昨年6月には関生支部の湯川裕司委員長への「懲役10年」求刑という、産別労組運動解体・労組抹殺を狙う弾圧が仕掛けられた。国鉄分割・民営化に伴う国家的不当労働行為を暴いた動労総連合の1047名解雇撤回裁判では、東京地裁による暴力的な訴訟指揮のもと、原告の訴えを退ける11・13反動判決が出された。さらに8・6広島暴処法弾圧は、広島の反戦反核闘争への破壊攻撃であると同時に、3労組と固く団結して11月集会運動をつくり上げてきた闘う労働組合への弾圧でもあった。このように24年は、まさに3労組―階級的労働運動の防衛と発展をめぐる攻防が正念場を迎え、ここに勝ち切ることが革命党の任務となったのである。
 革共同は、これらの攻撃の本質を9回大会―33全総で明確に捉え、3労組と共に、党と労働者階級の飛躍をかけて猛然と反撃に打って出た。動労千葉は「戦時下の24春闘を、生活破壊と戦争への怒りを爆発させる反戦春闘として闘う」(関道利委員長)との鮮明な決意のもと、極限的労働強化・安全破壊・ローカル線切り捨て=廃線化と鉄道の軍事利用を狙うJR資本に真っ向からダイ改粉砕ストライキをたたきつけた。これを皮切りに、日教組奈良市の「春の嵐」行動など画期的な春闘決戦が闘い抜かれた。さらに5・1メーデー闘争を経て、夏から秋の過程でも全国の階級的労働運動の拠点職場で陸続とスト決起が実現した。この地平は11・3集会へと結実し、さらに11~12月過程でもスト決起が続いた。こうしてストライキの復権がかちとられてきたことは、階級闘争を新たな段階に押し上げる力となった。
 この過程ではっきりしたことは、党と労働組合の緊密な関係なくしては、戦時下における階級的労働運動の本格的発展をつくりだすことはできないということである。そして党が階級的労働運動の防衛と発展を自らの任務とし、職場からストライキや反戦闘争への決起を組織し、それと一体で職場細胞―地区党建設を意識的にかちとっていくことが、プロレタリア独裁を実現する力を労働者階級の中に形成していくのである。これは1917年ロシア革命以来の階級闘争の烈火の試練の中で教訓化されてきたプロレタリア革命の組織原則といえるものだ。革命党とは、現実の激しい階級闘争と断絶したところにつくられる「サークル」の集合体でもなければ、連合・全労連などの腐敗した幹部の許す範囲内でしか行動しないような「組合活動家」の集まりでもない。カクマルやEL5派などが描き上げるこのような「党建設」は、労働者階級の闘いの発展を阻害する最悪の反革命的敵対物以外の何ものでもないのだ。
 戦時下の労組解体攻撃を打ち破り最先頭で闘う3労組と11月集会運動こそ、日本労働者階級の宝であり、けん引車である。革共同はその防衛と発展に全力を挙げることを誓う。

広島弾圧5同志を奪還

 こうした激闘の中で、戦時下の治安弾圧を粉砕する反弾圧闘争が決定的に重要性を増した。
 71年11・14渋谷暴動闘争を星野文昭同志と共に闘い抜いた大坂正明同志への、東京地裁による一昨年12月の「懲役20年」のでっち上げ超反動判決は、中国侵略戦争に突き進む日帝による憎悪に満ちた革命党破壊の攻撃であり、党と労働者階級人民との結合を阻むための反革命にほかならない。だが、非転向を貫き不屈に闘う大坂同志を先頭に、でっち上げを暴き弾圧を粉砕する闘いは昨年を通じて大きく拡大している。11・23東京拘置所包囲デモ―24全国集会はその地平を示した。
 決定的なのは「8・6広島暴処法弾圧粉砕、5同志の年内絶対奪還」を宣言し、12・6広島現地闘争を被告同志の家族と共に闘い抜いて、5同志奪還をもぎりとった大勝利である。さらに裁判闘争勝利・暴処法弾圧完全粉砕へ全力で闘い抜こう。大坂同志の控訴審闘争勝利、迎賓館・横田爆取でっち上げ弾圧と闘う須賀武敏同志の防衛・奪還へ闘おう。
 24年決戦を通じて多くの青年・学生・女性が革命運動のリーダーとして登場し、階級闘争の先頭に立っている。青年たちが実感しているように、革命情勢とは「徹底的に闘い抜くと闘いが楽しくなる」(清水丈夫革共同議長)情勢である。そのような幾多の自己解放的な決起が時代を動かし、歴史をつくっていくのだ。確信をもって25年決戦に進もう。

―Ⅱ― トランプ再登場で急加速する中国侵略戦争情勢=革命情勢

⑴トランプ反革命の根源は米帝の大没落と崩壊的危機

 中国侵略戦争―世界戦争情勢は、昨年11月米大統領選でのトランプの「圧勝」で新たな段階に突入し、1月20日の「大統領就任初日」からさらに激化・加速されようとしている。すでに全世界の情勢が、トランプのアメリカを震源として昨年末から激しく揺さぶられている。トランプのような人物が、アメリカ社会を真っ二つに割る状況をつくりだし、「内戦的」選挙戦を経てもう一度アメリカの最高権力者に返り咲くということが、どうして起きたのか。それは米帝の大没落による崩壊的危機が一線を越えて進んだからである。
 米経済は「堅調」「好調」と言われ、「マグニフィセント・セブン(M7)」をはじめ最先端のテック企業を筆頭に株価は天井知らずに上がり続け、「アメリカ一強」「独り勝ち」といった言葉が飛び交っている。だがこの「繁栄」を一皮むけば米帝大没落の現実が現れるのだ。米経済の「好調」なるものの実体は、2008年恐慌時と20~21年コロナ危機に際してとられた超低金利政策、財政拡張などによって人為的にバブルの崩壊を先延ばしにし、さらなる巨大なバブルを膨らませているにすぎない。今の米株式市場は、永久に上がり続けるかのような幻想に覆われていた1929年大恐慌前の「黄金の20年代」よりも度外れたバブルだ。それが最後的に破裂しても、08年の時のような大規模救済手段は、巨額債務を抱える政府にも中央銀行にも残されていない。
 トランプは関税引き上げで米国に製造業を取り戻すと叫んでいるが、高関税で製造業が復活することなど絶対にない。それがもたらすのは輸入インフレの高進、保護主義のまん延、世界経済の収縮と分裂化・ブロック化の不可逆的進行、そして大恐慌の激化である。トランプは中国からのほぼすべての輸入品に10%(大統領選公約では60%!)、輸入額1位・3位のメキシコ・カナダに対しては大統領就任初日から全輸入品に25%の追加関税を課すと宣言しているが、これはまさに1929年恐慌を決定的に激化させ第2次大戦にまで行き着かせた関税法(スムート・ホーリー法)の再来だ。いや、世界貿易の規模や各国経済の連関が当時とは比べものにならないほどに発展した現在では、もっと激烈な破壊的作用を及ぼさずにはおかない。
 この最後的な恐慌の大爆発を前にして、すでに労働者階級人民の生活の困窮はすさまじい状況にある。戦時下の歴史的インフレ、物価高止まりに賃金上昇が追いつかず、そこにローン金利上昇が追い打ちをかけ、極端に高額の医療費や低福祉、社会保障解体、コロナ給付も打ち切りで困窮は激化し、貧困率は11%以上である。世界最大の医療費は巨大医療・製薬資本を潤すのみで、コロナ危機下では世界最悪の120万人の死者を出し、平均寿命は世界48位で先進国中最低レベルだ。さらに年10万人に達する薬物中毒死、4億丁の銃が流通する中で年4万人以上が死亡するほどの銃犯罪のまん延、全米の刑務所収監者数は200万人に達し、全世界の刑務所人口の25%にも相当する。
 アメリカは世界最大の経済・金融、最新のテクノロジー、最強の軍事力を持つ「唯一の超大国」でありながら、同時に世界最大の「破綻国」「貧困国」「内戦国」のような現実にある。これが大没落した米帝の姿だ。この極限的な、新自由主義的延命とその崩壊の果てに行き着くところまで行き着いた米帝の現実と、それへの人民のすさまじい憤激が、一方ではこの現実を拡大した民主党・バイデン=ハリスへの怒りとして噴出し、他方では(プロレタリア革命という出口を見いだせない中で)トランプの掲げる疑似革命的・現状破壊的な公約やファシスト的・排外主義的扇動に吸い寄せられたのである。そしていま一つ決定的なことは、一昨年の10・7以来のイスラエルによるガザ大虐殺と、これを一貫して支持・支援し続け、米国内の反戦運動を弾圧してきた民主党・バイデン=ハリスに対して激しい怒りが爆発したことである。
 このアメリカで真に求められているのは「民主主義の復活」などでは断じてない。圧倒的多数の労働者人民を「食わせられなく」なり、社会を崩壊させ、戦争に突き進むしかなくなった、この最末期の資本主義・帝国主義の土台そのものを根底的に転覆するプロレタリア革命こそが問題になっているのだ。

革命と反革命の激突へ

 トランプは「就任初日に、史上最大の強制送還作戦を開始する」と公約している。米国内の「不法移民」とされる人々の数は22年現在で1100万人、これに23年から24年4月までに入国した230万人を加えると1330万人を超える。この人々を国家非常事態宣言や1807年制定の「反乱法」によって、軍隊を動員して捜索、収容、強制送還するというのだ。まさにナチス・ヒトラーがやったユダヤ人追放・強制収容の「現代版」というべき攻撃である。軍隊の大動員によってこれまでの米社会の様相を一変させる「上からの内乱」であり、大反革命クーデターである。帝国主義の基軸国であり中心中の中心であるアメリカのブルジョアジーの本体から、トランプのようなヒトラー的人格が登場し、とてつもない排外主義を扇動し、大反革命を実行しようとしているのだ。
 だが、このトランプ反革命を、1920年代イタリアや30年代ドイツのファシズムによる政権掌握と単純に同一視することは誤りである。ファシズム体制は、帝国主義の階級支配が破綻し、革命と反革命の内戦が始まり、国家権力・ブルジョアジーに隠然・公然と支持されたファシスト党派が、労働者階級の組織(党、労働組合)を反革命テロで粉砕し、階級闘争を絶滅させて権力を握ることで成立する。だがトランプ(「トランプ党」と化した共和党)は、労働者階級の組織と運動を絶滅させる内戦を経て権力を握ったわけでは全くない。ガザ・パレスチナと連帯する反戦闘争は今も燃え上がり、新たなストライキの波が全米各地で広がっている。実際にはアメリカの労働者階級人民の半分以上は強烈な「反トランプ」である。国家非常事態宣言、軍投入による「不法移民」強制送還というすさまじい排外主義とクーデターの攻撃に対しても、労働者階級人民は必ず闘いに立ち上がる。
 トランプ政権下のアメリカは革命的内乱、革命前夜の情勢のただ中にあるのだ。アメリカ階級闘争はトランプ再登場によって、ついに民主党対共和党というブルジョア2大政党間の「対立」という議会主義的枠を取り払い、資本家階級と労働者階級、革命と反革命が直接的に対決し、その最後的決着をつける以外にないところに到達したのである。一切はアメリカにおける革命的労働者党の建設にかかっている。

⑵「アメリカ第一」の争闘戦貫徹し世界戦争情勢を促進

 トランプは、自身を再び大統領の座に押し上げた人民の憤激と現状変革への欲求が、今度は自分への怒りとなって爆発してくることを恐れるからこそ、どんな手を使ってでも政権としての「成果」を示そうとするが、それは人民が本当に求めているものを何一つもたらしはしない。そして結局トランプは、中国、ヨーロッパ諸国、日本などの全競争国に対して「アメリカ第一」の争闘戦政策を凶暴に貫くしかない。その最大の標的は言うまでもなく中国スターリン主義である。それは帝国主義間の争闘戦と異なり、中国のスターリン主義という「体制そのもの」を転覆するところまで行き着かざるを得ないものであり、中国スターリン主義の側も体制の存亡をかけて猛然と対抗せざるを得ない。大没落する米帝の体制的危機の不可逆的進行と中国スターリン主義自身の危機とが、ますます相互の対立を非和解的に激化させ、台湾・南中国海をめぐる軍事的対立を焦点として、帝国主義の中国侵略戦争―世界戦争を加速させていくことは避けられないのだ。
 トランプは「戦争を始めるつもりはなく、終わらせるつもりだ」と言うが、それは中東においては、イスラエル・ネタニヤフの言う「完全勝利」、すなわち10・7蜂起以来不屈の戦闘を続けるパレスチナ人民の民族解放戦争を完全に解体するまで、イスラエルを徹底的に後押しするということだ。実際、ガザ大虐殺への国際的非難に加え国内の不満や怒りの高まりにも追い詰められていたネタニヤフは、トランプの当選で「勢いづき」、ガザの抵抗闘争に呼応するレバノンのヒズボラへの攻撃を強め、昨年11月27日の停戦後も「ヒズボラの停戦違反」を口実に断続的に空爆を繰り返し、さらなるレバノン侵略拡大を狙っている。
 こうした中でシリア内戦情勢も激変した。アサド政権の最大の後ろ盾だったロシアはウクライナ戦争でシリアに介入する力を失い、またアサド支援勢力だったヒズボラも弱体化する中で、反体制組織「シャーム解放機構(HTS)」が攻勢に出て一気にアサド政権を崩壊させた。米帝の大没落と世界支配の後退は、アフガニスタン、イラク、中東から決定的に始まり、今や中東全体で国際的内乱情勢を激化させている。その中で米帝・トランプは、ガザでの「イスラエルの勝利を完全なものとすることの必要性」をネタニヤフと確認した。中国侵略戦争に総力を挙げる米帝・トランプは、崩壊した中東支配の再編をイスラエル・ネタニヤフの凶暴なガザ虐殺・パレスチナ侵略戦争の果てしない拡大に全面的に委ねようとしているのだ。だがそれは、中東における国際的内乱と大戦情勢をつくりだし、米帝の危機をますます促進することになる。

ウクライナ停戦の目的

 ウクライナ戦争について、トランプは「大統領就任から24時間以内に終わらせる」と「豪語」し、すでに「停戦」に向かってウクライナのゼレンスキー、ロシアのプーチン、フランスなど北大西洋条約機構(NATO)加盟国との会談ややりとりを行っている。トランプの目的は、大量の武器と資金をウクライナに与えて3年にも及ぶ戦争を行わせた結果、「ロシア弱体化」が相当まで進んだことも見極め、ウクライナ戦争にけりをつけて中国侵略戦争に米帝の総力を集中することにある。要するに「ウクライナ停戦」をもって中国侵略戦争の新たな段階に突入しようとしているのだ。
 すでにウクライナもロシアも超長期の消耗戦で疲弊の極みにあり、ウクライナ軍の「脱走兵」は累計20万人に達したと言われる。一方ロシア軍は、米国防総省の分析で開戦以来の死傷者が70万人以上、この数カ月では1日千人以上もの犠牲者を出しており、北朝鮮に弾薬のみならず援軍まで頼まざるを得ない状況に陥っている。さらにロシア国内では徴兵と徴兵逃れの若者の国外脱出による労働力不足、戦費増大、制裁による輸入制約、さらに通貨急落で物価高騰が深刻化している。開戦3年を前にウクライナでもロシアでも労働者人民の忍耐は限界に達し、その憤激がいつ爆発するかわからない状況だ。
 トランプはこの状況につけ込む形で「停戦」を画策しているが、それは中国侵略戦争というさらなる大戦争、世界戦争・核戦争への歴史の歯車を回すものでしかない。だからこそ、ウクライナ反戦闘争を中国侵略戦争阻止の反戦闘争の決定的一部をなすものとして、帝国主義打倒・スターリン主義打倒の闘いとして貫徹することが求められているのだ。

⑶帝国主義の危機と一体で進む中国スタの体制的危機

 中国スターリン主義の体制的危機は、米帝以上に激しく進行している。帝国主義経済と一体化することで生き延び、大国化した中国スターリン主義の危機は、帝国主義の危機と表裏一体である。08年大恐慌直後も巨額の経済対策で10%前後の成長率を維持し、帝国主義世界経済を下支えする役割も果たしたが、それは過剰生産能力問題、不動産や建設企業の過剰債務問題として矛盾を激化させ、成長率は低下し続けた。そしてコロナ危機とゼロコロナ政策の破産、不動産バブルの大崩壊を経て、米帝の対中国の貿易戦争や半導体規制、中国侵略戦争の重圧で決定的危機に陥っている。
 一方、ますます極端化している貧富の差はアメリカ帝国主義とまさに「相似形」である。23年1月時点で世界の「超富裕層」に該当したのは3112人で、国別では中国が969人と米国の691人を上回って最も多かった(23年3月の中国民間シンクタンク公表資料)。また中国のある調査では、平均資産870万㌦(約12億5000万円)の超富裕層は約460万人で、その資産合計は中国全体の67%を占める。平均資産16万5000㌦(約2380万円)の富裕層は9900万人で全資産の26%。残りの13億人の平均資産は3300㌦(約48万円!)で全資産のわずか7%を占めるに過ぎない。医療、年金、教育などの社会福祉の支出が国内総生産(GDP)に占める割合は6・5%に過ぎず、経済協力開発機構(OECD)加盟国(先進38カ国)の平均21・6%を大きく下回る。こうした中国の現実には「社会主義」とか、習近平が21年に大々的に掲げた「共同富裕」などどこにもなく、労働者人民の不満と憤激のマグマは社会の底に膨大に蓄積されている。そしてその蓄積され、暴力的に封じ込められてきた憤激と絶望が、「無差別殺傷事件」などの帝国主義各国で起きているような犯罪として激発しているのだ。
 1949年中国革命から76年、中国スターリン主義体制はこの30年あまりの急激な「成長期」から一気に衰退期に突入し、ソ連末期以上の国内矛盾の爆発と帝国主義からの軍事的重圧にさらされながら崩壊的危機に突入している。だからこそ習近平は、スターリン=毛沢東的な独裁者的指導者、「古典的」なスターリン主義者としての姿をあらわにして、「中国の夢」「中華民族の偉大な復興」「祖国の統一(陸台統一)」というナショナリズムのスローガンを前面に掲げ、反スパイ法改定、軍幹部の不正摘発などで支配を強化し、米帝の包囲・重圧と台湾強奪の侵略戦争に必死に対抗している。
 スターリン主義は、世界革命を放棄することで本質的・根本的に帝国主義に屈服した存在だが、スターリン主義としての体制を維持し、自己の権力を守るためだったら「どんなことでもやる」という攻撃性・積極性を持つ。米帝はこの中国スターリン主義の対抗的な攻撃性・積極性を徹底的に引き出し、それを中国の脅威としてあおり立て、もっと強烈な軍事的重圧をかけて戦争に引きずり込もうとしているのだ。

⑷中国侵略戦争への突進に活路求める「最弱の環」日帝

 日帝は安倍・菅・岸田の各政権のもとで、中国侵略戦争突入に向かっての日米同盟の大転換を総力で推進してきた。それは、2014年集団的自衛権行使容認の閣議決定と翌15年の安保戦争法制定から始まり、22年安保3文書改定、24年日米会談で合意した米軍・自衛隊の指揮統制連携強化=一体化と10年がかりで行われ、ついに対中国の日米共同作戦を具体的に策定し発動するところまできている。沖縄ではこの過程で辺野古新基地建設強行と一体で琉球弧の軍事要塞(ようさい)化が激しく進められた。だが、日帝・自民党政権は、これだけのことを連合と野党の総屈服と承認のもとで進めてきたが、労働者階級人民との直接的関係では何一つとして「転換」することも「承認」させることもできていないのである。そしてこれらを進めてきた安倍は射殺され、菅も岸田も最後は人民の怒りの炎に包まれてボロボロになって退陣に追い込まれ、ついに昨年総選挙で自民党支配は崩壊的危機に陥ってしまったのだ。
 こうした中で、成立と同時に末期的危機にある石破政権は、トランプ再登場と中国侵略戦争への本格突入情勢を迎えた。トランプの中国侵略戦争は、同時に「アメリカ第一」を非妥協的に貫く激しい対日争闘戦の展開となる。日帝自身が10%、20%というトランプ関税の対象国そのものであり、日本製鉄のUSスチール買収も反対、「阻止」を突きつけられている。NATO諸国同様、日帝に対して防衛費のさらなる増額要求を突きつけ、大量の米製兵器を購入させ、在日米軍駐留費の負担増も迫ってくるのは必至である。
 何よりも米帝・トランプは、中国侵略戦争では台湾と日帝をもっと最前面に立たせようとする。そして日帝はどんなに絶望的でも、日本の労働者階級人民との間の関係がどうであろうと、この米帝・トランプの要求に全面的に応え、自らの戦争として積極参戦していく以外に、帝国主義として延命する道は一切ないのだ。日帝は「最後の砦(とりで)」というべき自動車でも、今や世界を席巻する中国製電気自動車(EV)に追い落とされ、日産は利益を失ってホンダとの統合で生き残りをかけるところにまで追い詰められた。国鉄分割・民営化以後の連合支配と労働組合・労働運動の徹底的な弱体化をもって、30年以上も非正規職化・賃金切り下げで「利潤」を確保してきた日帝経済のあり方は、戦時下でのインフレに直撃される中で本当に労働者を食わせられなくなり、増税・大衆収奪による戦費調達もままならないという危機に陥った。安保3文書で「防衛費2倍化」を打ち出したものの、結局そのための財源確保、増税も決められない! 日帝が慌てふためき開始した政労資一体の官製春闘、官製賃上げによる一部の賃上げでは全くインフレに追いつかず、実質賃金は下がり続け、人民の生活困窮はますます激化している。
 実は日本においてこそ、米欧や韓国以上に労働者人民の憤激のマグマがたまりにたまっているのだ。この状況で防衛増税だ、戦争だとなったときに内乱が爆発する現実性を最も確信し、それに恐怖しているのが日帝支配階級・国家権力である。①「今まで通りの形でその支配を維持することが不可能になった支配階級」②「戦争・物価高騰によって欠乏と困窮が普通以上に激化している労働者階級の状態」③「これらの諸原因による大衆の活動性の著しい高まり(その予兆)」----レーニンが論文「第2インターナショナルの崩壊」で明らかにした、この革命的情勢の三つの兆候は、トランプ登場で加速する中国侵略戦争突入情勢と日帝・石破の絶望的な危機突破をかけた改憲・戦争・階級闘争圧殺攻撃の激化のもとで、必ず日本の全社会を覆いつくすことになる。
 日帝の敗戦から80年、この2025年こそ巨大な階級決戦の年である。この決戦を中国侵略戦争阻止の大反戦闘争としてうち抜こう。昨年8・6広島闘争を決定的転換点に11・3集会まで上り詰めていったように、反戦闘争のさらなる大衆的・実力闘争的・内乱的発展をめざして闘うことこそ勝利の道である。

―Ⅲ― 帝国主義の中国侵略戦争突入と反帝・反スタ世界革命戦略

 すでに述べた通り、革共同は8回大会から9回大会で「中国侵略戦争阻止」のスローガンを確立し、中国侵略戦争阻止の反戦闘争を反帝・反スターリン主義世界革命の決定的環としてつかんだ。日本における中国侵略戦争阻止の反戦闘争の爆発を「連帯し、侵略を内乱へ」の総路線のもとに拡大・発展させていくこと、「中国侵略戦争阻止」のスローガンをさらに全階級的・全人民的な「大衆的スローガン」にまで押し広げて反戦闘争を大爆発させていくことこそ2025年決戦の核心中の核心であり、日本革命・東アジア革命―世界革命の道である。
 そのためにも、今日あらためて明確にすべきことは、この中国侵略戦争が、①帝国主義による文字通りの侵略戦争であること、②帝国主義の基本矛盾の爆発としての世界戦争の現代的な特殊な形態としてあること、③これを阻止する反戦闘争は、帝国主義とスターリン主義を打倒する革命をかちとるまで闘い抜かれなければならないということ----である。本アピールでは、特に①について明らかにしたい。

⑴中国スターリン主義体制転覆狙う帝国主義侵略戦争

 ⑴ 中国侵略戦争とは、帝国主義による文字通りの〈侵略戦争〉である。「米中対立」「米中戦争」と言われるが、これを「対等な二つの大国」の間の対立、戦争ととらえることはできない。米帝・帝国主義の側が軍事的にも経済的にも技術的にも圧倒的な力を持ち、中国スターリン主義を包囲しすさまじい軍事的重圧をかけ、かつてソ連を崩壊に追い込んだように中国のスターリン主義体制を崩壊させようとしているのである。中国スターリン主義の側は、このままでは米帝によって台湾を完全に奪われ、自らの体制を本当に転覆させられるという現実性におびえているが、米帝の側は中国スターリン主義によって侵略され、自国領土に攻め込まれ、自国(の一部)を占領され、資本主義・帝国主義という体制を転覆させられるなどとは、当然のことながら全く思ってはいない。
 中国スターリン主義が核も含めて必死に軍備を増強し、台湾周辺や南中国海で軍事活動を展開し、ロシアを支え、BRICS諸国や東南アジア諸国連合(ASEAN)、アフリカ・太平洋・中南米諸国などとの経済的・政治的結びつきを強化しているのは、すべて米帝・帝国主義の中国包囲網をなんとしても打破し、体制転覆を断念させたいからである。中国スターリン主義のこうした諸動向をとらえて、現代の中国を「帝国主義」と見る人々もいる。さらに近年の中国の情報技術(IT)、EV、半導体、電機・家電といった分野での巨大独占体や巨大金融機関の存在、大々的な対外投資(資本輸出)、アメリカに対抗する「勢力圏」の拡大の動きなどの現象をとらえて、中国をレーニンの帝国主義論の定義がそのままあてはまる「帝国主義そのもの」と考える向きもある。しかしそれらは、以下のことから根本的に間違いである。
 第一に、現在の中国の政治権力を握っているのはブルジョアジーではないということである。確かに、現代の中国には巨大企業やとてつもない資産をもつ超富裕層が存在するが、それらは中国スターリン主義が帝国主義に対抗するために、また一国社会主義建設の危機と破産を取り繕うために導入した「資本主義化政策」の結果として生み出されてきた階層である。当然にもこれらの巨大企業や富裕層のカネの力が中国共産党とその国家機構に浸透し、腐敗をはびこらせるということも起きるが、ブルジョアジーが政治権力を直接握ることは絶対にできない。中国全土を網の目のように覆いつくす巨大官僚機構と軍・治安警察の暴力装置を握っているのは、中央―地方の中国共産党スターリン主義である。第二に「中国=帝国主義」論は、スターリン主義反革命ののりこえという問題、スターリン主義権力の打倒という第二革命の死活的課題、世界革命戦略上の巨大な問題を無視・軽視するものである。「スターリン主義はいつのまにか帝国主義になった」などというのは全くの現象論である。スターリン主義の問題とはそのような「軽い」問題ではない。第三に、何よりも決定的な問題は、アメリカをはじめとする帝国主義の排外主義的な中国脅威論、中国=赤色帝国主義論への屈服がそこには含まれているということだ。

帝とスタの基本的関係

 ⑵ そもそも帝国主義とスターリン主義はどういう関係にあるのか。9回大会第2報告では、帝国主義とスターリン主義の基本的関係について、次のように明確化させた。
 「世界革命を裏切り、帝国主義に本質的に屈服した地点で『一国での社会主義建設』を自己目的化したのがスターリン主義である。それは帝国主義の基本的延命を許し、この延命した帝国主義によるスターリン主義への全面的圧殺の重圧を受け続け、一国社会主義建設の矛盾=国内矛盾を激化させ、それゆえにますます帝国主義に対する反人民的な軍事的対抗に延命の道を求める。その結果、帝国主義にますます絶好の攻撃材料を与えてさらに巨大な軍事重圧を受け、また帝国主義の基本矛盾の爆発にも巻き込まれながらスターリン主義自身の矛盾をも爆発させ、ついに体制崩壊的危機に至る」
 つまりスターリン主義は、世界革命を放棄し、米欧日という帝国主義の心臓部・基幹部を延命させ、そのことによって帝国主義の世界支配を基本的に存続させているがゆえに、帝国主義の軍事的・経済的包囲とその重圧のもとにたえずさらされ続ける存在なのである。スターリン主義は、この帝国主義の包囲・重圧を全世界のプロレタリアートと被抑圧民族人民の国際的団結と世界革命の勝利によって根本的に打破するという道を捨て去り、帝国主義に対する反人民的な、プロレタリア国際主義とは縁もゆかりもない軍事的対抗と外交政策を展開する。しかし帝国主義の側はスターリン主義という体制を転覆・打倒するまで、その包囲・重圧を緩めることは決してない。そして実際に、ソ連スターリン主義は米帝の巨大な軍事重圧下で一国社会主義の矛盾を激化させ、一挙に崩壊してしまったのである。
 このように帝国主義とスターリン主義の基本的関係は、帝国主義の世界支配を根本的に覆す世界革命を放棄したスターリン主義が、基本的に延命した帝国主義による包囲と体制転覆の軍事的・戦争的重圧を受け続けるということであり、二つの体制が対等な力でぶつかりあっているというものでは決してない。

民族抑圧と植民地支配

 ⑶ 以上の確認の上で、米帝・全帝国主義と中国スターリン主義の関係の土台には、帝国主義と植民地(半植民地)・後進国との関係、抑圧国・抑圧民族と被抑圧国・被抑圧民族の関係があることが押さえられなければならない。
 英・仏・露・独・日・米などの帝国主義は、19世紀後半から1世紀以上にわたって中国を侵略し半植民地化してきた。マルクス、エンゲルスは、19世紀の半ばからのインドに続くイギリスの中国侵略・植民地戦争の残虐性を怒りを込めて糾弾し、それに対する中国人民の激烈な抵抗闘争の正当性を全面的に擁護している。帝国主義が20世紀を前後してさらに中国全土の分割と半植民地化を進め、その再分割をめぐって争い合う中で、後発帝国主義の日帝は最も凶暴にその分割・再分割戦に乗り込んだ。日清戦争で台湾および釣魚島(尖閣諸島)を略奪し、日露戦争で中国東北部の権益と朝鮮を奪い取り、その後もさらに中国侵略を追求し、1931年9・18柳条湖事件を契機に始まった侵略戦争(「満州事変」)をもって中国東北部に「満州国」という植民地国家をでっち上げ、37年7・7盧溝橋事件から中国に対する全面侵略戦争に突入した。そしてついにはこの中国・アジア支配をめぐる米英帝との帝国主義間戦争に突き進んだのである。
 中国人民は、足掛け15年に及ぶ日帝の暴虐極まる侵略戦争に対する不屈の抗日戦争を戦って勝利した。さらに米帝の支援を受けた蒋介石・国民党軍との内戦に勝ち抜いて、49年10月、中国革命の勝利をかちとった。スターリン主義の毛沢東・中国共産党の指導による歪曲を受けたものであれ、1世紀以上に及ぶ帝国主義の侵略・植民地支配・民族抑圧を民族解放・革命戦争の勝利によってうち破ったことは、反帝国主義の民族解放闘争の歴史において不滅の意義を持つ。このことはどんなに強調しても強調しすぎることはない。現在の帝国主義と中国との関係の土台には以上のような帝国主義と半植民地・後進国の関係、抑圧民族と被抑圧民族の関係、帝国主義の侵略とそれに対する民族解放・革命戦争という歴史的関係があることを決して忘れることはできないし、これこそ帝国主義と中国(スターリン主義)との関係をとらえる上で押さえられるべき第一の問題なのである。

⑵台湾を中国本土から分断し軍事基地国家にした米帝

 ⑷ 以上の帝国主義と中国との基本的な関係を踏まえた上で、徹底的に明確にすべきことは、中国本土から台湾を切り離し、今日までその分断を強制しているのは米帝であるという歴然たる事実である。
 中国革命によって支配の座を奪われた蒋介石・国民党勢力は台湾に逃げ込んだが、中国大陸全土を制圧していた中国共産党・人民解放軍による「台湾解放」は時間の問題だった。蒋介石を支援してきた米帝も国民党・軍のあまりの腐敗ぶりに、50年1月には中国本土から台湾への攻撃があっても介入しないという「台湾不干渉声明」を出していた。
 だが、同年6月に始まった朝鮮戦争で状況は一変した。北朝鮮の金日成は当初ソ連・スターリンの意向に従い、南朝鮮の民族解放=革命的統一を求める労働者人民の闘いを裏切り見殺しにして、南北分断固定化の一方の推進者となっていたが、中国革命の勝利に触発されて「武力統一」の軍事的冒険主義に突き進んだ。ソ連・スターリンも中国・毛沢東もこれを認めたものの、米帝との激突になることを恐れて直接の参戦は避けた。特に中国スターリン主義にとって、革命から1年も経たずにこの朝鮮戦争に巻き込まれ、参戦することは全く望まないことだった。だが「建国1年目」の50年10月には北朝鮮軍が米軍の圧倒的軍事力によって中国国境近くまで追い詰められるに至って、毛沢東は100万を超える「義勇軍」を送り込み、結局38度線付近での休戦に持ち込んだ。中国スターリン主義が求めたのは国境地帯の安全を保障する帝国主義との「緩衝地帯」でしかなかった。
 中国スターリン主義にとって朝鮮戦争「参戦」は革命直後の国内建設に大きな打撃となるものだったが、「米軍と互角に戦った指導者・毛沢東」と「革命中国」の国内的・対外的権威は圧倒的に高まり、また米帝との軍事的・戦争的緊張もスターリン主義的国内支配強化の決定的テコとなった。一方、米帝はこの朝鮮戦争を通してあらためて中国革命=中国スターリン主義をソ連とともに徹底的に封じ込めるべき対象とし、台湾をそのための軍事的植民地として位置づけた。米帝は朝鮮戦争開始と同時に先の「不干渉宣言」を取り消し、台湾海峡に米海軍第7艦隊を派遣して海上封鎖を行い、蒋介石・国民党に対する大規模な軍事的・経済的支援を開始した。こうして米軍の圧倒的軍事力を前に、海軍力を持たなかった中国スターリン主義・人民解放軍は目前の「台湾解放」を断念させられた。台湾は米帝の事実上の軍事的植民地・分断基地国家として固められ、蒋介石・国民党は米帝・米軍を後ろ盾として中国革命の転覆を叫び、反共軍事独裁下に台湾人民を弾圧し支配し続けたのである。
 その後、ベトナム戦争敗戦で危機に陥った米帝と、文化大革命と中ソ対立で疲弊し大破産した中国スターリン主義は対ソ連で結託し(72年ニクソン訪中)、76年の毛沢東死後、実権を握った鄧小平のもとで中国は市場経済導入の改革・開放路線に踏み切り、そのもとで米中国交正常化(79年1月)が行われた。
 米帝は78年12月に中国と取り交わした共同声明で、中国が掲げる「一つの中国原則」のうち「中華人民共和国は中国を代表する唯一の合法政府である」という中国の立場を「承認(recognize)」した。しかし、この「一つの中国原則」の「世界で中国はただ一つである」「台湾は中国の不可分の一部である」という部分については「承認」ではなく「認知(acknowledge)」する(中国政府がそういう主張をしているということは認識する)というあいまいな表現にとどめ、事実上アメリカは「台湾は中国とは別だ」という立場を貫いてきたのだ。これが米帝の「一つの中国政策」である。
 そして米帝は中国との国交正常化後も平然と「台湾関係法」をつくり(79年4月)、台湾を「政治的実体」と定義し、今日まで武器の有償提供や様々な軍事的支援を行い、我が物顔で台湾周辺に米軍を展開させ続け、自らの植民地のように「軍事顧問団」を送り込んでいるのだ。米帝や日帝など帝国主義は、このような中国と台湾との分断を維持することを「法の支配」などと言っているが、まさにそれは帝国主義の支配を「法」「国際的秩序」の名で軍事力をもって強制し続けること以外の何ものも意味しない。ここには中国スターリン主義とアメリカ帝国主義の力関係が端的に示されている。
 以上のように、帝国主義の侵略・植民地支配・民族抑圧と、これと結びつく腐敗した反共ブルジョア民族主義の国民党政府に対する民族解放・革命戦争―中国革命の「完全勝利」を阻止し、台湾を中国本土から力ずくで切断して反共軍事基地国家に仕立て上げ、台湾を自らの勢力圏、植民地、領土のように扱い、中国から永久に奪い取ろうとしているのが米帝である。こういうことを「侵略」というのだ。

⑶アジア―全世界巻き込む世界戦争・核戦争を許すな

 米帝の中国に対する戦争は、以下のような目的をもって行われる正真正銘の帝国主義侵略戦争である。
 第一に、台湾を永久に中国本土から切り離し、米帝の植民地的な支配下に置き続けるということである。台湾はいまや帝国主義経済の基盤中の基盤ともなっている半導体製造の最大拠点であり、軍事・戦争に直結する先端半導体製造の集積地となっている。この台湾を中国スターリン主義に「奪われる」ことは、米帝の「死活」をかけて阻止しなければならないのだ。
 第二に、中国共産党・習近平体制が「核心的利益」として掲げる台湾との統一を阻止し、もって習近平体制の権威を完全に失墜させ、中国共産党スターリン主義体制そのものを崩壊に追い込むことである。
 中国スターリン主義は、帝国主義の資本・技術を大々的に取り込み、帝国主義世界経済と一体化し、「世界の工場」となることで、この30年あまりで急成長してきた。だがそのスターリン主義体制としての「成長期」は完全に終わりを告げ、帝国主義の危機と一体となって、経済的・社会的危機を深刻化させている。とくに2008年恐慌以後の巨額経済対策、財政拡張、不動産バブルで急膨張した分、その反動は激しい。しかも「ゼロコロナ政策」や不動産バブル崩壊を経て経済の土台が根底から揺らぐ中で、米帝をはじめ帝国主義からの経済的・軍事的重圧が一気に強まっているのだ。08年恐慌後、中国経済の拡大で息を継いできた帝国主義が、米帝を先頭に一転して中国のEVなどの過剰生産能力、安価な製品輸出をやり玉にあげ、「国家安全保障を脅かす」として高性能半導体の輸出規制など様々な規制・制約をかけ、中国との経済関係を縮小させていることは中国経済にとって大打撃である。だがそれは「経済」にとどまらない。トランプ新政権による高関税など露骨な保護主義・貿易戦争の発動は、世界経済の分裂・ブロック化と収縮を促進し、帝国主義自身のさらなる危機と矛盾を爆発させることは間違いないが、中国の場合はそれがスターリン主義体制という政治体制の崩壊に直結する。
 まさに今、米帝の大没落以上と言ってもいい、スターリン主義としての歴史的没落の危機に直面し、急成長・急膨張から一気にソ連崩壊前夜のような歴史的寿命が尽き果てる状況を迎えているのが中国スターリン主義なのだ。結局のところスターリン主義という体制は帝国主義によって規定されているのであり、帝国主義の危機とスターリン主義の危機は必然的に一体となって爆発するのである。こうした状況においてアメリカに次ぐ世界第2の経済大国にまで発展した経済を土台にして、「中華民族の偉大な復興」「陸台統一」を掲げてきた中国共産党スターリン主義・習近平指導部は、ますます民族主義・愛国主義・国家主義の扇動によってその求心力を維持する道しかなくなっている。経済的・社会的危機(急速な高齢化と労働人口の減少、「資本主義以上」の格差と貧困、貧弱な社会保障、経済危機から起きている様々な犯罪・事件、社会不安の増大など)の中で、「核心的利益」「必ず果たす」と繰り返してきた台湾との統一を米帝の軍事力の前に最後的に断念させられるということになればどうなるか。習近平指導部と中国共産党の権威は完全に失墜し、1989年「6・4天安門事件」以来抑え続けてきた労働者人民の中国スターリン主義体制に対する不満と怒りが爆発していくのは必至である。さらに香港やチベット、新疆ウイグル自治区などの分離の動きにも次々と連鎖して、中国スターリン主義体制は一気に崩壊過程に突入する可能性もある。
 米帝はこのことを十分すぎるほどにわかった上で、全力で台湾への軍事支援を行い、日米安保を対中国の侵略戦争同盟へと「最大限にアップグレード」し、大軍事演習を繰り返している。中国による台湾侵攻の「抑止」などというが、それは米帝および日帝が軍事力をもって、中国に対して台湾との統一を断念させ、台湾を帝国主義の側に完全に奪い取ること以外の何ものも意味しない。そして米帝は、中国スターリン主義がそれを認めたら絶対に体制がもたないことを百も承知でやっているのである。それは「抑止」などというものでは全くない。
 中国スターリン主義の台湾周辺や南中国海での軍事的活動のエスカレーションは、中国スターリン主義の「覇権主義」「帝国主義」的動きというものではない。それはかつてソ連が70年代後半から80年代にかけて、アフリカや中南米などへの軍事介入やアフガニスタン侵略など対米対抗的な軍事的突出を繰り返したあげく、一気に崩壊に向かっていったのと同じである。それは国内危機(「中国式現代化」なる一国社会主義建設路線の破産)と、米帝の台湾強奪の中国侵略戦争に向けての軍事的重圧の激化にとことん追い詰められている中国スターリン主義の必死の対抗である。そしてそれはますます米帝の中国侵略戦争の口実、餌食にされていくものでしかない。
 米帝による中国スターリン主義体制そのものの最終的な転覆がどのように行われるか。それは中国スターリン主義自身が死ぬほど恐れているように、中国国内の様々な勢力----香港、チベット、新疆ウイグルなどの分離・独立運動、地方政府や資本主義の全面復活を望むブルジョア的勢力などの動きを引き出し、混沌(こんとん)たる状況をつくりだしながら、そこに帝国主義的に介入して、米帝の主導で中国を分割・再分割していくという方向に向かうかもしれない。しかし、いまそのような「予測」をすることに意味はない。いったん米帝が中国侵略戦争という戦争に突入し、米帝と中国スターリン主義が全面的に激突するという世界史上かつてない規模の戦争が始まれば、それが反帝・反スターリン主義世界革命に転化することがない限り、台湾・中国・日本・東アジア全体が地獄の戦場と化すどころか全世界を巻き込む世界戦争となり、最後はあらゆる歯止めを失い人類破滅の核戦争にまで突き進んでいくことになりかねない。中国侵略戦争は始まる前に絶対阻止するしかないのだ。
 そのためには帝国主義を打倒し、スターリン主義を打倒する反帝・反スターリン主義世界革命をやり抜く以外にない。世界史はそういう段階に完全に行き着いたのである。その世界革命の決定的突破口を開く闘いこそ、中国侵略戦争の「最前線」そのものとなる日本における中国侵略戦争阻止の反戦闘争であり、7・7路線を現代的に貫徹する「闘う中国人民・アジア人民と連帯し、米日帝国主義の中国侵略戦争を内乱に転化せよ!」の総路線の闘いである。

―Ⅳ― 連帯し、侵略を内乱へ!」の総路線貫き日帝・石破打倒を

⑴琉球弧を戦場化し中国へ軍事侵攻狙う日米作戦計画

 25年決戦の最大の課題は、「連帯し、侵略を内乱へ」の路線をストレートに実践し、米日帝の中国侵略戦争を阻止する反戦闘争の内乱的爆発を切り開くことである。
 何より、対中強硬派を政権中枢に並べた米第2次トランプ政権の登場が中国侵略戦争―世界戦争情勢を急加速させることが不可避となる中、中国侵略戦争の要中の要と位置づけられる日本で、この戦争を阻む反戦闘争、安保・沖縄闘争の爆発を今こそかちとらなくてはならない。
 「台湾有事対応」と称する日米共同作戦計画は、高機動ロケット砲システム「ハイマース」を保有する米海兵隊の海兵沿岸連隊(MLR)を南西諸島に展開し、島々を移動して拠点を構築しながら中国軍を攻撃する遠征前進基地作戦(EABO)を準備、同時にフィリピンには米陸軍の多領域作戦部隊(マルチ・ドメイン・タスク・フォース=MDTF)のミサイル部隊を配備し、第1列島線のミサイル網で2方向から対中作戦を展開するというものだ。フィリピンには、昨年4月の米比合同演習時に持ち込まれた米陸軍の地上配備型中距離ミサイルシステム「タイフォン」が、中国政府からの強い抗議を無視してそのまま継続配備されている。南西諸島の「戦域化」=戦場化を前提に海空戦を展開して制海権を確保し、米軍の最強部隊である空母打撃群を投入して中国本土へ攻め込んでいく----この計画が正式策定の段階にまで入っているのだ。
 25年冒頭から、中国侵略戦争阻止、日帝・石破打倒の反戦デモを徹底的に爆発させなければならない。国家権力と実力で激突し、規制・弾圧をうち破り、首都を騒然とさせる荒々しい闘いが必要だ。韓国労働者のように街頭を埋めつくし、国会・政権中枢に攻め上り、実力で打倒するような闘いが求められている。
 戒厳令の反革命クーデターを実力で粉砕した韓国階級闘争の内乱的発展は、日本労働者階級の根底的決起を求めている。03年以来、動労千葉を先頭に11月集会を通して築いてきた日韓労働者国際連帯の真価が問われる情勢だ。東アジア革命の成否をかけた決戦情勢に入っていることを強烈に自覚し、闘う韓国労働者と連帯し、日米韓軍事同盟粉砕・中国侵略戦争阻止の内乱的闘いの爆発をもって韓国の闘いに応えよう。

改憲阻止闘争の正念場

 改憲をめぐる攻防は本格的な決戦局面に入った。日帝は、集団的自衛権行使容認の閣議決定、安保戦争法の制定、安保3文書改定、大軍拡、他国への攻撃能力の保有、武器輸出解禁など、敗戦帝国主義としての戦後的制約を次々と暴力的に踏み破ってきた。だが、日本の労働者人民の戦後的反戦意識に規定された階級的力関係をひっくり返すことはできていない。改憲攻撃とは、この関係を「上からの内乱」をもって転覆し、階級闘争の圧殺と戦時型統治形態への転換を図るクーデター的攻撃である。とりわけ石破は憲法9条を破壊して「国軍」としての自衛隊と交戦権を明記、さらに緊急事態条項導入をも狙って、野党を巻き込んだ「挙国一致」的改憲議論を加速させようとしている。今こそ戦争国会を包囲する闘いが必要だ。1月通常国会開会日から大軍拡予算案と対決する国会闘争を闘い、改憲・大軍拡・戦争国会粉砕の闘いを爆発させよう。
 日帝は、中国侵略戦争のための大軍拡、「防衛力そのもの」としての軍需産業の強化のために、5月に幕張メッセで国際武器見本市を大々的に開催しようとしている。イスラエル軍事企業を多数呼び込み、ガザ大虐殺で血塗られた兵器を取引する場である。パレスチナ人民の決死の闘いと連帯し「虐殺の加担・推進者=日帝打倒、中国侵略戦争阻止」の闘いとして武器見本市を粉砕しよう。

⑵本土―沖縄を貫く新たな安保・沖縄闘争の大爆発を

 日米安保・日米同盟の中国侵略戦争同盟への大転換を強行する米日帝に対し、今こそ70年安保・沖縄闘争を引き継ぎ、それを超える大闘争をつくりだそう。中国侵略戦争情勢下で進行する基地強化と臨戦態勢化、軍事演習の激化と全土の軍事使用、米兵・自衛隊員による性暴力をはじめとする事件・事故の激発など、沖縄の現実に肉薄し、闘いを組織しよう。重要なのは、真っ向から中国侵略戦争阻止を掲げて闘うことだ。
 日米安保と自衛隊を容認する「オール沖縄」的あり方の破産を突き破り、戦争の元凶=帝国主義打倒の立場を鮮明にして闘うことこそが、沖縄の労働者人民の根底的怒りを解き放つ。「復帰」53年5・15沖縄闘争を「中国侵略戦争阻止! 全基地撤去=日米安保粉砕・日帝打倒」の決戦として闘い抜こう。
 沖縄闘争と一体で、全国での反戦反基地闘争の実力闘争的発展を切り開こう。海上自衛隊イージス艦へのトマホーク搭載、沖縄・九州への長射程ミサイル配備(12式地対艦ミサイルの長射程化)が25年度にも狙われている。全国の自衛隊基地での大型弾薬庫建設の動きはその一環だ。司令部機能と出撃拠点が集中する横須賀、横田、朝霞・練馬など首都圏や、沖縄と並ぶ中国侵略戦争の最前線に位置づけられる九州など、全国で反基地闘争を闘おう。25年3月までに自衛隊の統合作戦司令部が発足する防衛省に対する闘争に立とう。
 自衛隊の侵略軍隊化は、隊内での性暴力やパワハラを横行させ、隊内規律を崩壊させ、自衛隊員を激しい矛盾にたたき込んでいる。反戦反基地闘争の内乱的爆発を通して、自衛隊員を「軍服を着た労働者」として獲得する反軍闘争を強化しよう。

決戦の三里塚、福島へ

 日本の反戦闘争の金字塔であり最大の砦である三里塚闘争もさらなる決戦を迎える。千葉地裁で一審16年を闘ってきた耕作権裁判は昨年9月に結審した。市東孝雄さんの南台農地死守へ全国で農地強奪阻止の声を巻き起こし、裁判所を包囲し、三里塚現地に駆けつけよう。
 軍事使用のために滑走路延長や港湾整備・拡張を進める「特定利用空港・港湾」には、九州・四国を中心に28施設が現在指定されている。成田空港機能強化はこれと一体だ。B滑走路延伸・第3滑走路建設攻撃、さらに貨物地区を集約し兵站(へいたん)拠点化を狙う「新しい成田空港」構想を粉砕しよう。三里塚芝山連合空港反対同盟との血盟にかけて労農同盟の深化をかちとり闘い抜こう。1・12新年デモ&旗開きから耕作権裁判―南台農地決戦、3・30三里塚闘争の爆発をかちとろう。
 中国侵略戦争・核戦争情勢は、福島第一原発事故から14年の3・11闘争を大決戦に押し上げている。原発事故を居直り、被曝を強制し、命も古里も奪い、その上に汚染水を放出し、再び傲然(ごうぜん)と「原発最大限活用」を宣言し、再稼働、新増設へ突き進もうとする日帝権力・電力資本・全資本家を絶対に許さない。この国家・資本と非和解で闘うという決意こそ、3・11闘争の原点だ。原発再稼働阻止―全原発廃炉、核燃サイクル粉砕、核武装阻止を反戦反核闘争として闘おう。3・11反原発福島行動25に結集しよう。
 以上の闘いを通じて、中国侵略戦争阻止・日帝打倒の反戦闘争を闘う全人民的運動体としての改憲・戦争阻止!大行進運動の本格的発展をかちとろう。中央政治闘争に向かって全国各地で反戦デモを闘い、運動を広げ、活動家を組織し、地域に拠点を建設しよう。何よりも大行進運動は、青年・学生が先頭に立ち、荒々しく自己解放的に闘い抜く運動だ。

⑶3労組の闘いを守り抜き全産別に闘う拠点の建設を

 すでに見た通り、11月労働者集会運動とその呼びかけ3労組の中に、日本労働運動の最高・最良のものが凝縮され、労働者階級の本来の階級性・革命性が示されている。3労組に対する日帝権力・資本の攻撃を全力で粉砕し、3労組と共に11月集会運動の大発展を切り開こう。
 日帝の改憲・戦争攻撃として襲い掛かった関生支部への戦後最大の労組弾圧は、湯川委員長に対する「京都3事件」での懲役10年求刑という前代未聞の重刑攻撃との攻防に入っている。2月26日の判決公判を全国の怒りで迎え撃とう。
 港合同昌一金属支部への民事再生法を使った組合役員選別解雇・組合つぶしとの1年にわたる激しい組織攻防は、組合執行部の決断と関西―全国での共同闘争の発展の力で、スポンサー企業・那須電機鉄工を撤退に追い込んだ。この緒戦の勝利をうち固め、第2ラウンドの闘いで解雇撤回闘争に勝利しよう。
 動労千葉は、戦時下の労組解体攻撃=「労組なき社会」化を率先推進しているJR資本と真正面から闘い抜いている。厚生労働省の「労働基準関係法制研究会」も、労働組合ではない従業員過半数代表に就業規則改悪や労基法以下の労働条件を認めさせる提言を出そうとしている。この攻撃に組織拡大で反撃する動労千葉と共に、25春闘勝利へ全職場から総決起しよう。昨年11月13日の一審反動判決を許さず、国鉄1047名解雇撤回闘争の控訴審闘争勝利へ高裁宛て署名運動を広げよう。
 JRの「赤字路線の廃線化」をはじめ、教育(学校)、医療、介護、インフラなど全分野で、社会的基盤が大崩壊に直面している。もはや帝国主義は社会を成り立たせることもできず、すべてを切り捨てながら、軍事最優先で社会的資源を動員する国家大改造を推し進めている。労働者階級の低賃金、生活困窮、貧困、非正規職化の現実は極限化し、根底的怒りがあふれている。
 戦争と貧困への怒りを解き放ち、帝国主義打倒へ闘う階級的労働運動の登場こそが切実に求められている。今春闘は昨年以上に連合が政府・経団連との一体化を深め、軍需産業の活況を柱に「賃上げ」をうたう場になろうとしている。「産業報国会」化に突き進む連合の支配を打倒する根底的決起を、自治体・教育・郵政・JRの4大産別と医療福祉を先頭につくりだそう。昨年の30波を超えるストライキの挑戦を土台に、反戦闘争をさらに徹底的に闘い、真正面から訴え、職場・生産点に分岐と流動をつくりだし、丸ごとの決起を組織しよう。その鍵は職場に細胞、活動家、フラクションを建設する挑戦を必死にやり抜くことだ。3労組が先頭に立った全国労組交流センター運動を発展させ、交流センター活動家を層として組織しよう。

⑷戦時下の差別・分断攻撃を打ち破り共に日帝打倒へ

 「連帯し、侵略を内乱へ」の旗のもと、帝国主義による民族抑圧との闘いをさらに強化しよう。
 永住権はく奪を狙う昨年の入管法改悪は、中国侵略戦争情勢下で在日朝鮮人・中国人を抹殺する攻撃だ。クルド人への排外主義襲撃も激化している。一方で技能実習制度を土台にした育成就労制度などで低賃金労働者としてこき使おうとしながら、他方で滞日外国人の難民申請を拒み収容所に閉じ込め、強制送還で暴力的にたたき出す極悪の入管体制を断じて許すことはできない。入管闘争組織委員会の組織的確立を柱に入管闘争を強化し、在日・滞日外国人との連帯・共闘関係を組織しよう。
 クーデターによる独裁軍を武装闘争で追い詰めるミャンマー人民の闘いと連帯し、独裁軍を支援する日帝政府・資本を打倒しよう。11月集会を軸に共同闘争を築いてきた在日ビルマ市民労働組合と共に闘おう。

革命的女性解放闘争を

 沖縄米兵の暴行など、戦時下で女性への差別・抑圧・襲撃・性暴力が極限化する一方で、「女性活躍」の名による帝国主義への女性の取り込みと戦争動員の攻撃が展開されている。これと対決し、革命的女性解放闘争の前進を切り開こう。学生・青年を先頭に闘われた昨年の12・1反戦女性集会・デモをはじめ、全国で反戦闘争・実力闘争の先頭に女性が立ち、闘う女性による「政治と暴力の奪還」が力強くかちとられている。この地平を発展させ、社会に渦巻く女性の怒りを組織し、3・8国際婦人デー闘争を全国で闘おう。
 女性解放組織委員会を一層強化し、女性解放闘争をめぐる路線的確立と不断の日常的実践を通して、中央・地区党の根幹を担う女性指導部の建設を決定的に推し進めよう。

狭山再審勝利へ闘おう

 戦時下の部落解放闘争、とりわけ狭山再審闘争を日帝国家権力との階級決戦として闘い抜こう。部落民であることを理由に石川一雄さんを殺人犯にでっち上げた権力犯罪への怒り、石川さんの不屈・非妥協を貫く闘いは、狭山闘争を階級闘争として発展させてきた根源である。帝国主義との非和解的対決を避けてブルジョア的人権問題に解消する部落解放同盟本部派の屈服を突き破り、戦争絶対反対を貫く部落解放闘争を組織しよう。東京高裁・家令和典裁判長による再審棄却策動と対決し、狭山再審勝利を絶対に実現しよう。
 障害者解放闘争をはじめ、戦時下で激化する差別・抑圧・分断攻撃との闘いを徹底的に強化しよう。

反弾圧闘争の強化を

 大坂正明同志への懲役20年の一審でっち上げ反動判決を許さず、控訴審闘争に絶対に勝利しよう。物証もなく、半世紀以上前にねつ造されたうその供述調書のみで重刑判決を下した国家権力への怒りを全人民の中に広げ、大坂奪還の大運動をつくりだそう。星野闘争の地平のすべてを大坂奪還闘争に注ぎ込もう。迎賓館・横田爆取でっち上げ弾圧と闘う須賀武敏同志の防衛・奪還へ闘おう。
 弁護士戦線の革命的決起は決定的である。国家権力と原則的・非和解的に闘い抜く弁護士集団の登場が求められている。戦時司法への転換としてあった司法改革攻撃と原則的に闘ってきた地平は、戦時下の階級攻防に勝利する力である。昨年の弁護士反戦デモに続き、労働者階級の立場から極悪司法と対決し、反戦闘争の先頭で弁護士戦線が決起しよう。

全学連運動の大発展へ

 昨年9月の全国大会で矢嶋尋委員長のもとに新たな世代の執行部体制を確立した全学連は、中国侵略戦争阻止の反戦闘争の先頭に立ち、その実力闘争的発展を通して大衆的な求心力を生み出し、隊列を拡大してきた。全学連運動の巨大な登場は日本階級闘争を革命的に揺り動かす巨大な力を持っている。全国の地区党で、全学連と共に学生の組織化に全力を挙げよう。国家・資本が支配する戦時型大学への転換攻撃と対決し、京大を先頭に全国大学に全学連の拠点をうち立てよう。

―Ⅴ―戦時下の内乱的死闘に勝利し革命党の本格的建設かちとれ

 11・3集会を頂点とする24年決戦を党の飛躍をかけて闘い抜いたことで、われわれはあらためて今日の情勢下で革共同が不屈の革命党として存在していることの巨大な意義と、その双肩に課せられた歴史的使命の重大さをはっきりと自覚することができた。「世界戦争への突入を前に『闘う中国人民、アジア人民と連帯し中国侵略戦争を日帝打倒の革命的内乱に転化せよ』『反帝・反スターリン主義世界革命の旗のもと、万国の労働者団結せよ!』の呼びかけを発し闘う党がここに存在する。このことこそ革命の現実性そのものである」(新書『反帝国主義・反スターリン主義とは何か』刊行によせて、48㌻)
 だからこそ、革共同の革命的労働者党としての本格的建設が今まさに急務となっている。

(一)

 中国侵略戦争阻止の反戦闘争をつくりだすことを軸とした11・3集会への組織戦の過程で最も鋭く問われたことは、9回大会―33全総で基本的に確立された党の時代認識と路線をいかに労働者階級・大衆の中に持ち込み、現実の運動に転化するか、ということだった。帝国主義による排外主義・祖国防衛主義の大キャンペーンに抗して、あるいは連合幹部や日本共産党などの戦争翼賛勢力の敵対を敢然とうち破って、「中国侵略戦争阻止!」の訴えを階級・大衆の中に倦(う)まずたゆまず持ち込み、具体的行動へ組織することが求められたのである。
 革共同の創設者である本多延嘉元書記長は、まさにこのような闘いにこそ革命党の「独自の役割」があるということを、綱領的論文「レーニン主義の継承か、レーニン主義の解体か」で、反革命カクマルの経済主義的党組織論を批判しながら次のように強調している。
 「大衆運動から革命運動を区別する革命理論の問題をまず明確にし、それを前提として大衆運動のなかに革命理論とそれにもとづく革命闘争の問題を計画的、系統的にもちこむところに党の独自の役割があるのである。ところが、カクマルにあっては、問題はまったく転倒した関係において組みたてられている。すなわち、レーニン党組織論においては革命理論とそれにもとづく革命闘争の問題を、プロレタリア階級闘争にもちこむことが強調されているのにたいし、カクマル経済主義党組織論においては、一定の情勢が到来するまでは革命理論とそれにもとづく革命闘争の問題を、大衆運動にもちこませないことが強調されているのである」(前掲新書322~323㌻)
 このようなレーニン党組織論に基づく「党の独自の役割」を文字通り実践し貫徹することによって、われわれは11・3集会の歴史的成功に至る24年決戦を切り開くことができたのである。そこにおいて重要なことは、まずもって党の時代認識と路線で〈中央委員会と細胞〉の不断の一致を形成すること、そしてそれを土台に細胞で具体的方針を決定し、労働組合をはじめあらゆる現場にそれを持ち込み、その成果と課題とを絶えず細胞で総括しながら進むことだった。細胞での討議と一致にあいまいさを残したままでは、こうした「持ち込み」やそれを通じた現場での格闘を成功裏にやり抜くことはできない。党的団結をつくる不断の意識的闘いこそが、戦時下の現場攻防の困難さを突破する鍵である。このような時代認識と路線での細胞の強固な一致を絶えず組織する地区党の団結と、その核となる労働者指導部の建設こそが決定的なのである。

(二)

 共産主義者の政治的結集体としての党は、さしあたり資本や連合などの帝国主義労働運動、社民、スターリン主義といった既成勢力の影響下にある労働者階級・大衆のありのままの意識や状態、あるいは職場・産別の個別的な利害といったことから、自らを意識的に「分離」させ、革命のための独立した形態として(マルクス主義の党、階級全体の普遍的利害に立つ党として)自らを組織しなければならない。その上で、党と階級・大衆との「再結合」に向かって、党の時代認識と路線を絶えず持ち込み、現実の階級闘争の前進を切り開き、それと一体で党の独自の指導系列と党細胞を建設し、階級・大衆に深く根を張った革命党をつくり上げていくのである。レーニンが著書『共産主義における「左翼」空論主義』で強調した通り、「プロレタリアートの革命的な党」は、「指導者と階級および大衆とを完全に一つのものに、切っても切れないものに結びつけるすべを学ばないうちは、その名にふさわしいものではない」のだ。そしてこの過程は言うまでもなく激しい党派闘争を伴うのであり、革命党が階級闘争の具体的実践を通じて階級・大衆に検証され、鍛え上げられていく過程としてあるのである。
 このような党と階級・大衆の生き生きとした弁証法的な相互関係による革命党の建設に媒介されることなくしては、階級的労働運動の本格的な拡大も、戦時下における階級闘争の内乱的発展もないということを、一切のあいまいさなく確認しなければならない。そもそも階級的労働運動とは、動労千葉元委員長・中野洋同志が著書『新版・甦(よみがえ)る労働組合』の中で強調した通り、資本家階級と労働者階級との階級対立の非和解性を明確にさせた上で、この階級対立の廃絶と労働者階級の完全な解放をめざす運動なのであり、したがってそれは「労働者自らが資本家階級の権力を打倒し、権力を奪取して労働者階級の社会を建設しない限り、労働者は幸せになれない」「労働運動も革命運動の一翼だ」という考え方を明確にさせたところに成立するのである。
 そして中野同志がやはり同書の中で強調しているように、「労働者に徹底して依拠した労働者党」をつくり上げていくことは、そもそも階級的労働運動の(より本質的に言えば労働者階級自己解放の闘いの)欠くことのできない課題として含まれているのである。

(三)

 戦時下における階級闘争の内乱的発展をかちとり、階級的労働運動の拠点をうち固め、それと一体で革命党の強大な建設を実現していく----そのすべてにおいて最大の武器となるのは機関紙「前進」である。まずもって細胞の基本会議の中心に「前進」を据え、それを通じて時代認識と路線での細胞の一致を絶えず形成・再形成することをとことん重視しよう。そして機関紙活動を例外なく全組織の課題とし、党中央・機関紙編集局・印刷局・経営局と地区党・読者の共同の闘いで毎号の「前進」をつくりあげ、その内容を磨き上げよう。機関紙拡大を地区党の基軸的課題とし、計画性・意識性をもって読者網の建設に取り組もう。今ほど「前進」が階級・大衆に読まれ必要とされる時代はないのだ。問われているのは、機関紙活動に対する党員一人ひとりの意識性である。
 さらに大坂同志控訴審闘争や8・6暴処法弾圧完全粉砕への闘いをはじめとした反弾圧闘争を強化し、国家権力、反革命と闘って勝利する党の建設を推し進めていくことが死活的課題となっている。70年安保・沖縄決戦の突破口を開いた1967年10・8羽田闘争の直後、本多同志は、本紙68年新年号に掲載した「勝利に向かっての試練」と題する論文で、「革命的共産主義運動にたいする帝国主義権力の反動、弾圧、監視の強化は、革命の現実性にたいする支配階級の消しがたい恐怖の裏返しされた表現いがいのなにものでもない」と喝破し、国家権力との死闘に勝ち抜く前衛部隊への革命党の飛躍をもって不屈の進撃を続けることを断固として訴えた。この精神を今こそ我がものとしよう。
 この間、多くの新たな仲間を結集させてきたマルクス主義青年労働者同盟、マルクス主義学生同盟中核派の戦列をさらに拡大し、この25年決戦で革共同の「青年・学生の党」としての建設を圧倒的に実現しよう!

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