12・6広島闘争発言(要旨)

週刊『前進』04頁(3375号03面03)(2024/12/16)


12・6広島闘争発言(要旨)

(写真 「5人の仲間を今すぐ返せ!」----300人のデモ隊は、反戦の意志をたぎらせ国家権力の非道さを訴えながら原爆ドーム前まで力強く練り歩いた【12月6日 広島市】)

(写真 参加者は広島拘置所前を制圧して、5人の仲間を激励するとともに権力への弾劾の声を響き渡らせた)

私たちの闘いで5人取り戻そう
 8・6ヒロシマ大行動実行委員会事務局長 宮原亮さん

 広島地裁は5人の保釈請求を何度も却下し、9カ月も裁判も開かず、あろうことか10月8日には公判前整理手続きで証人尋問を行うという前代未聞の密室審理を行っている。まさに戦時中のような裁判を行っています。広島地裁に怒りをたたきつけ、私たちの闘いで5人を直ちに取り戻そうではありませんか!
 今年8月6日の平和公園の使用禁止に対して、私たちは実力で不当な規制と闘いました。そのことに対していま広島市は、5万円の過料請求を行ってきています。この攻撃も含めて弾圧が続けられている。8・6広島暴処法弾圧を打ち砕く闘いとして、5人を奪還しましょう。8・6暴処法弾圧粉砕! 9カ月の不当な勾留を許さないぞ! 松井市長は、反戦・反核運動への弾圧をやめろ!

家族を引き裂く弾圧ゆるさない
 8・6暴処法弾圧被告家族/高槻医療福祉労組委員長 冨山玲子さん

 不当逮捕から9カ月以上が経ちました。角谷比呂美裁判長はいまだに5人を拘置所に閉じ込め続けています。「無実を訴えている」から保釈させない。これは、典型的な人質司法じゃないですか!
 夫が不当逮捕されてから、2歳の娘は脱水や低血糖などで2回救急車で運ばれました。高熱を出せば、何度も夜に車を走らせました。夫がいれば二人で支え合うこともできましたが、ストレスで休職を考えたこともありました。また、広島拘置所はエアコンもない。夫が胃潰瘍(かいよう)やひどいせきに悩まされても病院にかかることすらできない。夫の命と健康が保障されず、心配で気が気ではありません。保釈申請の却下は、「家族を大事にして、無実を争わずに早く帰ってきて」と、反戦を闘う私と夫の信念をくじくようなセリフを私に言わせるための弾圧です。
 夫を含めた5人の仲間は、去年の広島原爆の日に右翼による妨害をはねのけて反戦集会を行い、その場にいた広島の市職員が尻もちをついたことをもって、「集団で暴行をした」と言われて逮捕されました。捜査したのは刑事課ではなく、公安警察です。この数年間、8・6広島集会の妨害のために右翼が集会参加者を突き飛ばしても見て見ぬふりをしてきた警察や広島市当局が、当日は誰も問題にしなかったことを半年かけて事件に仕立て上げたのです。集会を妨害した日本会議は自民党幹部が多数参加する右翼団体で、自らが参加する右翼団体を使った自作自演です。中国侵略戦争体制づくりのための不当な弾圧に屈するわけにはいきません。
 検察は被害者とされる市職員Aの名前すら開示していません。証人尋問も行われず、反対尋問もさせないというのです。つまり検察はいくらでも被害をねつ造できるのです。袴田事件や大川原化工機事件で明らかにされた、お得意のねつ造事件を再びしようとしている。裁判所もそれに追随しています。こんなものは裁判ではありません。
 私の職場では、まだ5人が釈放されていないことにみんな驚いています。明日広島に行きますと言うと、職場の仲間は頑張ってと送り出してくれました。
 5人や私たち被告家族が完全黙秘・非転向で闘えるのは、団結があってこそです。釈放を勝ち取るのは、私たちの気合と情熱です。5人の仲間の今月中の奪還を必ず勝ち取りましょう。(広島地裁前での発言)

えん罪ではなく権力のねつ造だ
 ジャーナリスト 浅野健一さん

 今、広島拘置所で監禁されている5人は何もしていません。私を証人に呼んでください。私は昨年8月6日の朝、問題になったこの集会を取材し、目撃しています。集会の参加者は一切、暴力にかかわっていません。暴力を振るったのは日本会議の人たちです。日本会議や公安警察が私にも暴力を振るいました。
 森川文人弁護士は、これはでっち上げ事件ではないと言っています。事件がないのですからえん罪でもない。すべてが権力によるねつ造なのです。
 もう一つ言いたい。角谷裁判長と一緒に、この9カ月間にわたる監禁を容認しているのがマスコミです。こういう暴挙をなぜジャーナリストは黙って見ているのですか? 2月の逮捕の前日に、広島市議会で「8・6を厳粛な式典に」ということを全会一致で決議しています。その時に日本共産党も賛成しています。公園の使用を市役所が禁止し、機動隊が市長の要請に基づいて弾圧をする。そんなおかしなことをやっていいのですか?
 私は、5人の保釈を年内に行うよう強く要求します。私は11・3日比谷での集会の時、冨山さんの娘さんとお会いしました。この時、「おじさんが広島地裁に行ってクリスマスまでには絶対、お父さんが戻って来れるように頑張って闘う」と約束しました。
 私は今日、12㌻の長文の申入書を新たに広島地裁に送ります。ちゃんと読んで、保釈してください。
(広島地裁前での発言)

メッセージ

この弾圧の先に侵略戦争がある
 長崎原爆被爆者/婦人民主クラブ全国協議会福岡支部 土井玞美子さん

 8・6広島暴処法弾圧によって勾留されている5人の仲間の皆さん、エアコンもない拘置所の中で、今夏の殺人的猛暑も含んだ9カ月以上の勾留、本当に大変だと思います。皆さんの奮闘、また家族・仲間の方々の連日の救援活動に心から敬意を表します。
 8月6日広島原爆投下の日に、反戦・反核の声をあげることを「罪」とするこの事態は、もう戦争が始まっていることの証左です。
 かつての戦争の末期、政府による戦勝の宣伝とは裏腹に、多くの人々は「日本は負ける」という予感を持っていました。普通の主婦であった私の母も「鍋釜まで供出する事態で、日本は戦争に負けるよ」と近所の人と話していました。しかし、戦争反対を訴える民衆の運動が圧し潰されては、だれも望まぬこの戦争を止めることはできません。このような日常の直後の原爆投下であったのです。
 いま5人の仲間に加えられている弾圧は、8・6ヒロシマ―8・9ナガサキに体現される民衆の反戦・反核の意思を挫き、再び侵略戦争へ動員しようとするための見せしめです。その先にあるのは本当の戦争です。絶対に負けられません。
 ひとたび戦争になると、人間として生きていく条件の全てが奪われ、最大の被害は社会的弱者である子どもや女性に向かっていきます。イスラエルによるガザ侵攻の最中でも、欠乏する食料を求め殺到する群衆の中で3人の子どもが圧死するという悲劇も起こっています。直接の戦闘のみならず、戦争はあらゆる惨劇を広げていきます。ウクライナやガザで続く惨劇が、明日には日本も戦場となる中国への侵略戦争としてもたらされようとしていることに、心が震えてきます。
 絶対に戦争を起こしてはいけない! なんとしても止めなければいけません。5人を奪還し、戦争を止めるために、私もがんばります。ともに闘いましょう。

このエントリーをはてなブックマークに追加