12・1反戦女性集会の主な発言
12・1反戦女性集会の主な発言
基調報告
内乱的な女性の反戦決起を
全学連委員長 矢嶋尋さん
昨年12月、在沖米兵が16歳未満の少女を誘拐し、性的暴行を加え起訴されていたことが今年6月になって明るみに出ました。その後も、沖縄で相次いで米兵による女性への性暴力事件が発覚しています。日米政府は沖縄の人々の命や尊厳をいくらでも犠牲にし、レイプ事件の隠ぺいまでしている! こんな現実を許しておくわけにはいきません。
基地と軍隊、日米安保・地位協定がある限り、米軍犯罪は少しも減らないばかりか、米日帝国主義の中国侵略戦争への本格的突入下でますます激増しようとしています。沖縄・女性の怒りを共にし、今こそ全基地撤去へ闘いを巻き起こす時です。
米日帝国主義は中国侵略戦争--世界戦争・核戦争に向かって激しく突き進んでいます。この戦争を始まる前に絶対に止めること以外に、私たちの未来は一切ありません。その鍵は日本の労働者・学生の闘いが握っています。実力で沖縄の基地を撤去し、戦争協力を拒否し、石破政権を打倒する荒々しい安保・沖縄闘争の爆発を現実につくり出しましょう!
今、次々と女性政治家が前面に立って戦争を推進し、女性自衛隊員の登用が推進されています。このような「女性活躍」や「ジェンダー平等」の美名をかたる体制内化攻撃との闘いなくしては、戦前の婦人運動が「国防婦人会」として戦争協力の道を歩んだのと同じ轍(てつ)を踏むことになります。いくら「女性の活躍」などと言って女性を戦争動員しようと、戦時下に行き着くのは女性を「国力」のために「産む機械」として扱う、「産めよ殖やせよ」の強制です。
女性は歴史的に、社会においても家庭においても暴力で支配され、政治から切り離されてきました。この現実からの解放は、女性が労働者階級として反戦闘争を始めとする政治闘争を先頭で主体的に闘い、政治と暴力を奪還し、戦争を止め、資本主義を終わらせる以外にありません。
女性差別の根源は、私有財産制のもとでの家族制度にあります。この家族制度に「そぐわない人々」であるセクシュアル・マイノリティーに対する激しい差別・抑圧も生み出されてきました。女性の解放とセクシュアル・マイノリティーの解放は、労働者階級として団結して闘い、あらゆる性差別の根源である私有財産制を終わらせる革命によってのみ本当に実現することができます。帝国主義や資本による取り込みをはね飛ばす闘いが必要です。
11・3労働者集会に向かう1年間で、実力デモやストライキの先頭に女性が立って戦闘的に闘ってきました。女性たちがスクラムを組んで機動隊と対峙(たいじ)し、「おとなしく弱い性」としておとしめられてきた自らのあり方をも乗り越えて決起しています。かつて女性たちが1917年ロシア革命の口火を切ったように、戦争に我慢ならないと決起した女性たちの闘い、行動にこそ戦争を止め、社会を変え、歴史を動かす力があります。今こそこの女性の闘いをよみがえらせましょう。
帝国主義の中国侵略戦争に女性が動員され、破滅的な核戦争に協力するのか、それともこの戦争を不可避とする資本主義を終わらせて本当の女性解放・人間解放を実現するのかという、歴史の分岐点に私たちは立っています。11月集会の地平を押し広げ、後者の道を断固として進みましょう! 今日の集会とデモを、内乱的な女性の反戦決起の口火を切る闘いとしてこの新宿に荒々しく登場させ、差別と戦争をぶっ飛ばそう!
沖縄からのメッセージ
闘いの先頭にいるのは女性
ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会 清水早子さん
私の周りでも闘う人々への弾圧が強まっています。差別、分断が生まれています。その被害は社会的弱者に雪だるま式に大きくなって現れます。戦争に向かう時代に、戦場となる場所に、大きく現れます。
「女性が闘いの先頭に!」ではなく「闘いの先頭にいるのは女性!」が当たり前であってほしいと思います。いつだって女性は闘い続けてきました。
沖縄では、いえ、基地と軍隊の在る所ではどこでも、その内外で「性暴力」が生まれ、それによって人としての尊厳が蹂躙(じゅうりん)されています。
閉鎖的、保守的な社会や組織だけではなく、政治的・社会的な運動体内部や運動そのものも問い返さなければ、変革はあり得ません。
自分自身を問い返さなければならないと思います。そして、準備されている次なる戦争を止める闘いに総力をあげて決起しましょう!
リレーアピール
家族ぐるみ女性が最前線に
三里塚芝山連合空港反対同盟婦人行動隊 木内敦子さん
58年間、三里塚を闘ってきました。飛行機は飛んでいますが、成田空港はいまだ完成していません。
昨年2月、市東孝雄さんの天神峰農地取り上げに対して夜を徹して闘いました。来年にもまた、野菜が植わっている南台の畑を取り上げようとしています。何度も悔しい思いをしてきましたが、反対同盟はすぐに闘争宣言を出し、全国に檄(げき)を飛ばして闘っています。闘い続ける限り、負けません。12月11日に千葉地裁前で街宣、1月12日には旗開きをします。
闘争前の1950~60年代、多くの農村がそうであったように、三里塚の芝山町も非常に閉鎖された土地でした。女性はいろんなものを奪われ、自分で財布を持つことも自由に外出することもできませんでした。
しかし、空港反対運動がおこり、反対同盟が結成された時、家族総ぐるみの闘いという方針を出しました。それによって女性も闘いに立ち上がり、最前線に立ちました。闘いを通じて、いろんな闘いの人と交流し、共闘する中で、女性たちは多くのものを手にしました。そして闘うことが生きがい、生きざまになりました。それが今につながっています。
今日たまたま新宿駅前で巡り合った皆さん、一緒に戦争反対のデモをしましょう。一人一人の一歩が必ずや小さな渦になります。その渦を大きく大きくして、戦争に向かうこの国を打ち倒そうではありませんか。
戦争は命かけても阻むべし
婦人民主クラブ全国協議会代表 荒井素子さん
若い頃、私は親を責めました。「なぜ先の侵略戦争を止められなかったのか」と。
今、米帝は中国侵略戦争の準備を進めています。米帝は今までの戦争で一度も自国を戦場にしていません。日本列島全部を軍事要塞(ようさい)、出撃基地として戦争をするつもりでいます。
日帝は、琉球弧に自衛隊のミサイル基地をつくり続けています。日本政府は差別・排外主義をあおりたてて「台湾有事」を叫び、日米軍事演習で中国を挑発して追い詰め、米帝と一体となって中国侵略戦争を進めようとしています。そのための軍事費2倍化です。私たちの税金を使って戦争をやろうというのです。
戦争で得をするのは一部のブルジョアと帝国主義者どもです。戦争で殺し合わされるのは、私たち99%の労働者階級です。私は、日本政府がたくらんでいる中国侵略戦争を何としても止めたいという思いで今ここに立っています。父や母が、祖父や祖母が止められなかった中国侵略戦争、今度は私たちが何としても止めなければなりません。
女性が先頭に立って、中国侵略戦争絶対反対を叫びましょう! 婦人民主クラブ全国協議会は、「戦争は命かけても阻むべし 母・祖母・おみな牢に満つるとも」を実践すべく闘うことを宣言します。侵略戦争を世界革命へ! 世界の労働者は団結しよう!
全ての怒りを戦争阻止へ!
全学連書記次長 西村凌風さん
闘うトランスジェンダーとして、女性とセクシュアル・マイノリティーの解放を訴えたいと思います。
米欧日帝国主義は、「人権」だとか「多様性」だとか言いながら、一切の人権を破壊する虐殺と侵略戦争に猛突進しています。さらに、トランスジェンダーやゲイの権利のために女性の権利が投げ捨てられなければならないかのような、トランスジェンダー当事者らの解放とも無縁のイデオロギーが氾濫(はんらん)し、民衆の間に激しい分断が生み出されています。しかし、私たちは共にスクラムを組んで闘うべき存在です。女性を「産む機械」におとしめ、セクシュアル・マイノリティーを差別するこの腐った社会を団結してひっくり返すことこそ、私たちの答えです。
その可能性は、私たちの闘いの中にすでに示されています。私たちは女性、セクシュアル・マイノリティーを先頭に、8月6日、機動隊の弾圧から原爆ドーム前を守り抜き、11月労働者集会に3桁の学生を登場させました。
差別と戦争に怒る全ての女性とセクシュアル・マイノリティーの皆さん、私たちの隊列に加わってください。女性、セクシュアル・マイノリティーは、戦争に向かって極限化するこの差別のもとで、自己否定を強いられ、困窮にたたき込まれ、性的に消費され、揚げ句には殺されてきました。この現実に対する全ての怒りと闘いを、中国侵略戦争阻止・石破打倒の反戦闘争に結集しましょう!