団結ひろば 投稿コーナー

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週刊『前進』04頁(3373号04面02)(2024/12/02)


団結ひろば 投稿コーナー

11・3労働者集会に参加して

日米が中国に侵攻する構図
 首都圏・青年 山本 翔

 初めて参加した決起集会の熱気は、私の予想をはるかに超えるものであった。特に、医療現場で働く者がナース服姿で堂々と演説を行う姿には、深い感銘を受けた。
 これまで、私は左派ナショナリストが陥りがちな「対米従属論」に偏った政府批判に対して疑問を抱いていた。しかし、「キーン・ソード25」など、最近の日米合同軍事演習や安保3文書改定に見られる異常なまでの軍備拡張を、中国侵略の足掛かりとして捉える視点は持っていなかった。中国脅威論をあおり、軍備増強を進める日本政府に対して強い憤りを感じていたが、私の批判は「軍事費にGDPの2%を使うのは不合理であり、中国との関係は外交によって改善すべきだ。軍事費よりも教育などに国費を充てるべきだ」というものであった。
 しかし、この批判では問題の本質を見抜けていないことに今回の決起集会で初めて気づかされた。日米が一体となり、中国に侵攻するという構図が、私の思考には全く存在していなかったのである。この視点は、今後の学習や活動においても、非常に大きな支えとなるであろう。
 また、私は他のセクトに所属しているにもかかわらず、集会の参加者から温かく迎え入れられたことにも、強い好感を抱いた。もし私が所属するセクトの集会に、この決起集会に参加した方々が来ていた場合の、私の「同志」の怪訝(けげん)な顔は想像に難くない。既に来年の決起集会の参加が待ち遠しいと感じるようになった。

これこそ求めていた闘争だ
 東海・学生 R

 今回参加した11・3集会は、一応は日共党員である私にとって全く新しい世界だった。これまで私が参加してきた集会は、ウクライナ戦争の犠牲者、そしてガザ虐殺の犠牲者を哀れみ、特に後者はハマスという人民の最大限の抵抗を無視した、あるいは蔑視した上での平和を願うものであった。だが、この全国労働者総決起集会は本気でパレスチナ人民に寄り添い、連帯し、邪知暴虐なるイスラエル、そしてかの国を中東利益のための先兵とする欧米帝国主義諸国、そして石破政権への怒りがあらわとなった本格的な団結だった。簡潔に言うと、私はぬるま湯に漬かっていたわけで、熱湯を全身全霊に浴びせられ、そして自分が連帯の一員であると自覚した。
 集会中はその都度に「そうだ!」「許せない!」と相づちを打ち、同志の訴えに共感し、インターナショナルで集会が締めくくられた時には、合唱の余韻にも浸っていた。そうだ、これこそが私の求めていた闘争だ! 日共スターリニストに、もはや何の期待ができようか? どこが革命政党か? はっきりと言おう、恥さらしだと。彼らが尊敬する先輩とやらに言ってやりたい。「皆様の宝であった日本共産党は、百年でここまで没落しました」と。
 集会後の大行進でも、最後までプラカードを掲げ、声を上げた。右翼反動分子が散らばって妨害しようとも、我々の団結を崩すことはできないと証明されるものだった。唯一不満なのは、官憲に守られながら行進を行うということだ。
 今回を機に、私は12月の京大反戦デモに参加することを決意した。日本全国から学生が結集するらしく、今から待ち遠しい。

反戦に女性解放の展望みた
 香川 吉冨キティ

 国際連帯で戦争を止める闘いの中に女性解放の展望を見ました。韓国民主労総ソウル地域本部、在日ビルマ人の女性、弾圧と闘う家族、軍事化する宮古からの訴え、そして多くの労働組合の現場から、女性たちが当たり前に闘いの真ん中から力強く発言していました。それを当たり前と聞き入る集会参加者の私たちがいました。全学連大会議案の「女性の『政治と暴力の奪還』とは何か」が現実に行われている感じでした。
 欧米西側国家のいわゆる「リベラル」による性売買の非犯罪化や代理出産などの女性の身体の商業資源化も、それらの国々に対峙(たいじ)するいわゆる「権威主義的」国家の中絶禁止などの女性の身体の家父長制的管理も、女性への抑圧・搾取です。「どちらがより良い『国』か」と比べても意味はありません。民衆が国を越えて連帯して戦争を止め社会を変える道筋にこそ、女性への搾取や抑圧を終わらせるための実践があると思いました。力強い集会でした。

きっかけは「琉球弧」上映会
 東京・学生 石田みよ

 私が参加したきっかけは、東村山駅前でチラシをいただき「琉球弧を戦場にするな」を鑑賞したことです。もともと、ドキュメンタリーに興味があり、沖縄のことを知りたいと思っていました。人々の声をこのような映像で聞くことは初めてで、島民の避難訓練や知事の発言、抗議をする人々に対する基地の人々のまなざし、これが今起きていることなのだと目に焼きついて離れませんでした。
 11・3集会に参加してみて、自分はこれまで身近で日常的なことにばかり目を向けていて、大きな構造を見ることが少なかったなと思い返しました。正直なところ、組合の方々のお話を理解することは難しかったですが、それもまた学ぶべき部分を見つけられたように思い、良かったです。集会中、私は近い将来非正規雇用の労働者として何ができるのだろうかと考えていました。ゼネコンや鉄道や医療関係の労働者の連帯は反戦にとって重大な点だと思い、非正規雇用やギグワーカー、転職、フリーランス化した先の連帯についても気になりました。
 不当解雇はどのように行われるのかなどをもっと調べようと思いました。「前進」を読んで『反帝国主義・反スターリン主義とは何か』の本を読みたくなりました。
 デモ行進では、自ら行動し意志表明を直接しているところが、遅効性を持つ間接的意志表明の美術とは異なり、とても気持ちが昂(たかぶ)りました。また、同じ考えを持つ方々が同世代にこれだけいるのだと刺激を受けました。

声をそろえ歩くのは楽しい
 山梨・学生 村田 翠

 日比谷で集会があると知り、バイト後に足を運んだ。到着したのは集会の中盤で、名前と住所を書かされた。私は「傍聴者」のつもりで、途中で帰っても良いくらいに思っていたから面倒だと思った。野外の集会だからこっそり聴けるだろうと考えていたが甘かったらしい。
 「労働者の集会」なんて想像がつかなかったが、演説講演会のようなものだった。席に案内してくれた人と座った席の周囲が優しく、時々解説をしてくれた。プラカードを持たせてもらったり、差し入れを分けてもらったりした。
 デモ行進はただ楽しいと感じた。声をそろえて歩くのは良いものだ。シュプレヒコールは単純な言葉だが、よく分からなかったコールもあった。私の現状把握は、本当に正しいのか、考えるきっかけとなった。警官が先導と警備をしていたが、あまりに大人数で驚いた。交通整理が大変なのだろうと思う反面、怖いとも思った。通行者と参加者を隔てる壁だとも思った。
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戦時下の労組弾圧許さない
 日教組香川三観地区教職員組合副委員長 須藤角一

(写真 香川県に抗議申し入れ)

 11月15日、私たちは香川県庁、県警本部、県教育委員会に対し、怒りの抗議申し入れ闘争を行った。
 まず香川県当局に対し、高松港の特定利用港湾の返上を再度申し入れた。日米共同統合演習「キーン・ソード25」に関連して、高松東港に防衛省のチャーターした民間貨客船2隻が人知れず寄港していたのだ。そこで積み降ろした16式機動戦闘車が高松市内を走行する様子を多くの人たちが目撃している。私たちは「先日、福岡での海自掃海艇の炎上・沈没を見ても、絶対に許せない」と訴え、港の軍事利用と戦闘車両の公道使用を弾劾した。
 11月初旬、教員の不当解雇撤回を訴える私たちのビラ配りを警察が調査しているとの情報があった。労働組合の正当な権利に対する警察の不当な介入である。関生弾圧と同じだ。私たちは県警本部に抗議しに行った。戦時下に突入した今、権力は労組の存在と闘いを犯罪に仕立て労働者を戦争に駆り出そうとしている。絶対に許せない!
 労基法無視の学校現場は常に欠員が生じている。「子どもたちのためなら」と私たちの仲間は県教委の依頼に応じて欠員の補充を引き受けたが、翌日に解雇された。このことは10月県議会でも取り上げられた。
 申し入れに対応した県教委・義務教育課の幹部は、不当解雇を居直り「自分が警察に通報した」とまで言い放った。自らの責任を棚上げし、反戦を訴える教員を「クビ」にするとは完全にデタラメだ! 戦時下の弾圧をぶっ飛ばし、絶対に解雇撤回を勝ち取るぞ!

石破の核武装路線粉砕を!
 東京 櫛渕秀人

 石破首相は総裁選の過程で核共有論を公然と打ち出した。そもそも石破は民主党政権下の2011年、当時の自民党政調会長として「日本は(核を)作ろうと思えばいつでも作れる」とか「原発の技術があることで数カ月から1年といった比較的短期間で核を持ちうる。加えて我が国は世界有数のロケット技術を持っている。この二つを組み合わせれば、かなり短い期間で効果的な核保有を現実化できる」と発言している。
 日本の支配階級は敗戦前から今日まで一貫して核武装を追求してきた。その代表格が「潜在的核武装論」を唱えた岸信介であり、科学技術庁長官時代に原発を導入し、「日米安保の破棄に備えて核武装すべき」と言い放った中曽根康弘だ。
 原発―核燃サイクルこそ今日の日本の核武装路線である。核燃サイクルは国策事業であり、それゆえ高速増殖炉「もんじゅ」や六ケ所再処理工場がいくら破綻しようと、この政策は放棄しない。原発から出た使用済み核燃料は、再処理し抽出されたプルトニウムを更に高速増殖炉にかけることにより純度の高い兵器級のプルトニウムとなるからだ。原発は疑似軍需産業であり、旧財閥系の三菱重工業などが群がっている。
 原発神話、高速増殖炉神話はもう終わったにもかかわらず、日本帝国主義は石破に見られるように執拗(しつよう)に核武装を追い求めている。自民党―支配階級は動揺、崩壊の局面にあり、ぐらぐらだ。それゆえ暴走する。私たち労働者人民は、中国侵略戦争阻止、核燃サイクル―核武装粉砕を掲げて断固たる闘いに打って出よう!

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