虐殺支え続ける米帝 ガザ イスラエルが包囲作戦
週刊『前進』04頁(3373号03面02)(2024/12/02)
虐殺支え続ける米帝
ガザ
イスラエルが包囲作戦
(写真 「ジェノサイドをやめろ!」。イスラエル軍の資金調達のためにシオニスト団体が開催したイベントへの抗議【11月13日 パリ】)
アメリカ帝国主義・イスラエルによる大虐殺が続くパレスチナ自治区ガザで、昨年10月7日以降の死者数は今年11月までに4万4千人を超えた。史上空前のジェノサイドをあくまでも擁護する米欧日帝国主義を断じて許してはならない。
ガザ北部を包囲し人民の皆殺し狙う
イスラエル軍は10月6日ごろ、ガザ北部で新たな「包囲作戦」を開始した。水や食料などの支援物資を止め、避難民が身を寄せる学校や民家を空爆している。国連世界食糧計画(WFP)のマケイン事務局長は11月9日、北部で「飢饉(ききん)が起きているか、差し迫っている可能性が高い」との声明を発表。19日には北部と中部への空爆により、一晩で87人が虐殺された。現地の医師は「医療支援が届かなければ、病院は集団墓地と化す。ガザ北部で使える救急車は一台もない」と訴えている。
包囲作戦の背景には、イスラエル軍の退官将軍らが作成した、パレスチナ人民をガザ北部から一掃する計画があると言われている。この計画は、北部を包囲して支援物資を止め、それでも北部に残った人は「戦闘員」とみなすというものだ。パレスチナ解放闘争の根絶とガザの完全更地化を目的として、人民を飢餓にたたき込み、皆殺しにしようとしているのだ。
武器輸出を継続し停戦決議案を拒否
このジェノサイドを徹底して擁護し、支え続けているのが米帝だ。バイデン政権は11月12日、イスラエルへの武器輸出を続けると表明、ガザ北部で包囲作戦が繰り広げられているまさにその時に、これを全面的に支持・支援することを宣言した。
20日には国連安全保障理事会で、ガザでの無条件の即時停戦を求める決議案に拒否権を行使。昨年10月以降、米帝がガザに関する決議案で拒否権を使うのは5度目だ。ウッド国連代理大使は「恒久的な停戦には人質の解放が不可欠」と、あくまでハマスに責任を転嫁した。
さらに21日、国際刑事裁判所(ICC)がイスラエルのネタニヤフ首相らに逮捕状を発行したことに対し、ホワイトハウスの報道官は「決定を断固拒否する」と述べた。
トランプ次期政権が、より徹底的かつ凶暴にイスラエルを支持しジェノサイドを推進していくことは明らかだ。トランプは「『パレスチナ人』など存在しない」と公言するマイク・ハッカビーを駐イスラエル大使に指名するなど、次期政権の親イスラエル色を鮮明にさせている。米帝は中国侵略戦争に注力するために、パレスチナ抹殺のジェノサイドを速やかに完遂しようとしているのだ。
中東全域巻き込みジェノサイド激化
イスラエルはレバノンに対しても攻撃を激化させ、昨年10月以降のレバノン側の死者は3800人を超えている。11月27日、イスラエルとレバノンのヒズボラが60日間の停戦に合意したが、ネタニヤフは「ヒズボラが再軍備を試みるならわれわれは攻撃する」などと明言。停戦は「イランの脅威に焦点を当て、ハマスを孤立させるため」だと発言した。イスラエルが中東全域を巻き込みながら、一層激しくガザ虐殺を遂行しようとしていることは明白だ。
不屈に闘うパレスチナ人民と連帯し、ジェノサイドを支える帝国主義打倒へ反戦闘争を爆発させよう。