日米共同作戦計画策定許すな 加速する中国侵略戦争阻止を 5同志奪還!12・6広島へ

週刊『前進』04頁(3373号01面01)(2024/12/02)


日米共同作戦計画策定許すな
 加速する中国侵略戦争阻止を
 5同志奪還!12・6広島へ


 11月24日、米軍と自衛隊が中国侵略戦争の共同作戦計画を年内に策定し、南西諸島とフィリピンに米軍ミサイル部隊を展開する方針であることが明らかとなった(関連記事3面)。南西諸島には、米海兵隊が策定した「遠征前進基地作戦(EABO)」を実行する中核部隊として沿岸海兵連隊(MLR)を展開し、フィリピンには米陸軍の多領域作戦部隊(マルチ・ドメイン・タスク・フォース=MDTF)傘下のミサイル部隊を配備、自衛隊がこれらと一体化して作戦を遂行するという。数百万の人々が暮らす広大な地域を「戦域化」する計画に、沖縄現地では「戦争をあおっているのは米日の方ではないか」と怒りの声が噴出している。沖縄の怒りと一つに、中国侵略戦争阻止の反戦闘争に全力で決起しよう!

戦争に突進するトランプ

 米日帝国主義の中国侵略戦争への突進が、これまでになく急加速されている。何よりも来年1月の米トランプ次期政権の登場が、日本も含めた全帝国主義の戦争動向を規定している。
 トランプは22日、財務長官に対中追加関税を強硬に主張してきたスコット・ベッセントを、26日には通商代表部(USTR)代表に同じく対中強硬派で第1次トランプ政権でも中国への制裁措置を推進したジェミソン・グリアを指名した。これで次期政権の閣僚人事がすべて固まった。
 中国政府から入国禁止措置を受ける「反中国」の急先鋒マルコ・ルビオ上院議員を国務長官に、極右放送局FOXテレビの司会者ピート・ヘグセスを国防長官に指名したのを皮切りに、トランプは続々と対中国強硬派や親イスラエルのファシスト的連中の登用を明言してきた。通商・産業政策を担う商務長官に指名されたハワード・ラトニックは「自由貿易がもたらした製造業の苦境が労働者に絶望をもたらした」として中国をはじめとする各国への関税引き上げを宣言し、財務長官に指名されたベッセントは「規制緩和と税制改革を通じて米国経済を『再民営化』し、サプライサイド(供給側)の成長を促進する」と述べ、絶望的危機にあえぐ米帝巨大資本の救済に乗り出そうとしている。ベッセントはトランプから「米国第一主義の強力な擁護者」と評される人物だ。トランプ自身も25日、自らの政権が発足したら直ちに中国からのほぼすべての輸入品に追加で10%の関税を、カナダやメキシコに対しても25%の関税をかけることを打ち出した。
 こうしたトランプ次期政権の登場に欧日帝国主義の支配階級・権力中枢も「激震」しており、「自由貿易が風前のともしび」「(トランプの関税政策は)世界経済に取り返しのつかない打撃をもたらす」(11月22日付日本経済新聞社説)などと絶叫している。
 重要なことは、「米国第一」を掲げたトランプの関税引き上げは単なる経済政策ではなく、大没落する米帝の生き残りをかけた極めて暴力的な中国への攻撃であり、それ自身が一個の戦争行為としての破壊力をもつ攻撃であるということ、しかもそれは同時に日本帝国主義や欧州帝国主義諸国へのすさまじい争闘戦としてあるということだ。米帝を基軸とした第2次大戦後の帝国主義世界経済の擬制的統一性を米帝自らが最後的に破壊し、世界経済の破滅的な分裂・ブロック化を推し進めながら、中国スターリン主義体制の転覆と中国、台湾、アジア全体を再支配・再分割するための中国侵略戦争に全体重をかけて突き進む以外になくなったのである。
 この凶暴極まる第2次トランプ政権の登場こそ、今日の米帝大没落を最も象徴する事態であり、資本主義・帝国主義の歴史的命脈が完全に尽き果てたことを示している。

沖縄「戦域化」の作戦計画

 米帝の中国侵略戦争への突進はウクライナ戦争を果てしなく激化・泥沼化させ、ガザ・中東での戦火を拡大させている。米英に続きフランスも、ウクライナに供与した長射程巡航ミサイルによるロシア領内への攻撃を容認した。イスラエルによるガザ大虐殺も激しさを増している。
 こうした中で11月28日から臨時国会が始まった。石破政権の支持率はすでに3割台に下落し、不支持率は5割を超えた。「裏金」も「統一教会」もすべて居直り改憲・戦争に突き進む石破政権への怒りはますます燃え広がっているのだ。だが、石破は立憲民主・国民民主・維新などの野党勢力の積極的協力・連携に助けられて延命を図り、来年通常国会で大軍拡予算を強行し、改憲発議に向けた憲法審査会での論議も加速させようとしている。
 20日には自民・公明・国民民主の3党がいわゆる「103万円の壁」基準の引き上げで合意した。だがそれは、30年近くにわたって実質賃金が下がり続け、労働者の4割以上が非正規雇用にされてきたことを何ら問題にせず、低賃金・非正規雇用のままより長時間働かせようとするものでしかない。しかも石破は、この基準引き上げによる「税収減」を理由にさらなる地方切り捨てや社会保障の解体を進めようとしているのだ。さらに玉木・国民民主は、能動的サイバー防御法案積極推進に続き、連合・電力総連の意を受けて原発新増設を27日に石破に提言した。石破は、こうした野党との連携強化を通じて国会の総翼賛化を推し進め、中国侵略戦争に向かって「国力」のすべてを動員する体制をつくりあげようとしている。年内策定を予定する中国侵略戦争の日米共同作戦計画、その策定作業の「総仕上げ」として強行された10~11月の日米統合実動演習「キーン・ソード25」の内容は、まさに南西諸島からフィリピンに至る「第1列島線」上の広大な地域全体を中国侵略戦争の「戦域」とし、東アジア全体を地獄の戦火にたたきこむことを不可避とするものだ。断じて許せない。
 戦争翼賛国会を反戦の怒りで包囲し、立民から日本共産党に至る野党勢力の屈服・転向を打ち破り、中国侵略戦争阻止・石破打倒へ反戦闘争の巨大な爆発をつくりだそう!

12月反戦闘争に立とう!

 いま求められているのは、「11月集会運動」の思想・路線で闘いをつくりだし、組織と運動を拡大していくことだ。それは一つに、「中国侵略戦争阻止」を真正面から掲げる反戦闘争、新たな安保・沖縄闘争の巨大な爆発をかちとることである。二つに、11月集会の呼びかけ3労組(全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部、全国金属機械労組港合同、動労千葉)への組織破壊攻撃を粉砕し、3労組を先頭に反戦を貫きストライキ・実力闘争を闘う階級的労働組合の大発展をかちとることである。そして三つに、戦時下の反戦闘争つぶしであり、革命党と革命勢力の根絶を狙って仕掛けられた8・6広島暴処法弾圧を絶対に粉砕し、5同志の即時奪還をかちとることである。12・6広島に全国から結集し、広島地裁を反戦の巨大な怒りで包囲しよう。さらに、11・23東京拘置所包囲デモ―24全国集会の成功に続き、無実の大坂正明同志の控訴審闘争・星野国賠勝利へ闘おう。
 11・3集会の地平をとことん大発展させ、改憲・戦争阻止!大行進が呼びかける12・21新宿デモをはじめ12月反戦闘争に決起し、25年決戦へ攻め上ろう。そしてこの闘いを通じて、青年労働者・学生を先頭に反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命の勝利へ不屈に闘う革命党の強大な建設をかちとろう。「前進」を武器に、職場・学園・地域で組織拡大―細胞建設に挑戦しよう!

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