十亀弘史の革命コラム-23- 中国侵略戦争を止める力

週刊『前進』04頁(3372号04面01)(2024/11/25)


十亀弘史の革命コラム-23-
 中国侵略戦争を止める力

 戦争ほど壊滅的に「文化」を破壊するものはありません。そうであれば「文化の日」に最もふさわしい行いは徹底した反戦行動です。別に文化の日に合わせたのではないと思いますが、今年の全国労働者総決起集会は11月3日。その文化の日は、公式には憲法が公布された日とされていますが、「天長節」(明治天皇の誕生日)を引き継いでもいます。だから毎年その日に「秋の叙勲」が発表されたりするのです。
 叙勲の最高位は「旭日大綬章」。この秋は誰が受賞したのか。日本人2人のうち1人は、元連合会長の古賀伸明。理由は「多年にわたり労働運動の発展に尽力したから」。外国人では6人のうちのトップが、元米サイバー軍司令官のポール・ミキ・ナカソネ。理由は「防衛分野における日米関係の強化に寄与したから」。なんとも露骨です。政府はこんな形でも、階級的労働運動への敵意と米軍との共同意思をむきだしにしています。くたばれ石破政権。
 11・3日比谷野音には、米日による中国侵略戦争に対する怒りがあふれました。
 登壇者の力強い発言を聞きながら、あらためて目の前の戦争を具体的に〈中国侵略戦争〉と把握することの重要さを考えていました。中国侵略戦争はまさしく眼前に進んでいるリアルな事実そのものですが、それを中国侵略戦争と正しく把握するのはそう簡単ではないかもしれません。
 ただ、戦争への強い怒りと反戦行動への熱い意欲があれば、認識は一気に開かれます。現在の日米の軍事・政治・経済・社会の全てが明確に一つながりのものとして、まさに中国侵略戦争情勢として進行しています。軍事訓練はもちろん、軍拡や経済安保、政治弾圧や労組つぶしの攻撃、愛国主義と排外主義の鼓吹、政府主張とマスコミ論調の一体化など、全てが相互につながり合い、直接的にも間接的にも中国を標的とする戦争へと進んでいます。
 レーニンの『国家と革命』に次の一文があります。「どの議会主義国でも......真の『国家』活動は舞台裏でおこなわれ、各省や官房や参謀本部によって遂行されている。議会では、『庶民』を欺こうという特別の目的でおしゃべりをしているにすぎない」。先の総選挙はこの国の戦争策動を1ミリも止めることができませんでした。「真の『国家』活動」としての中国侵略戦争を止める力は、帝国主義を打ち倒そうとする11・3の熱い闘いの先にしかありません。
(そがめ・ひろふみ)
2024.11.25

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