国鉄闘争勝利まで闘い抜く 11・3勝利を土台に総反撃へ
国鉄闘争勝利まで闘い抜く
11・3勝利を土台に総反撃へ
国鉄1047名解雇撤回裁判で東京地裁民事第11部(須賀康太郎裁判長)は11月13日、動労総連合の訴えをすべて退ける反動判決を下した。戦時体制構築と新自由主義攻撃の発端になった国鉄分割・民営化を全面的に居直る判決は、戦時下で労組絶滅に突き進む国家意思をむき出しにした。
裁判長は原告の訴えを否定する主文を読み上げるや、判決理由も告げずに傍聴者に退出を求めた。「判決理由を言え」という怒りの声が上がる中、裁判官は法廷にとどまって傍聴者への弾圧を狙った。怒りを倍加させた傍聴者に退廷命令も出せなくなった裁判官は、最後に自ら法廷を去った。
この日、裁判所は法廷内外に多数の廷吏を配置し、法廷前には鉄柵を置いて、少人数の傍聴者以外は排除する体制をとった。この異様な対応は、動労総連合の不屈の闘いへの国家権力の恐怖を示している。
裁判に先立ち日比谷公園霞門から東京地裁を1周するデモが行われた。
裁判後の総括集会は、今後も続く解雇撤回闘争を全力で闘う熱意にあふれた。動労千葉争議団の高石正博さんと中村仁さんが必ず解雇を撤回させる決意を示した。動労総連合の田中康宏委員長は「闘いの場は裁判だけではないが、高裁・最高裁で反動判決を必ず覆す決意を持とう」と訴え、国鉄分割・民営化に屈せず闘う11月集会勢力には労働運動を再生させる可能性と責任があると強調した(別掲)。動労千葉の関道利委員長は、控訴審段階での新たな署名運動を提起し、11・3労働者集会の成功を土台に階級的労働運動をよみがえらせ、中国侵略戦争を絶対に阻止しようと声を強めた。
労働運動の再生をかけて
田中康宏・動労総連合委員長の訴え
裁判所も国家権力で反動判決を出すのは当たり前と言えるかもしれませんが、でも、今日の判決を我々は高裁・最高裁で絶対にひっくり返してやるという決意で闘いたいと思います。
先ほど弁護団から判決文を解説していただきました。絶対に許せないと思ったのは、国鉄労働者のJRへの採用は新規採用で1回限りの行為だから、いわば「時効」が成立していると判決が言ったことです。中労委命令は、三十数年前の解雇について今さら申し立てても、それはもう「時効」だと言った。その命令の取り消しを求めた裁判で、今度は裁判所が新規採用だから「時効」だと言ってきた。何が新規採用なのか! これは三十数年、争ってきた一番の問題です。
僕らがこの裁判を起こしたのは、三十数年かかって、みんなの力を結集して解雇の真実をつかんだからです。それを基に、今までの裁判をもう一回やり直せと、この裁判を始めた。
僕らの組合員を不採用にした「不採用基準」が突然作られ、組合員の名前が名簿から削られた。この基準は不当労働行為意思に基づいて作られたと、最高裁も明確に認めている。その基準が国鉄側ではなくJR設立委員会の指示で作られていた事実も僕らは突き止めた。JR設立委員会の行った行為はJRが行った行為になるから、解雇の責任はJRにある。
しかしJRは自ら不採用基準を作っていたのに、この三十年間、裁判でも労働委員会でも、「自分たちは無関係です。全部、旧国鉄がやったことで、私たちは旧国鉄から出されたJR採用候補者名簿に登載された人を全員採用した。一人も差別していません」と言い続けてきた。これが「時効」で免責されることなど絶対に認められない。この怒りを裁判所にたたきつけてやらなければいけない。
私たち国鉄労働者だけの問題なら、こんなに長くは闘っていません。今の国会の姿を見てほしい。自民党にすり寄る国民民主党がさんざん持ち上げられて、103万円の壁だとか言っているけれど、何でこれが今、問題になるんですか。これは国鉄分割・民営化から始まった労働者の雇用破壊、労働者の4割が非正規職に落とされ、賃金が1997年以降、実質的に下がり続ける中で起きていることです。制度が全部破綻している。それが問題の本質です。国会では戦争のことも誰も問題にしない。
だから私たちは絶対に譲れない。労働運動が再生するためには、この闘いに勝利の決着をつける以外にないと思います。裁判の土俵でも絶対に勝ってやる。高裁段階でもう一回、新しい署名運動を開始する準備を進めています。
11・3労働者集会に皆さんが全力を尽くしていただき、心から感謝します。3千人の結集で集会を実現できたのは、日本の労働運動が解体されてしまっている現状から考えると、どれほど大変な苦労があったことでしょう。皆さんに心からお礼を申し上げたい。
でも、この社会を根本からひっくり返さなければならない、それができる力と可能性が我々の中には絶対にあるからこそ、厳しく総括しようと3労組は議論しています。来年は本当に会場をあふれさせたい。国鉄分割・民営化に屈せず三十年、四十年頑張ってきたからこそ、日本の労働運動が再生したと歴史に書かれるような闘いをやりたい。分割・民営化との闘いで動労千葉は四十数人の解雇者を出し、その後の外注化反対でも三十人が首を切られながら闘い、全国の仲間が支えてくれました。ここまでやったんだから絶対勝つ! ご支援をお願いします。
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動労千葉争議団の決意
最後まで闘う
高石正博さん
判決は俺たちが訴えてきたことがひとかけらも入っていません。
生きている限り、最後まで闘いたいと思います。僕も年齢は上がりましたが、頑張っていきたいと思いますので、今後もよろしくお願いします。
運動の力で勝つ
中村仁さん
私たちはかつての裁判で、私たちを採用しなかったことは不当労働行為だと認めさせ、大きな風穴を開けて運動を続けています。
中野洋元委員長は「労働者はなかなか勝てないけれど、闘いをやめなければ負けない」と言いました。こういう闘いをしなければいけないと思います。JRに採用されなかったのは、「闘え」と言われたということだと思いながら、私はやっています。
この思いに全国の仲間が応えてくれて、11月労働者集会に3千人が結集しました。こういう運動が続いていて今、戦争情勢下で戦争絶対反対の声を我々は上げられる。そのことに誇りをもって闘っていきたいと思います。
運動で絶対に解雇撤回をさせるという気概をもって、皆さんと一緒に、全国の仲間、世界の仲間と一緒に闘い、勝利したい。その先頭に動労千葉と動労総連合が立ちます。