トランプ「圧勝」と巨大な革命的激動情勢への突入 11月集会運動の大発展で中国侵略戦争阻止へ

週刊『前進』04頁(3370号04面01)(2024/11/11)


トランプ「圧勝」と巨大な革命的激動情勢への突入
 11月集会運動の大発展で中国侵略戦争阻止へ


 11・3全国労働者総決起集会と銀座デモは、米日帝国主義の中国侵略戦争―世界戦争への突入、その真っただ中で強行された総選挙や日米軍事演習と対決し、階級的原則を貫いて不屈に闘う労働者・労働組合の国際反戦闘争として大成功した。戦争を止め社会を変革する主体は、国境を越えて団結した自分たち労働者階級自身であることを、参加した約3千人が心から確信し、新たな闘いを開始することを誓い合った。他方、11・5米大統領選での共和党トランプの「圧勝」は、中国侵略戦争―世界戦争情勢を加速度的に激化させ、アメリカをはじめ全世界の階級闘争の内乱的大発展をもたらさずにはおかない。この新たな激動情勢と真っ向から対決し、11・3に結集した力を何倍にも発展させ、世界戦争を世界革命に転化する歴史的挑戦を開始しよう。
鍵握るのは米労働者階級
 「歴史的な大接戦」などと報じられてきた米大統領選の結果は、トランプが激戦州のすべてを制して圧勝し、連邦議会上院も共和党が過半数を握った。「トランプの党」と化した共和党とその支持勢力は、2008年リーマン・ショック以来の大恐慌後に一気に没落が進んだ中間層・小ブルジョア層の不満や絶望感、この間のインフレと生活苦の増大に対する怒りと不満、現状打破への欲求などを糾合すると同時に、保護主義の強化を求める鉄鋼業界をはじめとした巨大資本やイーロン・マスクのような新興のIT企業家らをも取り込んだ。そして「不法移民」や「中国」への敵意と排外主義をあおり立て、民主党とその支持者らを「内なる敵」と呼び、これらを粉砕して「偉大なアメリカを取り戻す」という「疑似革命」的運動を展開した。
 これを背景に、今年に入って民主・共和両支持者の間で銃撃や放火などの事件が激増し、米国内は大統領選の結果を待たず内戦的状況に突入した。まさにそれは1930年代のナチス・ヒトラーの選挙運動とその権力掌握に至る過程を彷彿(ほうふつ)とさせるものだ。
 だが、そもそもトランプを再び大統領の座へ押し上げた情勢の根底にあるものは、もはや戦後帝国主義世界の唯一の基軸国としての「偉大な」力も世界的威信も喪失し、国内階級支配をこれまで通り維持することもできなくなったアメリカ帝国主義の歴史的大没落にほかならない。今後、大統領選過程で露呈した政治的・社会的な混乱と混迷は一層深刻化し、国民的分裂と内戦的状況は激化し、米経済の危機はいよいよ本格的爆発に向かう。米帝は国家的存亡をかけて中国侵略戦争に突き進む以外にない。
 何より、ナチス独裁確立時のドイツと決定的に異なるのは、労働者階級人民の階級闘争が全く根絶されていないことである。一切の情勢決定権を握っているのはアメリカ労働者階級だ。階級闘争の新たな爆発と革命的発展は、既成指導部の反動と屈服を乗り越えるパレスチナ反戦闘争の爆発、ストライキの高揚としてすでに始まっている。トランプ当選は、階級闘争のさらなる激化・先鋭化を生み出さずにはおかない。この闘いの巨大な発展の中にのみ、アメリカと世界の労働者階級の未来はある。
 日米韓を軸として強固な絆を打ち固めてきた11月国際連帯闘争は、この情勢下でいよいよ決定的である。アメリカ、韓国、アジア・中東をはじめ全世界の闘う労働者・労働組合との国際連帯をさらに大きく発展させよう。何よりも日本において、米日帝の中国侵略戦争を阻む反戦闘争の巨大な爆発をかちとろう。
日帝・石破打倒へ総決起を
 トランプ当選に対し石破は「連携を密にしながら、日米同盟、日米関係を更なる高みに引き上げたい」と語り、トランプと一体で中国侵略戦争へ突き進もうとしている。10・27総選挙を経て自公は少数与党へ転落し、石破政権の支持率は3割前後へと急落した。だが石破は首相続投を表明し、萩生田光一、西村康稔ら裏金議員も自民会派入りという形で「復党」させ、11日の特別国会で国民民主党や日本維新の会の協力も得て首相指名選挙を乗り切り、居座ろうとしている。
 中国侵略戦争への総翼賛体制をつくり上げていく決定的てことなるのは、改憲である。中国、北朝鮮、ロシアなどへの排外主義と祖国防衛主義を最大限にあおり立てながら、石破の持論である「9条への国防軍明記」「9条2項削除」を前面に押し出し、これに賛成か反対かで立民を割り、国会の全政党を大再編し、反対する政党を圧倒的少数派に追い込んで改憲発議へと持ち込むことを狙って、石破は今まで以上に凶暴に突き進もうとしているのだ。
 特別国会での首相指名に続き、石破は来年通常国会で大軍拡予算を「部分連合」(自公、国民、維新その他)で通過させ、7月参院選に向かって改憲・戦争国家化の攻撃を一層強めてくる。この決戦は絶対に避けられない。改憲・戦争阻止!大行進運動の本格的大発展をつくりだし、全学連を先頭に反戦の実力闘争の更なる爆発をかちとろう。
 今や11月労働者集会運動は、帝国主義打倒へ怒りに燃えて決起する労働者、青年学生の結集軸となった。だからこそ日帝権力は全体重をかけて3労組つぶしの攻撃に乗り出し、8・6広島暴処法弾圧や大坂正明同志へのでっち上げ有罪判決を振り下ろしてきたのだ。これらの攻撃を徹底的に粉砕し、11月集会運動の大発展をかちとろう。この闘いを通じて、革命的労働者党としての革共同の強大な建設を今こそかちとろう!

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