世界の労働者と連帯し11・3反戦大デモへ

週刊『前進』04頁(3368号04面01)(2024/10/28)


世界の労働者と連帯し11・3反戦大デモへ

 ガザ大虐殺反対の実力闘争が全土で爆発するアメリカをはじめ、全世界で反戦闘争が巻き起こる中で開催される11・3労働者集会―11・2国際連帯集会には、イタリア、ドイツ、ブラジルに加えて、韓国から20年以上、動労千葉と連帯を続ける全国民主労働組合総連盟(民主労総)ソウル地域本部、そしてこの夏に不当解雇撤回・職場復帰を果たした金属労組旭硝子(ガラス)支会が参加する。何よりも米日帝国主義の中国侵略戦争突入情勢下で朝鮮半島の軍事的緊張が高まる中、戦争絶対反対を貫く日韓労働者階級の団結は決定的だ。全世界の労働者と連帯し、11月3日、首都・東京から全世界にとどろく反戦大デモを実現しよう。

韓国
 朝鮮半島を二度と戦場にさせるな!

(写真 ユン政権退陣を訴えてデモ【9月28日 ソウル】)

 朝鮮半島では現在、軍事境界線を挟んで韓国と北朝鮮との緊張が極限的に高まっている。8月の鉄道遮断に続き、北朝鮮・キムジョンウン(金正恩)総書記は10月15日、韓国のドローンがピョンヤン(平壌)上空でビラをまいたことに抗議して南北連結道路の一部区間を爆破。南北をつなぐ陸上交通路がすべて消滅した。韓国軍はこれに対応射撃を行い、現地では一触即発の緊迫した状態が続く。
 キムジョンウンを追いつめているのは、米日帝国主義による中国包囲網の構築だ。韓国のユンソンニョル大統領は就任以来、米日帝との軍事協力を急速に推進してきた。今年6月には、「一切の敵対行為を全面的に中止する」と確認した2018年の南北軍事合意の「効力停止」=事実上の破棄を発表し、北朝鮮への強硬姿勢を鮮明にさせた。同月には朝鮮半島周辺で新たな米日韓共同訓練「フリーダム・エッジ」を行い、7月末には東京での日米外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)にあわせて初の3カ国の防衛相会談を開催。北朝鮮や中国を念頭に東アジア地域での安保協力強化を打ち出した。
 さらにハンギョレ新聞日本語版は10月8日、韓国国防部が、政府承認だけで「日本の自衛隊が在韓米軍基地を利用するため一時的に韓国国内に進入できる」との立場を示したと報じた。明らかに朝鮮半島での戦争を想定したものだ。
 こうした中で、韓国の労働者民衆は「ユン政権こそが戦争の危機を増大させている」と訴え、朝鮮半島を二度と戦場にさせてはならないと立ち上がっている。
 民主労総をはじめとする諸団体は10月19日にソウルで反戦平和大会を開催。参加者は、労働者民衆の怒りに包囲されたユン政権が自らの延命のために北朝鮮との戦争をあおっていることを弾劾した。北朝鮮へのビラ散布を再開しようとする韓国政府の動きは「朝鮮半島全体の民衆の命を奪うという宣戦布告だ」と怒りを燃やし、「朝鮮半島を軍事対決の場とする一切の行為の即時中止を」と訴えた。
 これに先立ち、9月28日には全国でユン政権退陣を求める時局大会が開催され、首都圏5千人、全国5万人超の労働者民衆が街頭に出た。民主労総組合員や農民、貧民が結集し、ユン政権退陣に向け11月から12月にかけて総力闘争に打って出ることを確認。16~17年のろうそく革命でパククネ政権を倒した労働者民衆こそがユン政権打倒の先頭に立つと宣言した。

AGCに勝利した旭支会が日比谷へ

(写真 解雇撤回後、初出勤する旭支会【8月1日 韓国・亀尾市】)

 集団解雇から9年、解雇撤回・正規職雇用をかちとった旭硝子支会(民主労総全国金属労組。勝利後、旭非正規職支会から改名。組合員22人)が、11・3労働者集会に参加する。韓国・クミ(亀尾)市からやってくるのは、ソンドンジュ副支会長とナムギウン事務長だ。彼らは2015年の不当解雇以来、何度も来日し、AGC株主総会や本社に登場して解雇撤回を迫ってきた同志たちだ。彼らと連帯し、動労千葉をはじめとする旭非正規職支会支援共闘会議は毎月のAGC本社行動などに取り組んできた。
 7月に韓国の大法院(最高裁判所)で勝利し、8月1日に正規職として復職した旭支会は、「団結と連帯で勝利した旭支会は22人、御用労組は488人だが、私たちの声こそ真実であり、現場で民主労組として闘う」と宣言し、職場での組織化を進めている。
 しかし復職から2カ月、AGC韓国は9月30日に御用労組と構造調整に合意し、旭支会にも希望退職を受け付けると通告してきた。旭支会は御用労組を弾劾し、「雇用保障なき『団体協約』を変えよう」と、全労働者の雇用保障を求める闘いに入った。

アメリカ
 ガザ大虐殺とめる実力行動呼びかけ

(写真 ミネソタ大学でイスラエルからの投資引き揚げを要求して大学の管理棟を封鎖【10月21日 ミネアポリス】)

 大統領選が迫るアメリカで、パレスチナ連帯の闘いが新たな段階に入った。
 「労働者と学生には、大量虐殺兵器のサプライチェーンを破壊する力がある」。10・7蜂起から1年を前に、「パレスチナと連帯する全米自動車労組(UAW)組合員」、「パレスチナと連帯する労働者全国ネットワーク」が、「一人の痛みは全員の痛み ジェノサイドのためには働かないぞ!」を掲げ、今年の10月7日を起点にガザ大虐殺を終わらせるための労働者の大規模行動を組織しようと呼びかけた。大学キャンパスや街頭で闘いの先頭に立ってきた「パレスチナの正義のための全国学生連盟」が賛同して名を連ねた。
 呼びかけ文は「主要な労組の指導部は言葉だけで動こうとしないが、労働者は最大の影響力=集団的に働くことを止める能力を行使し、パレスチナ労働組合の緊急アピールに応えなければならない」とし、数千人の逮捕にも屈せず組織化を続ける学生たちと共に立ち上がろうと訴える。そして11月4日には行動を一層エスカレートさせ、イスラエル軍とつながる研究所や工場、物流現場など、大量虐殺に加担する職場を封鎖することを呼びかけている。
 これに呼応してパレスチナの労働組合は改めて全世界に連帯要請を発し、最も緊急性の高い要請として、兵器の製造や輸送、研究部門の労働者に対して、サプライチェーンを打ち砕く実力闘争を強く求めている。
 労働者階級の実力闘争にこそ、アメリカ帝国主義とイスラエルによるガザ大虐殺―中東大戦への拡大を止める力がある。国際連帯を力に11・3へ攻め上ろう。

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