有罪判決粉砕を共に決意 関生支部主催で反弾圧シンポ
週刊『前進』04頁(3368号02面03)(2024/10/28)
有罪判決粉砕を共に決意
関生支部主催で反弾圧シンポ
(写真 湯川裕司委員長が「攻撃を拡大させないために関生弾圧を打ち破る」と表明【10月19日 東京都港区】)
全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部主催で「反弾圧シンポジウムin東京」が10月19日、東京の国鉄労働会館で開かれ、160人が参加した。関生支部は首都・東京に打って出て反転攻勢に弾みをつけた。
主催者として関生支部の湯川裕司委員長があいさつし、まじめに産業別労働運動に取り組んできたから弾圧されたと述べ、あらゆる労働組合や市民運動への攻撃の拡大を阻むため、弾圧を打ち破ろうと訴えた。
シンポジウムは刑事裁判を担当する片田真志、久堀文、中井雅人の各弁護士と労働法学者の吉田美喜夫・立命館大学名誉教授、ジャーナリストの竹信三恵子さん、東京新聞の望月衣塑子記者、木村真・豊中市議、全港湾大阪支部の小林勝彦委員長をパネリストに行われた。弁護団の詳細な報告は、労組の正当な活動が犯罪にしつらえられたことを改めて浮き彫りにした。
争議の解決金の受け取りなどが「恐喝」とされた京都3事件について、弁護団は次のように指摘した。解決金を払った生コン協組には、協組に加入しないアウト企業の業界参入を阻むため関生との協調関係を維持したいという目的があり、〝関生に脅されて金を出した〟という認識は経営側にもなかったはすだ、と。
京都3事件には、廃業の意向を示した経営者に設備の解体を求めた生コン協組執行部の言動が「恐喝未遂」「強要未遂」とされた加茂生コン事件も含まれる。実際の行為者は生コン協組執行部で、湯川委員長らはその「共謀者」とされた。だが、両者の間にどんなやり取りがあったのかを、検察は一切立証していない。しかし検察は今年6月、湯川委員長に懲役10年もの超重刑を求刑した。
加茂生コンに関しては、保育園に提出する就労証明書の発行などを求めたことが「強要未遂」とされ、現場で交渉した組合員が起訴された事件もある(裁判は分離)。経営側が設置した防犯カメラに映された交渉のやり取りは、きわめて平穏だったと弁護団は指摘した。しかし最高裁は、1人を無罪とした高裁判決を昨年9月に破棄し、審理を高裁に差し戻した。あくまで無罪にはしたくないのだ。
他方、元暴力団関係者を関生事務所に差し向けた和歌山広域生コン協組理事に対する関生の抗議行動が「強要未遂」「威力業務妨害」とされた事件では、昨年3月に大阪高裁が出した逆転無罪判決が確定した。この判決は、産別労組の関生と使用者団体とは労働関係上の当事者に当たり、関生の抗議は団結権を守る正当な行為だと判断した。弁護団は、産別労働運動の正当性を真正面から認めた判決の意義を強調した。この判決を転機に、3件11人の無罪判決が確定している。
この報告を受け、パネリストの各氏が、弾圧の事実を広く伝え、力ある運動をしてきた関生を支えることが、労働者の権利を守るためには必要だと表明した。
湯川委員長に懲役10年が求刑された京都3事件の判決は来年2月26日に出される。有罪判決を断じて許すなという思いが、会場にみなぎった。
関生弾圧は戦時下の労組解体の最先端の攻撃だ。関生支援東京の会はこのシンポに全力で参加し、関生など3労組が主催する11・3集会に6千人を集め、都心を貫く大デモで弾圧を打ち砕くと改めて決意した。