10・27横田反基地デモへ 戦争の前線司令部化許すな

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週刊『前進』04頁(3367号03面03)(2024/10/21)


10・27横田反基地デモへ
 戦争の前線司令部化許すな


 10月23日に始まる中国を「敵国」と明示した過去最大規模の日米共同統合実動演習「キーン・ソード25」は、米日帝国主義による中国侵略戦争への決定的な踏み込みだ。改憲・戦争阻止!大行進東京が呼びかける10・27横田反基地デモは、中国侵略戦争阻止・石破政権打倒の決定的な闘いとなった。

「統合軍司令部」に横田基地機能強化

 米軍横田基地(東京都福生市)は、首都東京に位置する在日米軍基地として、沖縄米軍基地、横須賀基地と並ぶ位置を持つ重要な基地だ。しかし今、米日帝による中国侵略戦争突入情勢の中で、輸送中継基地という位置から一変し、中国侵略戦争―世界戦争の前線司令部・出撃基地として大きく転換している。最も重大な転換は、戦争の前線司令部への転換である。
 横田基地には在日米軍司令部がある(司令官は第5空軍司令官が兼任)。これまで、その権限は平時における在日米軍の管理や日米地位協定の運用に限られ、有事の際に部隊を指揮統制する権限はなかった。作戦指揮権は、ハワイにある米インド太平洋軍が持っていた。しかし、7月28日の日米外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)では、在日米軍司令部に作戦指揮権の一部を付与し、インド太平洋軍司令官指揮下の「統合軍司令部」として再編することが合意された。
 これは「反撃能力」と称する他国領域への攻撃能力を持った自衛隊が、来年3月に東京・市ケ谷の防衛省内に設置する「統合作戦司令部」のカウンターパートとして、指揮統制機能を一体化させていくことが目的だ。9月20日にはそのための作業部会も設置された。
 在日米軍司令部のある横田基地では、以前から「日米の一体化」が進められてきた。2012年には第5空軍司令部の真横に航空自衛隊の航空総隊司令部が移転され、日米「共同統合運用調整所」が設置された。現在の「日米防衛協力のための指針」(ガイドライン)が結ばれた15年には、常設の「同盟調整メカニズム(ACM)」が設置され、平時から有事まで様々なレベルでの緊密な調整が可能になった。日米の軍同士の「共同運用調整所(BOCC)」もつくられた。

米軍の指揮統制下自衛隊が戦争遂行

 今回の2プラス2でも、「既存の同盟調整メカニズム」を利用すると言われている。だが、狙われているのは、当時ともレベルが違う、共同作戦におけるリアルタイムの一体的運用だ。
 米国防総省は現在、米軍4軍のセンサー(敵を探知する装備)とシューター(敵を攻撃する装備)を一つのネットワークでつなぎ、一元的な指揮統制のもとで運用する構想を進めている。この指揮統制システムの一部に同盟国の指揮統制システムも組み込み、一体的に運用しようとしているのだ。自衛隊は、米軍と一体化し、事実上、米軍の指揮統制下に入って作戦遂行に従事することになる。
 2022年11月、日米初のリアルタイム情報共有部門である「日米共同情報分析組織」が横田基地で運用を開始し、今年9月の日豪2プラス2で、ここにオーストラリアも加わることになった。米インド太平洋軍は、横田基地に在日米宇宙軍をつくろうとしている。
 10月8日には在日米軍司令官の指揮権交替式が行われた。すべて横田基地を中国侵略戦争―世界戦争の司令部につくり替えようとする動きである。

オスプレイ配備し遠征前進基地作戦

 他方、横田基地は、中国侵略戦争のための米海兵隊の新作戦構想EABOにも投入されると見られる空軍輸送機CV22オスプレイの基地としても強化されている。
 2018年10月から横田基地への正式配備が始まったCV22オスプレイは、敵地に侵入して特殊部隊を展開させる特殊作戦機だ。迅速展開のための海兵隊のMVオスプレイと合わせて、EABOの「足」として欠かせない機体だ。しかし、その運用は常に危険と隣り合わせであり、昨年11月29日には鹿児島県屋久島沖で乗っていた米兵8人全員が死亡する重大な墜落事故を起こした。
 ところが、7カ月後の今年7月2日には、事故の原因がわからない中、飛行を再開した。10月23日からはキーン・ソード25に事故後初めて参加しようとしている。
 さらに重大なのは、横田基地に核搭載可能なB52戦略爆撃機が連続して飛来していることだ(昨年7月、今年4月)。「拡大抑止」強化が叫ばれ、B52を航空自衛隊の航空機が護衛する訓練が急増する中(2022年安保3文書閣議決定から今年6月までに19回!)、横田基地が改めて核攻撃の拠点として位置づけられている。
 横田基地では、戦時の作戦を指揮するための大型ディスプレイの設置、CV22オスプレイや大型輸送機の駐機場の増設(駐機能力を33%増強)など、司令部・出撃基地としての機能強化の工事が進んでいる。
 このような基地強化を許さず、基地を実力で撤去することこそ、中国侵略戦争を阻み、安保・戦争同盟を粉砕する闘いだ。
 10月27日、改憲・戦争阻止!大行進東京が呼びかける横田反基地デモに大結集しよう!

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横田を中国侵略戦争の司令部にするな!
核爆撃機の飛来弾劾!
10・27横田反基地デモ
 10月27日(日)午後2時 ひふみ公園(福生市本町25―4) 2時45分 デモ出発
 主催 改憲・戦争阻止!大行進東京/三多摩

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