10・13三里塚集会の発言(抜粋)

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週刊『前進』04頁(3367号03面02)(2024/10/21)


10・13三里塚集会の発言(抜粋)

耕作権裁判、絶対負けない
 敷地内天神峰 市東孝雄さん

 18年続いた私の南台農地をめぐる耕作権裁判は、判決を待つのみとなりました。
 農地法裁判と請求異議裁判の判決によって昨年2月15日、天神峰農地に強制執行がかけられました。しかし、その判決で裁判長は、空港会社が言っていないことまで作文し、お金を1億8千万円出すんだからそれで十分だと、判決はこちらの負けにしたんです。
 耕すものに権利あり。私にとっては農地は命、農地がなければ農民は本当に死んだも同然なんです。こっちは何も悪いことはしていない、誰が見たってこの耕作権裁判は負けるはずがないんです。
 昔、北原鉱治事務局長が「裁判は勝っていても、いざ判決になると三里塚は負けるんだ」と言っていましたが、耕作権裁判だけは負けるわけにいきません。
 動労千葉を先頭とする闘う労働組合、関西生コン支部、港合同との連帯、そして市民、学生、何よりも国策と闘っている沖縄・福島・三里塚を一つの闘いとして、体が続く限りは畑を耕していきたい。皆さんにおいしい安全な野菜を食べていただき、「おいしかったよ」の一言を聞くことだけが、私の誇りの結晶だと思っています。
 判決は期待していませんが、どういう判決が出ても、皆さんと共に三里塚58年の闘いをさらに盛り上げてがんばっていきたいと思います。

戦争のための空港拡張反対
 敷地内東峰 萩原富夫さん

 反対同盟は軍事空港建設反対を掲げ58年間闘いぬいてきました。市東さんの農地を守り、戦争のための空港拡張に反対することが本集会の目的です。
 市東さんは昨年2月の強制執行において自宅前の天神峰農地を奪われました。市東さんの生まれ育った場所は跡形もなくなり、営農手段もすべて破壊されました。この暴挙を行った空港会社と国家権力、執行した千葉地裁をあらためて弾劾します。絶対に許すことはできません。
 南台農地をめぐる耕作権裁判は9月30日、市東さんと弁護団の圧倒的正義の最終弁論を闘いました。原告の空港会社は賃借地位置特定の誤りを認めることも、正当性の主張すらもできず弁論を放棄しました。齊藤顕裁判長は動揺して追い詰められ、判決日を指定できませんでした。さらに千葉地裁を包囲して必ず勝利判決を勝ちとりましょう。
 成田空港の機能強化、巨大物流拠点への改造は、中国への戦争を準備する兵站(へいたん)拠点への大改造にほかなりません。イスラエルによるガザ虐殺、ウクライナ戦争の泥沼化に対し高まる世界の反戦闘争と連帯し、新たな巨大軍事空港建設を粉砕しましょう。
 成田空港は機能強化のために1000㌶もの用地を拡大しようとしています。住民を追い出して農地や里山を押しつぶす大規模環境破壊です。環境と命をかえりみない成田空港は、資本主義もろとも葬り去らなければなりません。
 石破政権は発足早々に衆議院解散・総選挙となりました。われわれには闘う以外に選択肢はありません。三里塚闘争は、農地強奪と軍事空港に反対し、戦争を起こすしかない資本主義を倒し、人間が人間として生きられる社会を目指す闘いの拠点です。労農学連帯の力で耕作権裁判に勝利し、空港機能強化粉砕・空港廃港へ共に闘いましょう。

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