中国侵略戦争阻止へ決戦方針 動労千葉 11・3大結集へ戦闘態勢

週刊『前進』04頁(3365号02面01)(2024/10/07)


中国侵略戦争阻止へ決戦方針
 動労千葉
 11・3大結集へ戦闘態勢

(写真 方針を提案した渡辺剛史書記長は「動労千葉の経験を今こそ発揮しなければならない」と強調した【9月28日 千葉市】)

 動労千葉は第54回定期大会を9月28日、DC会館で開いた。「労組なき社会化・融合化・廃線化を許すな! JR大再編攻撃に団結と組織拡大で闘おう!」「米日帝国主義による中国侵略戦争阻止! ウクライナ戦争・ガザ大虐殺ただちにやめろ! 闘う労働組合・国際連帯の力で戦争を止め社会を変えよう!」の闘争スローガンを採択し、11・3労働者集会を当面最大の焦点に、ただならない決意を込めて戦時下の決戦方針を確立した。
 また、昨年の大会で決定された「原則70歳まで組合員」の方針のもと、動労千葉の闘いを次世代につなげるために組織を挙げて奮闘することを再確認した。

戦時国家化粉砕を

 あいさつに立った関道利委員長は、中国侵略戦争阻止こそ労働組合の最大の任務だと力説し、11・3集会への大結集と戦時国家改造の先頭に立つJRとの対決、本格的な組織拡大を呼びかけた。(要旨別掲)
 連帯あいさつで三里塚芝山連合空港反対同盟の太郎良陽一さんが10・13三里塚集会への結集を訴えた。
 久留里線と地域を守る会の三浦久吉代表が廃線阻止の思いを語った。JR東日本と千葉県、君津市で構成する地域交通検討会議は、久留里―上総亀山間の廃止を結論にした報告書を今年度中に出そうとしている。これを許さず廃線反対の住民の意思を報告書に盛り込ませるため行動していると、三浦代表は報告した。
 動労千葉を支援する会の織田陽介事務局次長、動労千葉OB会の永田雅章会長、家族会の佐藤芳子会長のあいさつが続いた。
 全国金属機械労組港合同昌一金属支部の木下浩平委員長は、労組破壊に失敗した那須電機鉄工が事業の譲り受けを断念し、闘いは第2段階に入ったと報告した。そして、那須電機鉄工が強行した不当労働行為をあくまで追及して闘い抜く決意を示した。
 さらに動労総連合水戸の石井真一書記長があいさつし、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の湯川裕司委員長からのメッセージが紹介された。

JR大再編と対決

 運動方針を渡辺剛史書記長が提案し、①JR大再編攻撃との対決、②1047名解雇撤回、③3労組共闘と労組交流センターを軸に11月労働者集会の大結集で闘う労働運動復権へ、④中国侵略戦争阻止、戦争・改憲に突き進む自公反動政権打倒、⑤組織の強化・拡大と、動労千葉の闘いの次世代への継承----などの闘いの柱を打ち出した。
 「労組なき社会」の確立を狙うJR東日本は、2月に各支社や各部署ごとにつくられた社友会の代表22人を集めて連携協議会を立ち上げた。これをモデルにJR東日本が主導する労働法制改悪は、社会を1911年公布の工場法以前に戻そうとするものだ。
 この攻撃との闘いを訴えた渡辺書記長は、「首をかけ人生をかけて天下国家を相手に真っ向から勝負を挑んで負けなかった動労千葉の経験は、今の時代にこそ発揮されなければならない」と強調した。
 討論では、各代議員が70歳まで組合員として闘う意思を表明した。脱線事故を招きかねない車輪と車軸の取り付け作業での不正や、線路周辺の草刈りがなされず、倒木が当たって列車が損傷する事故も起きた現実への怒りが示された。東北新幹線で連結器が外れた事故について「安全装置が働きブレーキがかかったから問題ない」と居直るJRに「本末転倒」という弾劾が突き付けられた。清掃職場の代議員は、人員不足を放置し、猛暑への対策もまともにしない千葉鉄道サービス(CTS)に怒りを示した。総括答弁で関委員長は、JRへの最大の反撃は組織拡大だと強調した。
 運動方針を採択し、100%の批准でスト権を確立、シニア組合員として特別執行委員に選任された2人の組合員が、さらに闘い続ける固い決意を表した。
 中国侵略戦争が切迫する中、動労千葉は組織の存亡をかけた決戦に突入した。
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関道利委員長あいさつ(要旨)
 労働組合は反戦の砦だ

戦争を絶対に止める

 私たちは大きな歴史の転換点に立っています。4月の日米首脳会談では「日米安保始まって以来最も重要な刷新」と言われる転換が宣言され、7月の日米2プラス2では核を含む拡大抑止が明示に確認されました。沖縄・南西諸島に自衛隊のミサイル部隊が配備され、「中国は脅威だ。2027年までに台湾有事が起こりうる。国を守れ」と排外主義があおられています。しかし、その本質は帝国主義であるアメリカと日本の側からの中国に対する戦争です。
 中小企業や地方を淘汰(とうた)し、一切を戦争につぎ込む国家改造攻撃も激化しています。労働組合は団結と権利のよりどころであると同時に反戦の砦(とりで)です。自国政府の戦争政策と闘い、国境を越えて団結して、戦争を止めることが労働組合の任務です。問われているのは労働運動の変革です。

労組つぶし許さない

 自民党新総裁に選ばれた石破は「アジア版NATOが必要だ。核共有を」と叫び、立憲民主党の代表選でも全候補が「日米同盟基軸は変えない」と言いました。こんなところに労働者の選択肢はありません。
 11・3集会で戦争を本当に阻止する力のある運動をつくらなければなりません。関生支部への大弾圧と港合同への選別解雇、JRにおける「労組なき社会」化という形でかけられた3労組への攻撃を、何としても打ち破らなければなりません。
 昨年の11月集会後から参加労組が次々にストライキに立ち、労働運動再生の展望も大きく切り開かれています。これをさらに前進させ、国際連帯を一層発展させて、戦争を止め社会を変える力がここにあることを示したい。

団結維持し次世代に

 JRは戦争国家化の先頭に立っています。国家改造攻撃としてのローカル線廃止は、久留里線が焦点です。労働法制を「生産性向上」のためのものに改悪する攻撃のモデルは、JR東日本の社友会です。
 JR体制は信じがたい安全の崩壊に行き着きました。時速315㌔で走行中の東北新幹線の連結器が外れた事故や、車輪と車軸の取り付け作業での圧力超過や記録の改ざんは、まさに鉄道崩壊です。外注化の矛盾は完全に明らかです。
 職場では激しい攻撃が吹き荒れていますが、矛盾も噴出しています。住民の怒りの声で京葉線のダイヤは修正され、みどりの窓口も一部で復活せざるを得なくなりました。攻撃を打ち破る可能性は生まれています。
 団結さえ崩さなければ展望は切り開ける。これは動労千葉が闘いの中でつかんだ教訓です。国鉄分割・民営化と対決してきた動労千葉には、果たすべき役割があります。昨年の大会で「原則70歳まで組合員」というシニア組合員制度を確立しました。動労千葉が培ってきた団結を維持し、次の世代に引き継がなければなりません。今こそ組織拡大をかちとりましょう。

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