民族解放に敵対する共産党 「イスラエルの生存権」擁護

週刊『前進』04頁(3364号03面03)(2024/09/30)


民族解放に敵対する共産党
 「イスラエルの生存権」擁護


 日本共産党はパレスチナ人民の民族解放の闘いに一貫して敵対してきた。昨年10月10日の志位和夫委員長(当時)の談話は「ハマスの無差別攻撃と民間人の連行は、国際人道法の明白な違反であり、いかなる理由があっても決して許されず、強く非難する」と述べ、パレスチナ人民の民族解放・革命戦争に真っ向から敵対した。その後のイスラエルのジェノサイドを前に後景化させているが、ハマス非難をあくまで撤回していない。
 彼らは、高みに立って「暴力の悪循環を止める自制を強く求める」などと言うが、起こっていることは「暴力の悪循環」などでは断じてない。イスラエルは、アメリカを始めとする帝国主義の世界支配のために、ソ連スターリン主義も巻き込んででっち上げられた、徹頭徹尾植民地主義的侵略「国家」である。パレスチナ人民を虐殺し、追放して強奪した土地に「建国」され、そして今日まで侵略を拡大し、あらゆる抑圧を積み重ねてきたのだ。
 このイスラエルに対する抵抗の闘いは圧倒的に正義であり、全世界の人民が連帯しなければならない闘いである。志位は「いかなる理由があっても……」と言うが、パレスチナ人民が何万人殺されようと、何十年抑圧が続こうと、武器を取ってイスラエルと戦ってはならない、黙って服従せよと言っているに等しい。

「20世紀の変化」

 日本共産党の綱領では、「多くの民族を抑圧の鎖のもとにおいた植民地体制は完全に崩壊し、民族の自決権は公認の世界的な原理という地位を獲得し、百を超える国ぐにが新たに政治的独立をかちとって主権国家となった」とうたい、志位は「これが20世紀の最大の変化であり、世界の構造を変えた変化」と言っている。要するに帝国主義の時代は過去になったと言いたいのである。
 だが、「植民地体制は完全に崩壊」などというのは全くインチキな議論であることは、パレスチナを支配し侵略と民族抑圧を続けるイスラエルの姿を見れば明白だ。このイスラエルの「自衛権」を主要7カ国(G7)に集う帝国主義国のトップたちが「支持する」と表明し、全力で支えているのである。8・9長崎平和式典にイスラエル大使を招待しなかったことへのG7諸国の対応が、その関係をくっきりと示しているではないか。

中東和平の虚構

 前述の志位談話は、「中東和平の三つの原則」を掲げている。「①イスラエルの占領地からの撤退②パレスチナ独立国家樹立を含む民族自決権の実現③両者の生存権の相互承認」で、「これらは、国連の一連の決議にみられるように、国際的なコンセンサスとなってきた」と言っている。
 だがまさにこの1年間は、この三原則なるものが全くまやかしであることを完全に暴いた。そこで明らかになったのは、「イスラエルの生存権」はパレスチナ人民抹殺と同義であり、「両者の生存権の相互承認」などありえないということだ。志位の言っていることは、実際にはイスラエル全面擁護であり、パレスチナ人民への屈服要求以外の何ものでもない。

「暴力革命反対」

 今、ガザでイスラエル軍がやっているのは、かつて日本帝国主義が朝鮮で、中国大陸で、台湾で、アジア各地でやってきた侵略と虐殺と重なる。日本の労働者人民は、ガザの虐殺を他人事ではなく自分事としてしっかり捉えなくてはならない。関東大震災時の朝鮮人・中国人大虐殺をなかったことにしようとしている小池都知事や日本政府は、今ハマスを非難しイスラエルの「自衛権」を擁護することで再びの中国侵略戦争の道を開こうとしている。
 日本共産党は、日本帝国主義が米帝とともにイスラエルのジェノサイドを支え、さらに中国侵略戦争に向かって突き進んでいることと全く闘おうとせず、むしろその先兵になっている。「尖閣は日本の領土」の立場で日帝を翼賛し、中国に対する排外主義攻撃に加担し、中国侵略戦争絶対反対の闘いに敵対している。
 最後に、日本共産党のハマス非難の核心には、「暴力革命絶対反対」という宣言がある。10・7蜂起に対する日本共産党の悲鳴にも近い敵対言辞は、労働者階級が実力で帝国主義を打倒することに絶対反対する、そのような闘いは自分たちは実力で阻止するという宣言でもある。だが、それは帝国主義の侵略戦争に対する日本と世界の労働者階級人民の荒々しい決起の前に歴史的破産を突きつけられている。帝国主義の側に立った日本共産党スターリン主義を今こそ打倒しよう。
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