イスラエルの虐殺許すな 史上空前のジェノサイド

週刊『前進』04頁(3364号02面02)(2024/09/30)


イスラエルの虐殺許すな
 史上空前のジェノサイド





(写真 ガザで2番目に大きな都市ハンユニスのイスラエル軍による攻撃前【上・2022年】と攻撃後【下・24年】)


 昨年10月7日以降、イスラエルは何をしたか。公表されただけでガザ地区で4万1千人以上、ヨルダン川西岸地区で690人以上を直接の軍事的手段により虐殺した。さらにガザへの食料や医薬品の供給を断ち、飢餓や感染症で多くの命を奪い続けている。

「パレスチナ人は人獣だ」と公言し

 イスラエルのネタニヤフ政権は、10・7蜂起を「戦争犯罪」と非難。ガザを「悪魔の街」と呼び、「ハマスが拠点とするあらゆる場所を廃虚にする」としてガザへの無差別報復爆撃を開始し、物資や電力の供給を断つ暴挙に出た。以降、イスラエルは「パレスチナ人は非人間的な動物」(ギラーマン元国連常駐代表)、「われわれは人獣と戦っており、それ相応の行動をしている」(ガラント国防相)と主張し、空爆で2千ポンド爆弾のような大型爆弾を大量に使用するなど、破壊と殺りくの限りを尽くしている。
 イスラエル軍は昨年10月27日、ガザ北部への地上侵攻に踏み切った。12月には避難民が身を寄せる南部ハンユニスにも侵攻。今年5月にはラファ検問所を占拠し、150万人が避難する南部ラファにも侵攻した。
 8月から9月にかけてはヨルダン川西岸で大規模な軍事作戦を強行。イスラエルが自ら「人道区域」に指定していたガザ南部マワシの難民キャンプも攻撃した。これら一切がパレスチナ人民へのジェノサイドであることは誰の目にも明らかだ。
 ガザの農地や漁場といった食料システムを破壊したり、援助物資を運ぶトラックを検問所で止めるなどの暴挙も繰り返している。この「飢餓作戦」により、ガザの4人に1人が壊滅的な飢餓に直面しているといわれる。ネタニヤフはガザの食料不足について「ハマスが盗んでいるからだ」などと主張しているが、スモトリッチ財務相は8月、「ガザの200万人を飢えと渇きに追い込むことは、ハマスが人質を解放するまでは公正で道徳的な行為かもしれない」と、イスラエルの意図的な飢餓作戦の結果であることを半ば公然と認め、居直った。
 医療破壊も深刻だ。昨年10月以降、イスラエルは「(パレスチナ自治政府がハマスの)攻撃を支援した」として「パリ議定書」(1994年)にもとづく自治政府への関税等の還付を一部凍結。自治政府の財政状況は劇的に悪化し、保健省は医薬品がほとんど購入できなくなっている。

ガザ・西岸更地化と民族浄化を狙う

 イスラエルは昨年内だけでガザの住宅の6割以上を破壊し、今年に入りさらに住宅破壊を加速させた。病院や学校などの生活基盤に加え、パレスチナ人の存在を記録する役所や大学、公文書館なども容赦なく攻撃した。10・7蜂起直前の昨年9月、「新中東」構想と称してガザ・西岸のパレスチナ自治区を消し去った地図を掲げたネタニヤフは、自治区を解体して更地に変え、民族浄化を強行し、そこに生きたパレスチナ人民の歴史・記憶までも抹殺しようとしている。
 これらすべてを「自衛権の行使」と称して擁護しているのが帝国主義なのだ。

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