特集/10・7パレスチナ蜂起から1年 10・7蜂起に応え決起を 全米でパレスチナ連帯闘争 逮捕、処分も辞さず実力決起

週刊『前進』04頁(3364号02面01)(2024/09/30)


特集/10・7パレスチナ蜂起から1年
 10・7蜂起に応え決起を
 全米でパレスチナ連帯闘争
 逮捕、処分も辞さず実力決起

 パレスチナ人民の10・7蜂起からまもなく1年。イスラエルがガザで虐殺を続け、レバノンにまで戦火を広げる一方、アメリカをはじめ全世界でパレスチナ連帯闘争が不屈に闘い抜かれている。虐殺の元凶=帝国主義打倒へ、10・7新宿反戦デモに総決起しよう。
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(写真 9月21日、ニューヨークで行われたパレスチナ連帯闘争。パレスチナ解放を掲げるデモでは、イスラエルによるレバノンへの攻撃にも怒りの声が上がった)

(写真 5月、マサチューセッツ工科大学でスクラムを組んでキャンプを防衛する学生)


 10・7蜂起以来、「ガザ虐殺をやめろ」「パレスチナを解放しろ」の叫びと実力闘争が全世界を覆っている。何よりも決定的なことは、イスラエルの最大の支援国=アメリカ帝国主義の足元で、労働者階級人民がこれまでの階級闘争の様相を一変させる歴史的決起を開始したことだ。4~7月にかけて全米200以上の大学キャンパスにつくられた「ガザ連帯キャンプ」を拠点に、闘いはベトナム反戦闘争を超える速度と規模で拡大した。

仲間とスクラム組み警察と対峙

 自らが通う大学の基金がイスラエルに投資されて米国製の爆弾に変わり、ガザの学校や病院に落とされて数万人のパレスチナ人を殺している。この現実を前に、ユダヤ人を含めた多くの学生たちが「ハマスのテロ」という大キャンペーンに屈することなく、パレスチナ人民との「あいまいさのない連帯」を合言葉に全存在をかけて自国政府との闘いに立ち上がった。
 「恐怖で震えが止まらなかったが、ガザの人々が感じる恐怖とは比べものにならないと考えて踏みとどまった」。学生たちは、すべてを奪われながらも不屈に戦うパレスチナ人民との連帯を貫き、仲間とスクラムを組んで警察の襲撃に立ち向かい、大量逮捕や処分も辞さずに闘い抜いている。
 この闘いのさなかに、イスラエル有力紙ハアレツは「イスラエルはアメリカの大学を失った」と報じた。学生たちの闘いが、大学という米帝の支配機構の一角を食い破ったのだ。その闘いは同時に、パレスチナの占領・虐殺の上に成り立ってきた米帝の世界支配を内部から打ち砕く歴史的な位置にある。

新入生も闘いに応え集会に合流

 闘いに恐怖したバイデン政権は、新学期からの闘いの再爆発を防ぐことに全力を挙げた。夏休み中にも連邦議会には大学の学長や学部長らが次々と召喚され恫喝された。多数の教員の停職・解雇に加えて大学内外に監視カメラが増設され、SNSの監視や大量のアカウント削除も強行された。
 しかし、米帝とイスラエルに対する学生の怒りを抑え込むことなど不可能だ。コロンビア大学では、新学年が始まった9月3日、クーフィーヤで顔を覆った学生たちの隊列が「パレスチナ解放」を叫びながら構内に入った。大学当局は撮影用ドローンや監視カメラを使って学生を徹底的に管理・弾圧しようとしたが、構内では集会とデモがかちとられた。「『新学年おめでとう』と言う前に、われわれ自身の金(授業料)でパレスチナ人が殺されていることを想起しよう」「大学基金の投資をイスラエルから引き揚げよう」という呼びかけに多くの新たな参加者が応えた。
 9月21日には、ニューヨーク・マンハッタンの市庁舎前で市警察と対峙(たいじ)しながら万余のデモがかちとられた。

既成労組の屈服乗り越える闘い

 パレスチナ連帯闘争の爆発は、米階級闘争、労働運動全体を揺るがしている。とりわけ、イスラエルのヒスタドルート(労働総同盟)を支持してきた米労働総同盟・産業別組合会議(AFL―CIO)指導部の制動を乗り越え、全米自動車労組(UAW)などの既成労組の中でも現場活動家が勢力を拡大している。
 労組の看板を掲げるヒスタドルートは占領と虐殺の先兵であり、シオニズム組織以外の何ものでもない。英統治時代の設立以来、ヒスタドルートはパレスチナ人から土地を奪い、職を奪い、その軍事組織ハガナーは1948年のイスラエル「建国」に伴うパレスチナ人大虐殺と土地からの追放=ナクバの主力を担い、後のイスラエル軍となった。
 しかし今や、AFL―CIOがヒスタドルートを支持することで米国内でのパレスチナ連帯闘争を圧殺してきた構図は打ち破られつつある。昨年10月にパレスチナの労組が全世界に発したイスラエル向けの武器の製造・輸送拒否の呼びかけに、多くの労組が応えて行動を起こした。長年にわたりパレスチナ連帯の実力闘争を続けてきた国際港湾倉庫労組第10支部(ILWUローカル10)の組合員らも、地域の活動家や他の労組とともにイスラエルの軍用船出港阻止・荷役拒否闘争を担っている。カリフォルニア大学では今年5~6月、大学院生や研究者を組織するUAW4811の組合員3万人超がパレスチナ連帯ストに決起した。
 さらに、軍需企業ボーイングなどが参加したコーネル大学の求人フェア占拠、軍需工場前の占拠、米軍とイスラエル軍にクラウドサービスを提供するアマゾン社占拠など実力闘争が各地に広がっている。
 「パレスチナの正義と解放のための闘いは......奪われ搾取されている世界のすべての人々の解放のためのテコ」(パレスチナ労組の呼びかけ)だ。全世界で巻き起こるガザ大虐殺弾劾・パレスチナ連帯の闘いと結び、帝国主義を打倒する反戦闘争を組織しよう。

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