国の「原告適格なし」に反論 成田拡張差し止め裁判

発行日:

週刊『前進』04頁(3363号04面03)(2024/09/23)


国の「原告適格なし」に反論
 空港拡張差し止め裁判


千葉地裁民事第3部(岡山忠広裁判長)で9月13日、成田空港拡張差し止め裁判が開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟はこの裁判で国と成田空港会社(NAA)に対し、①暫定B'滑走路の2500㍍への延長(2006年)、第3誘導路建設(10年)の違憲・違法性を追及し、②「空港機能強化策」を掲げた施設変更許可(20年)により進められているB'滑走路の再度の延伸(3500㍍化)、第3(C)滑走路建設などの空港拡張工事の差し止めを求めている。
 被告の国は、反対同盟員に「原告適格がない」などとする反動的主張を述べてきた。反対同盟顧問弁護団は今回これに全面的に反論する準備書面を陳述した。原告の伊藤信晴さんは芝山町大里の白枡に1979年以来住み、土地の借地権と家の所有権を有している。白枡集落は第3滑走路建設に伴う「全戸移転対象」とされ、すでに生活に重大な影響が出始めている。「(伊藤さんが)いかなる財産権を有しているか明らかにしろ」などと求める国の姿勢こそが問題なのだ。
 国は、航空機運航を推進することは「公共の福祉を増進する」と強弁するが、住民が被る生活破壊、人格権への侵害が起きても関係ないという考えだ。そんな空港建設を進めてはならない。裁判でNAAと国に対して、空港とその機能強化が住民の命と生活を脅かすことへの根底的批判が突きつけられた。次回期日は12月24日、次々回は来年3月14日と確認し閉廷した。

このエントリーをはてなブックマークに追加