全学連大会 反戦闘争の爆発へ決戦態勢

週刊『前進』04頁(3363号03面01)(2024/09/23)


全学連大会
 反戦闘争の爆発へ決戦態勢

(写真 中国侵略戦争阻止へ、全学連新執行部を先頭として決意も新たに大会は打ちぬかれた【9月13日 東京都中央区】)

 9月12~13日に開かれた全学連第85回定期全国大会は、8・6広島闘争の鮮烈な勝利を頂点とする、実力闘争復権の先頭に立ってきた全学連の新時代を象徴する画期的大会となり、矢嶋尋委員長・齋藤晴輝書記長を先頭とする新執行部を確立した。

就任あいさつ 矢嶋尋委員長
全国300万学生の内乱的総決起を

 今大会の歴史的な成功を確認したいと思います。今大会の結論はただ一つ、今始まっている中国侵略戦争を絶対に阻止しましょう。この秋の反戦闘争の爆発から、首都中枢で巨大な反戦闘争、反戦デモを実現しましょう。そして、11・3全国労働者総決起集会に学生の大隊列を登場させましょう。
 私たちは誰も経験したことのない世界戦争、核戦争情勢に直面しています。帝国主義、スターリン主義が今ほど行き詰まって、戦争をやる以外に出口がないところにまで追い込まれたことはありません。アメリカと中国の戦争は必ず世界戦争、核戦争になる。これを全人生をかけて絶対に阻止しましょう。
 この中国侵略戦争との闘いは、帝国主義とスターリン主義を打倒する闘いです。私たちが立っているのは、核戦争で人類が滅ぶのか、それとも労働者が権力を取って新しい社会をつくっていくのか、この世界史の分岐点です。私たちはこの決定的な瞬間に、中国侵略戦争の出撃拠点である日本の学生として、全学連として闘っている。そしてこの戦争情勢と真っ向から対決する時代認識と路線を、ものすごい一致で持っている。ここに革命の圧倒的な現実性があります。この瞬間に、青年世代として生まれ、革命の主力を担う世代であること、これは困難であると同時にものすごくラッキーなことだと思います。
 全学連は戦後、一貫して反戦闘争を基本的な任務として闘ってきました。そのすべての歴史を引き継いで今闘わなかったら、1971年渋谷暴動闘争での星野文昭さん、大坂正明さんの闘いは無駄になってしまう。そして、大報復を百も承知で立ち上がったパレスチナ10・7蜂起も無駄になってしまう。過去から今までのすべてを引き継いで闘う責任と困難を、皆さんと一緒に喜びをもって引き受けていきたいと思います。
 私自身、今この激しい情勢の中で全学連委員長を引き受けるということは、これまでのどの代よりも重い責任があることだと思っています。戦時下の反戦闘争は犯罪にされますが、私たちは「連帯し、侵略を内乱へ」ということを断固として掲げ、弾圧も恐れずに闘っていかなければいけません。
 そして戦時下の弾圧を打ち破る力は、赤嶺前委員長のつくり出したこの安保・沖縄闘争の大衆的復権の中に、すでに圧倒的に生み出されています。「パレスチナで人が殺されているのに、逮捕なんて恐れているわけにはいかないんだ」(大会での発言)----これは、全世界の帝国主義に怒る労働者・学生の誰もが普遍的に持つことのできる決意です。実際に8・6広島闘争では、学生も労働者も中国人留学生も、女性もセクシュアル・マイノリティーも障害者も、本当に一緒になって逮捕覚悟で闘いました。
 私たち全学連はこの3年余り、中国侵略戦争阻止を大衆的に徹底的に訴えることと一体で、反差別の闘いの大前進を手繰り寄せてきました。とりわけ、「女性の政治と暴力の奪還」----女性が人類史上奪われてきた力を、運動全体の強烈な意識性のもとで取り戻し、人間の普遍的解放へ向かっていく路線を実践してきました。反戦闘争を闘う中で、女性をはじめ抑圧されている人たちの爆発的な、自己解放的な力が引き出されました。女子学生が解放的に実力闘争を闘う姿が、また新たな女子学生の決起を生み出し団結が拡大しています。
 今大会では新しい学生、新入生がものすごい一致と水準で、自己変革を決意しながら闘う決意を固めました。この大前進に私自身も勇気づけられているし、さらなる前進は間違いないと確信しています。
 8・6広島では、新入生や飛び入り参加者も一緒になって闘いました。権力は私たちのスクラムに一指も触れることができなかった。日比谷に、首都中枢に6千人を集めたら、労働者階級が権力を取っていくような闘いを本当に実現できます。11月に6千人を集め、労働者が戦争を止めて権力を取れる決定的な一歩を勝ち取りましょう。
 中国侵略戦争阻止の反戦闘争は、すべての人が主体になって闘える闘いです。そういう内実をもった闘いを全学連がつくってきたということは、新しい中央執行委員会の人事にも多分に表現されていると思います。ウクライナ戦争以降に全学連に結集した若い仲間たち、そして女性、セクシュアル・マイノリティー、この人たちが本当に反戦闘争の主体になって、リーダーになって、顔と名前を出して闘っていく。このことが、本当に新たな爆発的決起を引き出していくことは間違いないと思います。
 私たち全学連新執行部はこの闘いの先頭に立って、自分自身の飛躍と変革をかけて、全国300万の学生の内乱的総決起をつくり出す決意です。共に闘いましょう。

大会の発言から

女性の仲間たちの闘いに獲得されて決起
 首都圏新入生

 今年活動を始めました。私がこの短い活動の中で身をもって感じたのが、女子学生・女性が主体となって闘っていることです。
 私も最初は飛び入りとして2・24新宿反戦闘争に参加したんですけど、飛び入りの私でもスクラムの先頭でみんなと共に闘えて、発言もできて、街頭宣伝でもマイクを握り、主体となることができました。これができたのも、洞口朋子さん、矢嶋さんなど女性の仲間たちが闘いをつくり出してきたからだと思います。それに獲得されました。
 沖縄での少女暴行事件は、基地であり帝国主義が根源の性暴力事件だと議案に書いてあります。あるニュースで市民の女性が、「女性は弱者で、国家が守るべき存在なのに犠牲になっている」と言っていましたが、私はそれに反対の意見を持っています。女性は絶対に「弱者」や「劣った性」ではありません。女性は先頭に立って、男性と共に、労働者階級として闘うことができます。(ニュースで)そう発言をした女性も、既成左翼の運動などに絶望しているからだと思います。
 76年間もの抑圧を受けているパレスチナ人民と同じく、被抑圧民族は決して救済の対象ではなく、ずっと闘っている存在です。問われているのは私たちだと思いました。
 女性の解放・全人類の解放の展望を示しているのが全学連です。闘いで私が感じたことは、女性が奪還すべき政治と暴力は、プロレタリア革命のためにあるということです。そして闘えば勝てることを証明したのが辺野古の土砂搬入を阻止した5・15沖縄闘争、そして8・6広島―8・9長崎の闘争だと思います。参加して、本当に逮捕覚悟で闘わないといけないと思いました。
 11・3労働者集会、10・7新宿反戦デモに向けてがんばりましょう。

パレスチナ蜂起に応え逮捕覚悟で闘おう
 京都大学

 今年の全学連の闘いの出発点は、「反戦闘争としての反戦闘争を闘う」と確認した昨年の全学連大会でした。大会直後に10・7パレスチナ人民蜂起があって、この蜂起がイスラエルに大打撃を与えたのはそうですが、これは日本帝国主義の足下の学生・労働者に対して決起を促すものだったと思います。パレスチナでは女性も子どもも関係なく虐殺され、病院も襲撃される。そんな状況に対してわれわれが黙っていていいのか。
 そしてイスラエルの虐殺を支えているのはアメリカ帝国主義であり、日本帝国主義です。京都大学もテルアビブ大学と学術交流協定を結び、虐殺に加担している。それに対してどういう立場に立つのか。今の京大のあり方を粉砕して、反戦の拠点にするしかない。そういうものとして昨年の全学連大会以降の反戦闘争が闘われ、12月には京大で全国学生反戦集会を闘った。
 パレスチナだけではなく、ウクライナ、そして何と言っても中国侵略戦争が目前に迫っている。本当に一握りの、帝国主義の利益のためにわれわれが戦争に動員され、中国の労働者と殺し合わされる。こんなことは絶対に許せない。そう思っている人は僕だけじゃない。多くの人が今年の闘争に集まってきた。
 戦争を止めるためなら逮捕なんか安いものなんだ。パレスチナで、命がけで立ち上がっている人たちがいる。それに対して、われわれが逮捕覚悟で人生かけて立ち上がるかどうかが問われ、8・6広島闘争が闘われた。学生に比べたら圧倒的にリスクがある労働者も決起した。反戦闘争は、逮捕・処分覚悟じゃないと闘えないんですよ。そして人生をかけて学生・労働者が集まったら戦争を止めることができる、このことが示されたと思います。
 逮捕・処分を粉砕し、10・7新宿反戦闘争、そして11月集会に学生200人、全体6千人を勝ち取っていきましょう。

国境越え共に排外主義・愛国主義と闘う
 中国人留学生

●Aさん
 方針議案に、スリランカ人のウィシュマ・サンダマリさんを含めて、1993年から現在までに入管局で殺された人が少なくとも26人とあります。殺された人のほとんどがマレーシア人、スリランカ人、タイ人、中国人、ベトナム人と、東南アジアの労働者です。日本が豊かな国だと思ってビザを取って、資格も持っているのに、小さな罪で入管局が捕まえて、収容所で殺されます。26人の多くが、収容所内での職員による暴力や医療放棄、強制送還中の航空機内での窒息死など、すさまじい死に方でした。
 ウィシュマさんの映像もいまユーチューブで見られますけど、水を飲もうとしても、職員があげない。食べ物を食べることもできない。入管局がそのような厳しい管理をしているのに加え、日本語学校の留学生でさえも、小さな罪で留学資格を取り消されることもあります。
 今の日本では排外主義がかなり進行しています。私は奴隷制みたいな入管制度は解体したいと思います。
●Bさん
 現在の中国人は広島の原爆に対して深い誤解を抱いています。「原爆が戦争を終結させた。正義の行為だ」という考え方を持つ中国人が少なくない。このような誤解を解消し世界に伝えることは日本の左翼や在日外国人の責任だと思います。まさにそのために8・6ヒロシマ大行動は私にとって特別な意味を持っていました。
 中国人の誤解は、今の中国共産党や習近平の民族主義・愛国主義の宣伝のせいです。反スターリン主義の闘争が重要です。みなさんは現在の新左翼の中で最も活発な勢力として、日本の革命的な左翼の代表とみなされています。中国の左翼も注目しています。
 どうぞ続けてください。私も今後の留学生活でみんなとがんばりたいと思います。

委員長退任あいさつ
 赤嶺知晃さん

 世界戦争か世界革命かという時代に、全学連委員長を担えたことは本当に幸せなことだと思っています。2021年に私が委員長になってからは、世界戦争・核戦争に日帝が主体的に参戦していく過程でした。労働者階級の怒りを体現して闘う中で、仲間と団結してあらゆる困難を突破してきました。
 21年の大会を前後する過程は、矢嶋さんや齋藤さんをはじめ、今の全学連をけん引する仲間がコロナ下で結集し始めた時期でもありました。矢嶋委員長は戦争反対の階級闘争を体現し、すでに多くの学生をけん引しています。そして齋藤書記長は、私と一緒に絶対に沖縄闘争、階級的な反戦闘争をつくろうと立ち上がった人格です。この2人のもとで、日本の学生や世界の労働者階級は本当に力いっぱい闘えると思います。
 この大会には、日本の反戦運動・学生運動、そして社会を根本から変える運動のリーダーが集まっています。人類を何回も絶滅させるような世界戦争・核戦争で延命を図る帝国主義、何よりも日帝への主体的な怒りを燃やして闘いぬくことがますます問われています。そういう決意があふれかえる大会になった。ここに社会を変える展望を感じました。
 今こそ、人生をかけて戦争絶対反対で闘うべき時代です。反戦闘争にはその価値があります。8・6広島で示したように、私たちの闘いが情勢を一変させる。ここまでたどり着いたことを本当にうれしく思います。11月集会へ、反戦闘争に次ぐ反戦闘争を展開していきましょう。

大会参加者の感想

人間解放へ決意
 京都大学

 これまでは、運動体の障害者解放の取り組みについて疑問を持っていたんですけど、全学連大会に参加してそうしたものについて払拭(ふっしょく)できたことが大きいです。1日目に障害者解放について関心のある同志と討論をして、2日目も活発な討論ができました。
 また女性解放などについても、自身のだめな所を切開して自己批判することもでき、反戦闘争を闘うということが全人間の解放になるということを、皆さんにも訴えたいと思います。

女性解放の先頭で
 京都大学

 女性解放でありセクシュアル・マイノリティー解放が中心に位置づいた大会だったと思います。
 自分が全学連に獲得されたきっかけが女性解放闘争でした。この間の女性解放の取り組みにすごく獲得されてやってきたんですけど、それを体現する議案だったし、そうした議論だったと思いました。自分より年下の女子学生の決起とか、セクシュアル・マイノリティーの仲間の決起を断固支えぬくと決意してくれる男性の仲間の決起を微力ながらつくり出してこれた自負もあるし、これからも先頭に立ってつくり出していきたいと決意した大会でした。

学生の力を感じた
 首都圏

 初参加です。全国から集まった学生・青年労働者が、今まさに世界戦争に突き進む情勢の中で、見解を一致させて、人生をかけて、全存在をかけて戦争を止める決意にあふれ、団結した大会でした。特に学生の力を本当に感じました。

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