十亀弘史の革命コラム-21- 闘う現場に社会変革の力

週刊『前進』04頁(3362号04面03)(2024/09/16)


十亀弘史の革命コラム-21-
 闘う現場に社会変革の力

 こんな連中ははやく消えてほしい。自民党総裁選のニュースを目にしながら、強い怒りと嫌悪感をもって、そう思っている人は無数にいるはずです。立候補者たちは戦争への志向を競い合っています。例えば河野太郎のキャッチフレーズは、「有事の今こそ、河野太郎 国民と向き合う心。世界と渡り合う力。」です。「有事」とはいま中国への侵略戦争の開始を意味し、「世界と渡り合う」とは、具体的には「防衛力を持っているだけではだめ。いざとなったら使う」(昨年8月の台北市での麻生太郎の講演)ということに他なりません。「国民と向き合う」は、遠慮なく戦争に動員していきますよ、の別表現でしょう。
 小泉進次郎は記者たちの前で、「自衛官が誇りをもって、任務を遂行できることは極めて重要」として改憲への意思をあらわにし、「軍事オタク」という石破茂は同じく憲法への自衛隊の明記を主張しています。極右の高市早苗や文字通り「鷹」派の小林鷹之らは言うまでもありませんが、他の候補たちも、改憲し、戦争に備えようという主張は全く同じです。そして、アメリカ大統領選ではカマラ・ハリスが、むしろトランプより明確に、具体的に、アメリカの軍事力による世界支配を扇動しています。
 しかしマスメディアは、そのような総裁選と大統領選を、まるでその二つの選挙で日本と世界の全てが決まるかのように、連日、はやし立てています。〈政治〉なんてそこにしかなく、他にはなんの問題もない、とでも言いたいかのようです。それらの報道は、米日による中国侵略戦争への深々とした踏み込みを覆い隠す役割を果たし、政権の広報係となっています。
 もちろん、日本と世界の未来を決める力は、国会議事堂や、議員会館の会議室や、政権党や現状の野党の党本部や、あやしげなパーティー会場などにはありません。その力は、労働現場と学園と街頭にこそ遍在しています。
 8・6原爆ドーム前実力闘争の圧倒的な勝利が、それらの現場のどこでも反戦=革命の力として、新たな躍動を開始しています。その力は、今は小さくても、帝国主義の本質、階級社会の根本矛盾を捉えている限り、最も現実的な社会変革の力として、大きく発展します。戦争を阻止するのは自国帝国主義を打ち倒すその階級闘争の前進です。11・3労働者集会と大行進デモで、世界の労働者と共にその力を爆発させましょう。
(そがめ・ひろふみ)
2024.9.16

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