9・22横須賀闘争へ 安保粉砕・基地撤去へ闘おう 横須賀を「原爆ドーム前」に

週刊『前進』04頁(3361号03面01)(2024/09/09)


9・22横須賀闘争へ
 安保粉砕・基地撤去へ闘おう
 横須賀を「原爆ドーム前」に



(写真 「空母母港化反対・基地撤去」を訴えた昨年10月1日の横須賀デモ)


 米日帝国主義の中国侵略戦争を許すな! 9・22横須賀闘争に大結集し、安保粉砕・基地撤去を掲げ大デモに立とう。横須賀は、沖縄や横田と並ぶ中国侵略戦争の最大の出撃基地、戦争指揮の拠点だ。9・22横須賀闘争は安保・沖縄闘争を爆発させ、何より5・15沖縄闘争、8・6広島闘争の地平を拡大・発展させる闘いだ。戦争に対して一歩の後退も許されない。警察権力・右翼の闘争圧殺を打ち破り、戦争に反対する怒りの大結集をかちとろう。横須賀中央駅前広場を「原爆ドーム前」に! 9・22横須賀闘争で「侵略を内乱へ」の闘いを切り開こう。

米日帝の海上戦力が集中

 横須賀は米国最大の艦隊である第7艦隊が司令部を置き、米国外に存在する唯一の米空母の母港だ。米第7艦隊は戦時には戦闘艦60隻、航空機350機、兵員6万人を運用する。1973年の空母ミッドウェーの強行入港以来、空母の海外母港としての既成事実が積み上げられてきた。そして、大規模改修を終えた「ジョージ・ワシントン」が「ロナルド・レーガン」に代わって今年中にも再配備される。
 一方で、横須賀は明治以降の日本帝国主義の形成を支えた「軍都」でもある。戦後は海上自衛隊発足と同時に自衛艦隊を置いた。その司令部は横須賀基地内にある。自衛艦隊司令部は、戦時には護衛艦隊約50隻、航空集団約190機、潜水艦隊22隻に加え掃海隊群などを指揮し、兵員約4万人を運用する。米第7艦隊に引けを取らない兵力だ。空母に改修されている「いずも」「かが」、さらに全国8隻のイージス艦も戦時には自衛艦隊司令部が指揮するのである。
 重大なのは、来年度にも狙われる海自イージス艦への巡航ミサイル・トマホーク(射程1600㌔メートル)配備だ。「トマホークはもともと米軍の装備なので、さまざまな形で日米連携が行われていく」(自衛隊統合幕僚長・吉田圭秀)、「日米がそれぞれのトマホークで同じ目標に攻撃を行うことはシステム上は可能だ」(前海上幕僚長・酒井良)と、自衛隊は米軍と一体となった先制攻撃の構えを隠そうともしていない。
 ロシアはウクライナ国境に10万人の兵力を結集しウクライナ戦争を開始した。日米両軍は海軍力だけで10万人、陸・空・米海兵隊を合わせるとさらにすさまじい軍事体制を中国に向けてとっている。さらに北大西洋条約機構(NATO)諸国と一体となって中国を包囲する形で軍事演習を繰り返し強行している。中国侵略戦争は、すでに始まっているのだ。

対中国の共同前線司令部

 4月日米首脳会談--7月日米外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)は、日米同盟の中国侵略戦争・核戦争遂行同盟への大転換点となった。重大なことは、これまで作戦指揮権を持たなかった在日米軍司令部(米空軍横田基地)に、米インド太平洋軍司令部(ハワイ)の持つ権限の一部を付与した「統合軍司令部」の新設を合意したことである。今年度末までに日本が設置する、陸海空自衛隊を率いる「統合作戦司令部」のカウンターパート(対等な立場にある対応相手)になり、部隊運用や作戦立案で自衛隊と連携させる。正規軍同士の統合運用は、戦争の国家目標や戦略目的を一致させることが前提だ。米日帝は中国侵略戦争を決断し、ついに戦争遂行のための共同の前線司令部を設置する段階まできた。
 2019年5月、来日した米大統領トランプ(当時)は、海自横須賀基地に停泊した「かが」に乗り込み、「横須賀は、米海軍と同盟国の艦隊が並んで司令部を置く世界で唯一の港だ」と横須賀の重要性を強調した。横須賀は戦争出撃拠点のみならず、「指揮統制の連携強化」が劇的に進行する今日、日米が海上戦力を一元的に指揮する中国侵略戦争突入の戦争指揮の一大拠点なのである。すでに安保戦争法による米艦防護を皮切りに、日米一体で運用するトマホーク配備、「いずも」「かが」への米軍F35Bの発着などが進む。空母化した海自艦が米軍戦闘機を搭載して中国に向かっていくことが明白に想定されているのである。8月31日、「いずも」が初めて沖縄県石垣島沖に停泊したことは極めて重大だ。

核兵器の搬入・貯蔵を許すな!

 日米2プラス2と一体で開催された「拡大抑止」閣僚級会合によって、核戦争は現実に差し迫る脅威となった。これは、「アメリカの核兵器と日本の通常兵器の組み合わせ」による中国への核攻撃計画を策定するということである。
 アメリカは、「核戦力の3本柱」の一つとして、太平洋側の拠点であるワシントン州キトサップ海軍基地に配備されているオハイオ級戦略原子力潜水艦のうち何隻かに低出力核(W76--2、5㌔トン級。広島型原爆は16㌔トン級)を常時搭載し即応体制をとっている。米軍の核戦力の7割が戦略原潜に搭載されている。当然、中国への核攻撃となれば、周辺海域の敵潜水艦の哨戒や戦略原潜の護衛を、横須賀の自衛艦隊司令部隷下の海自潜水艦やイージス艦などが担う。横須賀が中国への核攻撃の拠点になる。また、B52戦略爆撃機への核爆弾搭載訓練は模擬弾を使って日々続けられており、空母艦載機への核ミサイル搭載のために横須賀への核搬入・貯蔵が行われる可能性も大きい。日米安保体制とは歴史的に核密約と表裏一体であり、その本質は核同盟なのだ。

自衛官は侵略の銃握るな

 米海軍横須賀基地は、ベトナム侵略戦争、1980年韓国・光州蜂起に対する空母ミッドウェー緊急出動、90年湾岸戦争、アフガニスタン--イラク侵略戦争で出撃拠点となってきた。米帝の没落と戦後世界体制の崩壊のなかで、米帝のアジア支配と世界中の民族解放・革命戦争圧殺の中枢であり続けた。そして今、米帝は大没落のなかで中国スターリン主義を打倒する戦争にアジア支配・世界支配をかけて突き進んでいる。しかもこれを「要は日本」(米戦略国際問題研究所)として、「最弱の環」=日帝を位置付けて行わざるを得ない。中国侵略戦争阻止の反戦闘争は、破綻する帝国主義支配の根底からの打倒をかけた決戦だ。
 民主党の米大統領候補ハリスは22年9月の訪日時、横須賀基地で米軍人を前に「皆さんの活動が......米国人労働者や米国企業を支えている」「台湾の自衛を引き続き支援する」と述べた。米帝の延命をかけた中国侵略戦争と米帝資本の利益のために横須賀基地があるということだ。
 裏金にまみれた自民党も、巨額の軍事費を注いで自衛官の命を浪費しようとしている。どうしてこんなやつらのために命を失わねばならないのだ。自衛官諸君! 侵略の銃を握るな!
 横須賀において反基地闘争の先頭には教育労働者・自治体労働者が立ってきた。この全歴史を継承し、横須賀闘争のなかで階級的労働運動を甦(よみがえ)らせよう。戦争突入下、出撃拠点・戦争指揮拠点での労働者のストライキこそ、戦争を止める力である。沖縄での女性暴行事件を絶対に許すな。沖縄の闘いと連帯して9・22横須賀闘争の爆発をかちとり、10・7蜂起1周年パレスチナ連帯闘争、そして11・3全国労働者集会--改憲・戦争阻止1万人大行進に立とう。
〔革共同神奈川県委員会〕

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