体制打倒まで闘う反戦闘争を 革共同議長 清水丈夫

週刊『前進』04頁(3361号02面02)(2024/09/09)


体制打倒まで闘う反戦闘争を
 革共同議長 清水丈夫


 革共同が確立した中国侵略戦争阻止というスローガンを中心に据えて闘っていくことが、ものすごく重要だと思います。それを完全に自分自身のものにして提起していく、提起できるようにするということです。 その上で、われわれが1960年代、70年代に帝国主義の侵略戦争、ベトナム侵略などと闘った反戦闘争と、帝国主義の矛盾の大爆発としての戦争と闘う現在の反戦闘争とを、しっかり区別することが大事です。
 今や帝国主義もスターリン主義も行き詰まり、戦争する以外にないところに来ています。ウクライナやガザでの戦争は、アメリカ帝国主義の中国侵略戦争の路線がはっきりしたことを基礎としています。中国侵略戦争が現実に具体化してきたということは、米帝と中国スターリン主義が真正面から激突するということです。世界戦争・核戦争が避けられないような大変な戦争が、目の前で進行し始めた。これに対して反戦闘争を闘うというのは、ものすごく大変な問題です。帝国主義が、あるいはスターリン主義が生き残るために世界戦争に突入するしかなくなっている。これに真っ向から反対することは「平和」一般の問題、あるいは「戦争を阻止したい」というだけで済むような問題ではない。帝国主義の打倒、スターリン主義の打倒と結びついていかざるを得ない。
 われわれが米中の決戦情勢の中で反戦闘争を徹底的に大きくしていけば、帝国主義やスターリン主義と激突する以外に前進できなくなる時が絶対に来ます。帝国主義とスターリン主義の体制をひっくり返すという大変な課題、革命・世界革命が現実化することです。極端に言えば、党は基本的に革命をかちとることまで目指さなければならないわけです。反戦闘争が体制を打倒することを抜きにしては成立しないような時代に突入したということです。それは良い悪いの問題ではありません。反戦闘争の徹底的な拡大とは、すごく重要な革命路線だということです。
 こんな素晴らしい情勢はめったに来ません。この時代に生を受け、闘う人間であることは非常に幸せである。徹底的に闘って、生き抜いて、打倒する。それ以外に人生はない。僕もこの情勢を迎えられたことが幸せだと思っています。皆さんと一緒に徹底的に闘いたい。徹底的に闘い抜くと楽しくなるんですよ。そういう闘争として反戦闘争を大爆発させていくことも必要だと思います。
 反戦闘争を大爆発させていくために、労働者階級をどう組織するのかが、非常に大きな課題として出されている。党と労働組合の関係についての革共同の考え方、マルクス主義、レーニン主義の基本的な考え方を、ここで確認したいと思います。
 マルクスは1860年代、一方で『資本論』第1巻の刊行(67年9月)に力を入れ、共産主義論の完成をめざし、実践的には国際労働者協会(第1インターナショナル)を組織し指導します。当時の労働者階級の闘いにおける労働組合運動の重要性を確認します。『賃金・価格・利潤』や「労働組合―その過去・現在・未来」などが主な提起です。
 ここでマルクスは「賃労働と資本」の関係について、労働力の商品化を軸として、本質的に賃金奴隷制であることを暴露し、次のように言っています。「労働組合は資本の侵害に対する抗争の中心として、立派に作用する。その力の使用がよろしきを得なければ部分的に失敗する。それは現行制度の結果に対するゲリラ戦に専念して、それと同時に現行制度を交代させようとしないならば、その組織された力を労働者階級の究極的解放すなわち、賃金制度の究極的廃止のためのてことして使用しないならば、一般的に失敗する」(『賃金・価格・利潤』)
 71年3~5月、マルクスの革命論に決定的な衝撃を与えたのはパリ・コミューンでした。マルクスは『フランスの内乱』で、これについて総括しています。パリ・コミューンは敵権力を打倒し、プロレタリア独裁を史上初めてつくりだしました。総括のポイントは、革命的・意識的に指導する革命的労働者党の欠如であったということです。マルクスはこのあと数年かけて『資本論』の内容を踏まえ、パリ・コミューンの総括を踏まえて、プロレタリア革命論と本格的なプロレタリア党の建設をかちとるべく『ゴータ綱領批判』を書ききった。しかし第2インターは、エンゲルスありしときは社会民主党の建設、反政府闘争において一定の前進を示しましたが、帝国主義段階への突入の中でカウツキー主義のもと腐敗し崩壊しました。
 レーニンは帝国主義論を確立し、帝国主義を資本主義の最高の発展段階ととらえるとともに、戦争の時代を革命の時代、革命前夜の時代としてとらえきりました。マルクスの革命論の最高到達地点として『ゴータ綱領批判』を真っ向から『国家と革命』として受けとめ、革命の戦取・権力奪取から逆算して革命的労働者党の目的意識性と前衛性を徹底的に確認した。そして、労働者階級とりわけ労働組合に根をはり、細胞を建設し、単一の組織原則をもつ革命党としての統一方針のもとに動くことを強力に確認したのです。
 労働者階級の中に細胞をつくり、革命的共産主義者の結集体として統一された力で労働者階級の闘い、とりわけ労働組合運動の先頭に立ち、経済闘争を圧倒的に前進させるとともに、党と一体となっての政治闘争の強力な牽引(けんいん)力として労働者階級の力を引きだす。『なにをなすべきか?』を土台とし、「プラハ協議会」の路線をもって党が先頭に立って労働運動を強力に発展させる。こうして「帝国主義戦争を内乱へ」を労働者階級を主力とする闘い、労働者階級自身の事業として革命をかちとるということです。
 だから「反戦闘争を徹底的に闘うことは、労働組合ではできない」なんていう話ではない。党と労働組合が一体となって、特に反戦闘争は、改憲・戦争阻止!大行進のような形をとって徹底的に闘う。むしろ反戦平和は、労働組合の「いろは」の「い」です。動労千葉の故・中野洋顧問が昔、動労で「おまえら職場闘争なんか10年早い。反戦闘争をやれ」「反戦青年委員会をちゃんとやれ」と指導したと語っていました。党と労働組合が一体となって全力を挙げて反戦闘争を闘うという方針を、一点の曇りもなく実現するものとして確認してほしいと思います。
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