福島で反戦反核集会 希望の牧場・吉沢さんが講演 汚染水放出1年

週刊『前進』04頁(3360号04面03)(2024/09/02)


福島で反戦反核集会
 希望の牧場・吉沢さんが講演
 汚染水放出1年

(写真 フクシマの怒りを束ねて汚染水放出阻止、反戦・反核を全力で訴える市内デモを打ちぬいた【8月23日 福島市】)

 8月23日、3・11反原発福島行動実行委員会は、福島市で第2弾となる福島反戦・反核集会&デモを渾身(こんしん)の力で打ちぬき、40人が参加した。
 集会は、8・6広島―8・9長崎闘争の勝利を受けて、中国侵略戦争・世界核戦争に突き進む自国政府打倒の反戦闘争を推進することをより明確にした。特に8・6朝の原爆ドーム前集会を実力でかちとった迫力が、岸田を退陣に追い込み打倒したのだ。
 集会の第1部は希望の牧場・吉沢正巳代表の講演会。吉沢さんは、2011年3月11日の震災発生直後の緊迫と不安、絶望の中で、被曝牛と向き合いながら「命」の問題に直面したさまをリアルに語り、全原発廃炉への強力なアピールを発した。また、シベリア抑留からの帰還者である父親の痛苦な歴史を顧み「(戦争反対の)実力闘争が必要だ」と語った。
 第2部の福島反戦・反核集会で、主催者あいさつに立った実行委共同代表の椎名千恵子さんは「フクシマの怒りを束ね戦争絶対反対を貫こう」と強く訴えた。基調報告を実行委事務局長の長沢宏さんが行い、8・6広島闘争の大勝利とその限りない発展性を示し、11月集会6千人結集を力強く呼びかけた。5人の闘う仲間の発言を受け、閉会あいさつに立った実行委共同代表の鈴木光一郎さんは「反戦・反核の核心に迫る感動的集会になった」とまとめ、団結ガンバローで締めくくった。
 昨年8月24日の福島第一原発の放射能汚染水の海洋放出から1年。国・東京電力はすでに6万3千㌧もの汚染水を海に投棄した。トリチウム総量は10兆2千億ベクレルにおよぶ。
 その間、福島をはじめ、全国・全世界からの放出反対の声は絶えることはなかった。全てが踏みにじられてきた。汚染水放出は核・原子力政策推進の突破口に位置づけられている。米日帝国主義による中国侵略戦争・世界戦争・核戦争情勢が深まる中で、反戦闘争の爆発と一体で汚染水放出阻止闘争への広範な決起をつくり出さなければならない。
 今年8月22日、東電は福島第一原発2号機の燃料デブリの試験的な取り出しに着手した。しかし、機器設定の間違いから失敗に終わった。1カ月あまり間違いは放置されていた。「初歩的ミス」として下請け労働者に責任が転嫁されているが、東電が発注し三菱重工が受注、複数の下請け会社が作業を行う中で、現場に責任を取るべき東電社員は一人もいなかったのだ。一切の責任は国・東電にある。多重請負による安全原則の解体から、重大事故も発生している。被曝を強制されるのは下請け労働者だ。
 集会後は直ちに、汚染水放出阻止、反戦・反核を全力で訴える市内デモに打って出た。デモ隊に若者たちが拍手を送り、こぶしを振り上げ応えてくれた。秋の決戦に向け、新たな出発点を切り開いた。
(3・11反原発福島行動実行委員会 安斎則夫)
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