8・6大行動、市を追撃 過料支払い命令許さぬ
週刊『前進』04頁(3360号03面02)(2024/09/02)
8・6大行動、市を追撃
過料支払い命令許さぬ
(写真 8・6ヒロシマ大行動が、8月6日の原爆ドーム前集会の弾圧に抗議し、広島市緑政課で松井市長への申し入れを行った【8月21日 広島市】)
8・6ヒロシマ大行動は8月21日、6日の原爆ドーム前座り込み集会に対する広島市の不当な「退去命令」及び広島県警への「排除要請」の反戦反核集会弾圧に抗議し、広島市緑政課で松井一實市長への申し入れ(要旨別掲)を行い記者会見を開きました。
緑政課長は退去命令の根拠について、「他の利用者の慰霊や通行の妨げ」などと主張しました。しかし、実際に平和公園内の通行の妨げをしていたのは私たちの座り込みではなく機動隊の阻止線と鉄柵です。そもそも平和公園で座り込みをしている私たちに対して「何から何を」警備していたのか? 戦争に突き進む岸田や虐殺者イスラエルを「反戦反核のヒロシマ」から「警備し」「守って」いたのではないのか?
また、法的根拠すらない退去命令に従わなかったことが公園条例の違反だというペテンです。さらには5万円以下の過料で最大の5万円を請求していることについて「市の退去命令に従わなかったから重大だ」と述べました。「公園の設備を破壊する」といった公園条例の禁止事項よりもはるかに重いと言うのです。
逮捕も覚悟で5日夜から徹夜の座り込みを行い、原爆ドーム前の集会をかちとった勝利者である私たちの迫力を前に、答えに窮した緑政課長らは、とうとう「平和公園は墓地だ」「聖地なんだ」などと口走り、6日の午前5時から9時は平和式典と慰霊以外は認めないと、今までになかった説明をし始めました。「今回の規制は反戦反核集会禁圧だ」という批判に対し、「それは違う」と言い逃れてきた職員たちが、その本質を明らかにしたのです。この不正義性ゆえに、緑政課職員は現場で退去要請の説明もできず、警察権力も排除できなかったのです。
その後の記者会見では、今回の公園条例違反での「5万円の過料の支払い」(この条例ができて以降史上初めての過料請求とのこと)に対して徹底的に争うことを明らかにしました。
また同日、急きょ記者会見を開いた松井市長は、「安全対策を講じたことで式典を円滑に開催できた」などと総括する一方で、8・6ヒロシマ大行動には「再三、退去を命じたが事態は変わらなかった。この団体への対策を講じていかなければいけない」「県警と検証して、対策を検討していきたい」と宣戦布告してきました。今年の8・6闘争の歴史的勝利から直ちに来年80周年の8・6に向け、新たな闘いの火ぶたが切られたのです。8・6ヒロシマ大行動は、11月集会の6千人大結集へ力の限り闘っていきます。
(8・6ヒロシマ大行動実行委員会 伊豆ハルミ)
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松井市長への申し入れ文 (要旨)
8・6ヒロシマ大行動実行委員会が呼び掛けた平和公園原爆ドーム前での反戦反核座り込み集会に対する、広島市公園条例に基づく過料5万円の支払い命令、及び広島県警への排除要請は反戦反核運動に対する不当な政治弾圧である。この不当な弾圧に厳重に抗議し、以下申し入れる。
1、8月6日に原爆ドーム前で反戦反核を掲げて座り込みをすることはあらゆる意味で正義の行動であり、これを公権力によって取り締まることはあらゆる意味で不正義である
日米2プラス2で中国侵略戦争のための「拡大抑止協議」が行われ、核戦争が切迫している時、8月6日の原爆の日に市民が核戦争反対の声を上げること、ガザ大虐殺の実行者イスラエル代表の招待に抗議の声を上げることは当然のことである。平和公園での座り込みは被爆者を中心に長年行われてきた。これを取り締まること自身、ヒロシマの心である「絶対にヒロシマ・ナガサキの惨禍を繰り返させない」という思いと行動に敵対するものである。
2、市が県警に排除要請したにもかかわらず県警が排除できなかったことに、広島市の退去命令、排除要請の不正義性が現れている
県警が排除できなかったのは、市の要請があまりにも不正義だからである。
3、イスラエル招待、立ち入り規制に現れた今回の式典のあり方は間違っており、だからこそ破綻した。今後一切このような規制をするべきではない
イスラエル招待への怒りと、立ち入り規制によって式典参加者は激減した。広島の平和記念式典が「戦争式典」であったことがますます鮮明となった。
4、退去命令に従わなかったから過料としているが、退去命令の根拠が示されていない
広島市は8月6日に発布した告知書において私たちの座り込みが「退去命令に従わないため」広島市公園条例「公園の管理に支障があると認められる行為をすること」に違反していると主張して過料5万円の支払いを命じている。しかしその根拠も正当性も当日を含め全く説明がなかった。
5、「公園の管理に支障がある」としているが、支障をきたしたのはむしろ機動隊の規制
公園は自由使用が原則である。私たちの座り込み以外の場所を他の公園利用者が通行することに何の支障もなかった。妨害していたのは、広島市による手荷物検査ゲートの設置及び、県警機動隊による周辺の封鎖、通行規制であった。
6、市の発表した規制は逮捕の脅しで服従を強制し、警察力での強制排除ありきで準備されていた。絶対に許されない
2月28日の5人の仲間のでっち上げ逮捕=広島暴処法弾圧も、逮捕の威嚇で8月6日原爆ドーム前集会をつぶそうとした政治的弾圧であることがより明確となった。命令と逮捕の脅しで警察権力の暴力で排除しようとした市の姿勢は許されない。厳重に抗議する。
8月21日
8・6ヒロシマ大行動実行委員会