自治労大会に向けて訴える 改悪地方自治法と対決し戦争動員拒否する闘いを

週刊『前進』04頁(3359号02面01)(2024/08/26)


自治労大会に向けて訴える
 改悪地方自治法と対決し戦争動員拒否する闘いを


 8月29~30日に千葉市内で自治労定期大会が開催される。戦争法として成立した改悪地方自治法の9月26日施行直前の重大な大会だ。自治体労働者は中国侵略戦争準備に協力し戦争に加担するのか、それとも戦争反対を貫き戦争動員を拒否してストライキで闘うのか。「二度と赤紙を配らない」決戦の時が来た。8・6広島闘争を引き継ぎ、全国の組合員に反戦闘争への総決起を訴えよう。

8・6闘争が情勢変えた

 私たちは広島・長崎で圧倒的勝利をかちとり歴史的な地平と展望を開いた。岸田政権は広島で反戦を訴える人々を被爆者も含めて原爆ドーム前から追い出し、核戦争への一歩を進めようとした。しかし私たちの実力の座り込み闘争がそれを破綻に追い込んだのだ。
 岸田は4月の日米首脳会談、7月の日米外務・防衛閣僚会合(2プラス2)で日米安保の歴史的転換に踏み込み、帝国主義の側からの決戦として8・6広島闘争の圧殺を構えた。しかし彼らは労働者、被爆者の強い怒りと「二度と過ちは繰り返さない」という意志を理解できない。国家暴力による脅しで労働者を黙らせることはできない。怒りはますます充満するのだ。
 岸田、松井一實市長と共に立憲民主党や日本共産党、自治労本部―広島県本部―自治労広島市労働組合の幹部たちはこの真実から目を背け、8・6平和公園封鎖・原爆ドーム前集会禁止のための条例制定・市議会決議と、市職員の当日未明からの集会妨害=戦争動員そのものに反対することなく手を貸そうとした。
 しかし市職内から決起が始まった。何人もの仲間が名前を連ねて反対の申し入れ行動に立ったのだ。市職員に激震が走った。その主張は、広島で生まれ育ち、市の職員の誇りとしてきた「反戦」という生き方であり、まったくの正義だからだ。8・6闘争後、市役所の中で大きな変化が起こっている。決起した仲間が職場に行くと、緊張する人やまともに目を合わせられずうつむく人がいる一方、笑顔を向けてくる同僚も多く出てきた。戦争絶対反対で闘う労働組合再生の展望が生まれているのだ。
 私たちは大きな勝利と共に、戦争推進勢力に転落した連合・自治労本部打倒の展望を握り締めた。8月29日からの自治労大会は「反戦・反核」をめぐって大きな分岐をつくり出す絶好の構図となった。「二度と戦争動員をしない」自治労の組合としての闘いの方針をしっかり受け継ぎ、圧倒的多数の労働者の先頭で闘いを進めていく覚悟だ。今こそチャンスだ。全国の自治労組合員に訴えよう。

自治体めぐる決戦に突入

 改悪地方自治法施行を前に、全国で反戦・反基地闘争が激化している。日米共同声明での「米軍大型艦船の日本での補修、米軍による自衛隊施設および民間空港・港湾の利用促進」とは全国の自治体が管理する空港・港湾が日米の戦争拠点化の対象となるということだ。沖縄・辺野古新基地建設と琉球弧の軍事要塞(ようさい)化、発生以来8カ月となる能登半島地震に対する政府の復旧・支援の放棄・切り捨て——。地方自治法改悪が中国侵略戦争に向けた戦争国家化・総動員体制づくり以外の何ものでもないことは明らかだ。
 政府は昨年、全国38カ所の民間空港・港湾を「特定利用空港・港湾」の候補としたが、多くの自治体の反対で7道県の16カ所の指定にとどまった。すでに指定された港湾では喫水の深い軍艦の接岸、部隊と武器・弾薬・燃料の搬入、艦船の補修などを可能とするための港湾・埠頭(ふとう)の掘削・整備などが始まっている。横浜ノースドックでの米軍小型揚陸艇部隊の運用開始、横須賀の米原子力空母の永久母港化、京都・舞鶴港や広島県呉市の軍事拠点化、佐賀空港へのオスプレイ配備などの動きが急速に進行し、全国に拡大されようとしている。
 今後、予定人員の半数しか集まらない自衛官の募集促進のための青年の名簿の自衛隊への提供や、自治体職員の直接の軍事派遣・動員などが攻防の焦点となっていく。自治体労働者にとっては、日帝の戦争の手先になるのか、戦争絶対反対・戦争動員拒否で闘うのかが真っ向から問われる決戦情勢に入った。

9・1「首都防衛」軍事演習を許すな

 東京都と板橋区、陸上自衛隊練馬駐屯地部隊が連携する9・1「総合防災訓練」=治安出動演習をめぐる闘いが重大化した。
 小池百合子都知事は都知事選以来の「首都防衛」を掲げた。中国侵略戦争下の「帝都防衛」だ。小池は1923年関東大震災時に軍と警察、自警団が凶行した朝鮮人・中国人大虐殺の歴史を認めず追悼文を出すことを拒み続けている。それと一体で、現下の中国侵略戦争準備のために都・区の職員を動員して自衛隊の治安出動に連携させる演習を9・1に実行しようとしているのだ。
 8・6で問われた戦争動員の攻撃が、より直接的な形で都・区の労働者にかけられている。広島決戦に続く東京決戦の始まりだ。9・1当日は、改憲・戦争阻止!大行進から練馬駐屯地デモと錦糸町・亀戸反戦デモが呼びかけられている。断固、闘おう。

ストライキで戦争阻止を

 1月、5月の自治労中央委員会では、地方自治法改悪案の成立阻止へ組織の総力で闘う方針を求める意見が多数出た。しかし本部は組織を挙げた反対闘争方針を出さずに「法案の修正」を求める議会工作に切り縮め、「地方の意見を聞き調整を図る」付帯決議を「成果」と称賛して改悪地方自治法成立に手を貸した。
 総務省は8月5日、改悪地方自治法の成立によって緊急時の「おそれ」の段階での閣議決定による「指揮権」発動が可能になったとする通知を地方自治体に送付した。大地震や感染症に「おそれ」の段階などない。戦争が最初から想定されているのだ。自治労本部は今大会議案でも、改悪法の戦争法としての本質を隠し、その廃止ではなく地方自治体との「調整、意見の尊重」のみを求める方針を打ち出した。今や日帝政府の戦争準備に協力・加担しようとしているのだ。
 その最たる例が、昨年G7広島サミットを前にした自治労本部―広島県本部―自治労広島市労働組合幹部による自治労広島市の「反核・脱原発」の大会スローガン下ろしとそれに反対する副委員長の排除であった。まさに戦時下の産業報国会、戦争推進勢力への転落以外の何ものでもない。
 しかし戦争への突進と戦争動員を拒否する自治体労働者は連合・自治労本部の戦争推進を許しはしない。8・6広島闘争の勝利を引き継ぐ自治労大会決戦を闘って自治労本部をぶっ飛ばし、全国で反戦反基地闘争の爆発をかちとろう。11・3全国労働者集会に自治体労働者の昨年を倍する大隊列を登場させよう。
(革共同自治体労働者委員会)
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