8・6ヒロシマアピール24 自国政府の戦争阻止を
週刊『前進』02頁(3357号02面02)(2024/08/12)
8・6ヒロシマアピール24
自国政府の戦争阻止を
広島への原爆投下から79年目の今日、原爆ドーム前に集まった皆さん。今日この場所は、広島市によって公園が封鎖され、プラカード・横断幕・ゼッケンなど反戦反核を訴えるものが持ち込み禁止とされ、市民が原爆ドーム前で反戦反核のアピールをすることが禁止されるという異常な状況の中で8月6日を迎えています。
対岸の慰霊碑の前では、ガザで大虐殺を続けるイスラエルの代表が招待されて式典に出席しています。エマニュエル米駐日大使と岸田首相が出席していますが、彼らはつい10日前の7月28日、閣僚会合で「拡大抑止の強化」を打ち出し「アメリカの核兵器と日本の通常兵器を組み合わせて」中国との核戦争をやることを宣言しました。日米同盟を「核同盟」として位置付け、軍司令部機能の一体化を進めています。同じ28日から明日8月7日まで、中国を仮想敵国とした大軍事演習を岩国基地、九州・沖縄・琉球弧全域で繰り広げています。まさに核戦争前夜です。
ウクライナ戦争が延々と引き延ばされ、パレスチナへの大虐殺が繰り返されています。その上、中国との間で核戦争をやろうというのです。しかも他ならぬこの日本がその侵略戦争・核戦争の遂行者となろうとしています。
今日の平和公園の異常な規制がなぜ起きているのか。被爆地でG7の核を肯定する「広島ビジョン」などというものがなぜ出されたのか。『はだしのゲン』が削除され、被爆地の市長が教育勅語で職員を研修するなどということがどうして起こるのか。そして昨年の8・6集会に参加した5人の仲間が、なぜ半年も経ってからでっち上げ逮捕され、いまだに拘束されているのか。そしてなぜ松井市長はイスラエル招待に固執したのか。その理由は完全にはっきりしました。岸田政権が、日米同盟のもとで中国との核戦争を決断したからです。そのためにはヒロシマを絶対に黙らせなければならないと決断したからです。
彼らは右翼勢力をけしかけ、反戦反核集会を妨害するだけでは不十分と、今回ついにむき出しの国家暴力で参加者を逮捕し、集会を禁圧する暴挙に出てきました。
改憲や核武装を主張し「台湾有事を戦う覚悟が必要」などと叫ぶ岸田首相を筆頭とする勢力が、「8月6日は慰霊の日だ」「静かにしろ」と叫んで黙らせようとしています。日本と世界の人々が注目する8月6日の広島・平和公園で「戦争絶対反対! 核戦争をとめよう!」という声が上がり、日本中・世界中から同じ声が上がることを何よりも恐れているのです。
原爆の死者を悼むことと戦争反対の声を上げることは本来対立することではありません。日本のアジア侵略戦争・太平洋戦争の帰結が原爆投下でした。「安らかに眠ってください、過ちは繰り返しませぬから」という碑文は、戦争反対の誓いです。被爆者とその遺族は「原爆の日」に祈りを捧げたその足で、反戦反核行動の先頭に立ち、核と戦争に対する怒りを誰よりも激しく叫んできたではありませんか。「過ち」を再び繰り返そうとしている者だけが、8月6日をただ祈ることしか許されぬ日として勝手に主張し、国家暴力をたのみに「黙れ」と脅しています。
しかし目の前で、自国政府がヒロシマ・ナガサキの惨劇を繰り返そうとしているのに、命令におとなしく従い、口をふさいで黙るならば、それこそ死者に対する裏切りです。
だから私たちは、この不当極まる集会禁止に抵抗するため、昨晩から夜通し原爆ドーム前に座り込みました。そして本日、原爆ドーム前での反戦反核集会を断固貫徹しました。
被爆者の皆さん、遺族の皆さん、広島市民の皆さん、そして日本と世界の全ての皆さん。今こそ核戦争をとめるため、自国政府の戦争に反対して立ち上がりましょう!
核戦争に突き進む岸田首相に、反戦反核デモで怒りの声を叩(たた)きつけましょう!
被爆79周年 核戦争阻止! 8・6ヒロシマ大行動’24
原爆ドーム前集会にて