団結ひろば 投稿コーナー

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週刊『前進』04頁(3355号04面04)(2024/07/29)


団結ひろば 投稿コーナー

教労学習会で8・6へ決意
 神奈川・元教育労働者 葛本京子

 首都圏教育労働者集会実行委員会主催の「反戦学習会」が7月21日に都内で開かれ38人が結集しました。「今、広島で何が起きているのか」をテーマに、8・6ヒロシマ大行動の宮原亮事務局長から「一歩も引かない」という怒りの提起を受け、参加者全員が「8・6早朝、原爆ドーム前」結集を決意したと思います。
 広島市では平和教材から『はだしのゲン』が削除され、職員の新人研修に「教育勅語」が使われ、原爆投下賛美のパールハーバー公園と平和公園との姉妹公園協定まで結ばれました。さらに暴処法弾圧で5人が不当逮捕・勾留されたまま、市は8・6当日に平和公園を全面封鎖する暴挙に出ました。1950年朝鮮戦争下の広島の再来です。反戦反核の声を排除して松井市長や岸田首相がやろうとしているのは、8・6ヒロシマ闘争を圧殺し、戦争のための「平和記念式典」へとつくりかえ、核戦争を遂行すること。そんなものは粉砕するしかありません。
 表立った反対は「大行動」だけというが、多くの広島市民がかたずをのんで8月6日に注目しています。「終夜座り込み行動」も呼びかけられています。8月6日は闘いの日です。何の根拠もない「公園封鎖」=集会禁止にひるむことなく正々堂々と異議を唱え、原爆ドーム前で「一歩も、1ミリも譲歩しない」反戦反核集会をやり抜きましょう。前日5日の全国教育労働者交流集会を打ち抜いて、「平和教育」の原点である広島の地で教育労働者は戦争を止めよう!

被爆者に応え核戦争阻止を
 香川連帯ユニオン書記長 吉田康彦

 広島暴処法弾圧からすでに5カ月が経ちました。私たちは24反戦春闘の勝利を踏まえ、8・6に向けて大きな挑戦を開始しました。
 戦争反対を訴えただけで逮捕。こんなことがあってたまるか! 広島市長や岸田は広島での反戦反核の闘いをつぶす気です。今年の8月6日は何の法的根拠もないのに警察権力を使って平和公園を封鎖し、反戦集会を禁止する。一方でガザ虐殺、戦争支援を続けるイスラエルやアメリカを式典に招待する。被爆者への冒涜(ぼうとく)もはなはだしく怒りに震えます。
 右翼らが言う「黙って祈る」ことは被爆者に応えることにはなりません。新たな戦争・核戦争を阻止する行動こそがこれから生きる人類の回答だと確信します。祈っても平和は来ません。戦時下の今こそ行動しなければなりません。私たちは週末と休日は8・6暴処法弾圧粉砕の署名街宣をしています。自らが逮捕された5人の分身として街頭に出て、被爆者の怒りを体現する。平日には「琉球弧を戦場にするな」の上映会キャラバンを開催し、戦争反対の熱い討論を続けています。すでに県内7カ所で上映し、さらに数カ所での上映を予定しています。
 教育労働者の仲間は「これは将来の分会まわりだ」と、各校区で上映会をしています。オルグは下手は下手なりに数を打ち、議論して方針を決め、行動して総括するという経験を地道に積んでいくしかない。まさに習熟です。何としても8・6ヒロシマに大結集し、新たな時代の幕開けの火柱を高らかにみんなで上げよう!

はだしのゲン上映会に反響
 改憲・戦争阻止!大行進東京東部 米山良江

 江東区で7月12日、実写版映画「はだしのゲン」の上映会を行いました。婦人民主クラブ全国協東京東部支部と改憲・戦争阻止!大行進東部の共催です。ビラ5千枚を会場周辺や駅、学校の前、区役所などにまきました。当日は予想を超える70人近くが詰めかけ、立ち見が出る状況でした。
 映画は戦争と原爆への怒りに満ち、絶対反戦の気持ちをあらためて呼び起こされました。特に反戦を貫くゲンの父親の姿やラストシーンで母親が叫ぶ「天皇陛下様!......どうして戦争始める時に止めてくださらなかったんですか? この戦争が起きんかったら、ピカドンでこげぇむごたらしい死に方せんでもいかったんですよ。戦争始めたのは誰です? 誰なんです、誰なんです?」という言葉が印象的でした。
 映画には教員が戦争の推進者になる場面が何回も出てきます。まとめで私は教育労働者だった自分の闘いを発言しました。戦争孤児の先輩や被爆2世の同僚から戦争の悲惨さを聞く中で労働組合に加入したこと。図書室に漫画『はだしのゲン』を並べ、空襲や学童疎開の体験談を聞く授業を行い、「教え子を再び戦場に送るな」と労働運動を続け、「日の丸・君が代」の強制に反対して不起立を貫き、再任用を拒否されたこと。そしていま広島が反戦・反核運動つぶしの渦中にあり、暴処法弾圧や平和公園封鎖、平和教材からの『はだしのゲン』の削除と「教育勅語」を使った市職員への新人研修などとして侵略戦争・核戦争が始まっているのであり、8・6原爆ドーム前に集まろうと訴えました。映画終了後もほとんどの人が席を立たず、大行進運動への参加者が何人も増えました。

労組先頭に高槻で反戦行動
 改憲・戦争阻止!大行進北摂 吾郷春代

 7月13日、「連帯ユニオン関生支部・湯川委員長への懲役10年求刑を許すな!反弾圧シンポジウム」に参加後、JR高槻駅の陸橋で高槻市民反戦行動第5弾の集会とデモを行いました。
 反弾圧シンポでは全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の湯川裕司委員長が「懲役10年求刑を許さない! 産業別労働組合を大きくしていこう。日本を変えていく」と発言。戦争のための組合つぶしを粉砕する決意を固めました。
 今回で5回目となる高槻市民反戦行動では、北摂労組交流センター代表の村山晃さんが基調報告。「沖縄県民の闘いと連帯し、中国侵略戦争の最前線基地化・ミサイル配備に絶対反対し、沖縄を再び戦場にしないために闘おう。中国侵略戦争阻止の声を大きく上げよう。湯川委員長に対する懲役10年の求刑を粉砕しよう。全国金属機械労組港合同昌一金属支部への組合つぶしを粉砕し職場復帰まで共に闘おう。8・6広島暴処法弾圧を打ち破り5人を早期奪還しよう。岸田、イスラエル代表、駐日米大使が参加する記念式典粉砕へ原爆ドーム前に結集して闘おう」と鮮明に提起しました。
 高槻医療福祉労働組合の村山裕子書記長が「沖縄での米兵による少女暴行事件を許さず、戦争のための8・6広島暴処法弾圧を粉砕し5人をとり戻そう」と訴え、北摂・星野文昭さんをとり戻す会が「沖縄闘争の爆発で大坂裁判・星野国賠に勝利しよう」と呼びかけました。TYK高槻生コン支部が「工場つぶしの攻撃を許さず勝利するまで闘う」と決意を述べ、大阪北部ユニオンが「関生支部と昌一金属支部にかけられた組合破壊攻撃を許さず闘おう」と発言しました。
 集会後、20人超で元気にデモに出発。一緒にこぶしを挙げる若者が続出し、デモへの飛び入りもありました。

現代を問う映画「関心領域」
 東京 佐々木舜

 アメリカ・イギリス・ポーランド合作の映画「関心領域」を見た。アウシュビッツ強制収容所を扱った作品としては異色だ。所長として収容所の隣で暮らしていたナチ親衛隊幹部ルドルフ・ヘス一家の日常を「淡々と」切り取る100分あまりの中で、塀の向こう側にいたはずのユダヤ人たちの顔も、名前すらも登場することはない。なぜならそれは一家の「領域」外のできごとだから----。「領域」内にやってくるのは、生死も知れない持ち主から奪われた物品だけだ。
 凝った演出や楽曲の挿入はなく、ナレーションも一切ない。夏のヨーロッパのやわらかい日差しの下で咲く花々、たっぷりと水をたたえて流れる川、夕闇に吸い込まれる木立の映像が美しい。しかし、きれいに整えられた部屋の外からは日夜、うめき声とも叫び声ともつかない人の声や銃声、炎が燃え盛る轟音(ごうおん)が響く。そうした現実を絶えず「域外」に押し出しながら「一家の日常」が続いていくことに苦痛を感じる。最後まで映し出されることのない塀の向こうに思いをはせることは、個々の観客に託されている。
 ヘスは1947年にそのアウシュビッツで絞首刑となった。「戦後」は間もなく80年を数える。しかしこれは、「かつて、こんな恐ろしいできごとが起きました」という映画ではない。むしろ、現代を生きる私たちに容赦なく問いを投げかける。何よりも、ヘスの家と収容所とを隔てる高い塀が、私たちとパレスチナ・ガザ地区の人々とを隔てるそれと重なるからだ。

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