核戦争絶対阻止を 「拡大抑止」強化許すな 核兵器の実戦使用狙う米帝
核戦争絶対阻止を
「拡大抑止」強化許すな
核兵器の実戦使用狙う米帝
被爆79年の8・6―8・9を前に、7月28日の日米外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)に合わせて「拡大抑止」をめぐる日米担当閣僚級会合が新設された。年内に取りまとめられる予定の初の共同文書には「米国が核兵器で日本周辺の抑止力を高める」ことが明記されようとしている。これは日米同盟が文字通り「核の同盟」として中国侵略戦争に突入するための踏み込みであり、絶対に許してはならない。8・6広島―8・9長崎闘争は、中国侵略戦争・核戦争へと突き進む米日帝国主義と真正面から対決し、打ち倒す闘いそのものだ。集会禁圧を実力で打ち破り、8月6日朝、原爆ドーム前への大結集をかちとろう。
中国への核の投下を想定
昨年5月に広島で開かれた主要7カ国首脳会議(G7サミット)では「核兵器は......防衛目的のために役割を果たし、侵略を抑止し、並びに戦争及び威圧を防止」すると明記した「広島ビジョン」が採択された。さらに今年の4・10日米首脳会談は、「指揮統制連携強化」を通じて日米安保同盟を中国侵略戦争同盟へと大きく転換させた。
こうした流れの中での「拡大抑止強化」とは、日米安保を「核の同盟」へと全面的に転換させ、米日帝が本気で中国への核戦争に打って出るということだ。拡大抑止強化をめぐる7月28日の日米担当閣僚級会合は、「日本がどのような事態に直面した場合、米国が第三国に対する報復を実施するか」(7月21日付読売新聞)など、今や中国との核戦争を具体的に想定し、米日帝の動きを確認する場として開催された。中国に対して、いかなるときに核を使用するか、日帝自身がそれにどう関与するかといった具体的なシナリオが議論されているのだ。
「抑止」を名目に同盟国に核配備
拡大抑止は「自国だけでなく同盟国が武力攻撃された場合にも核攻撃を含めた報復を行う意図を示すことで、敵の攻撃(核攻撃)を自国から『拡大』して『抑止』する」ための軍事政策だと説明される。だが、その本当の狙いは他国の攻撃の「抑止」などではなく、米帝が自らの保有する核兵器を実際に使うこと、そのために同盟国への核戦力配備を進めることにある。
「冷戦」期以来、米帝はヨーロッパなどの同盟国に前方基地を置き、核兵器を搭載可能な「戦略資産」=戦略爆撃機、戦略原子力潜水艦、地上発射装置などを配備してきた。北大西洋条約機構(NATO)では「核共有」により米国の核兵器がドイツやイタリアなどの5カ国に推定100発以上配備され、有事の際には配備国の空軍機がそれらを搭載して出撃する仕組みとなっている。
そして今や大没落からの延命をかけて中国への侵略戦争を構える米帝は、2018年の「核戦略見直し(NPR)」で「使える核」=小型戦術核の開発を表明し、22年NPRでは核による先制攻撃も選択肢とする同盟国への拡大抑止推進を明記した。中国侵略戦争はまさに核戦争そのものだ。
全国から8・6広島へ!
米帝は韓国ユンソンニョル政権との間でも「拡大抑止強化」を急ぐ。核抑止をめぐって昨年4月にユンとバイデンとが合意した「ワシントン宣言」に基づき、米韓は「核の同盟」であるNATOにならって「核協議グループ(NCG)」を創設。弾道ミサイル搭載可能な米原子力潜水艦の韓国派遣を含めた「戦略資産=戦略兵器・核兵器」の定期的配備が開始されている。
昨年7月には核兵器を搭載可能な米戦略原子力潜水艦が約40年ぶりに韓国に寄港し、10月には米戦略爆撃機B52も初めて韓国軍基地に着陸するなど、目に見える形で米帝の関与を示すことが狙いだ。今夏の米韓合同軍事演習では、核攻撃シナリオを盛り込んだ訓練も予定されている。
今年7月11日の米韓首脳会談で両首脳は、NCGがまとめた非公表の「朝鮮半島核抑止・核作戦指針」を承認。韓国側によると、「北朝鮮による潜在的な核攻撃の抑止・対処を目的に朝鮮半島とその周辺に米国の核資産を配備することを正式に規定するもの」であるという。東アジア全域を核の戦場にたたきこむ米日の中国侵略戦争を絶対に阻止しなければならない。
中国侵略戦争へ在日米軍を増強
中国侵略戦争遂行の要をなすのは日帝だ。米陸軍は新型極超音速中距離ミサイルの日本配備を予定しており、在日米軍も圧倒的に強化されている。さらに米国防総省は7月3日、今後数年をかけ総額100億㌦(約1・6兆円)を投じて在日米軍の航空戦力を強化すると発表した。青森県の三沢基地にはステルス機F35Aを初めて配備し、山口県の岩国基地ではF35Bを増強するほか、海軍のCMV22オスプレイが初めて配備される。沖縄県の嘉手納基地には最新鋭戦闘機F15EXを配備し、航空部隊の常駐を再開する。これらすべてが「抑止力強化」の名のもとに進められているのだ。
戦争式典粉砕し反戦反核貫こう
しかし米日帝の前には、「ヒロシマ・ナガサキを繰り返すな!」を原点とし、被爆者を先頭に命がけで反戦・反核を訴えてきた労働者階級の闘いが立ちはだかっている。こうした闘いこそが、今に至るまで日帝の核武装を阻んできたのである。
だからこそ日帝は8・6広島暴処法弾圧や8・6朝の平和公園封鎖、集会禁圧などの弾圧で闘いを圧殺しようとしている。まさに今夏8・6闘争は米日帝の中国侵略戦争・核戦争を阻止する大決戦だ。
広島・長崎の被爆者、2世、3世の怒りを先頭に戦争式典を粉砕し、広島から全世界に米日帝の中国侵略戦争阻止・核戦争阻止の闘いをとどろかせよう。