8・6広島原爆ドーム前へ 共同声明 8月6日広島「原爆の日」の「平和公園集会禁止令」の撤回を求める被爆者・被爆2世・3世のアピール

週刊『前進』04頁(3355号02面03)(2024/07/29)


8・6広島原爆ドーム前へ
 共同声明
 8月6日広島「原爆の日」の「平和公園集会禁止令」の撤回を求める被爆者・被爆2世・3世のアピール


 5月7日、広島市は今年の8月6日の「原爆の日」朝5時から9時まで、原爆ドーム前を含む平和公園全域を立ち入り規制し、プラカードなどの持ち込み、ゼッケンなどの着用を禁止する「入場規制」を明らかにしました。
 これは、長年8月6日の原爆投下の時間に合わせて原爆ドーム前で行われてきた反戦反核集会を事実上禁止する「集会禁止令」です。
 昨年、8・6ヒロシマ大行動実行委員会主催の原爆ドーム前集会に参加した5人の仲間が、半年も経った2月28日に逮捕されました。右翼による集会への妨害・襲撃から身を挺(てい)して守ったことを「暴力行為等処罰法」違反とでっち上げての弾圧です(8・6ヒロシマ暴処法弾圧)。広島市は今回の規制についてこの事件を理由としています。
 8月6日の原爆ドーム前で反戦反核の声を上げたら右翼が襲いかかり、抵抗すれば警察が逮捕し、それを理由に集会自体が禁止される。まさに戦前を思わせる言論弾圧そのものです。このような集会規制を絶対に認めることはできません。
 市が発表した「規制」には法的根拠がないことが明らかになっています。ところが市議会では「警察と連携して」集会を強制的に禁止し、従わないものは警察の暴力で排除するような答弁が繰り返されています。ついに被爆者席から地声で抗議の声が上がっても警察力で押さえつけるような答弁さえ行われています。
 このような国家権力による集会禁圧は、憲法21条「表現の自由」を侵害する行為であり、地方自治法244条で定められた「地方公共団体は正当な理由がない限り公の施設の使用を拒んではならない」「公の施設を利用することについて不当な差別的取り扱いをしてはならない」という規定にも反するものです。
 この規制は直ちに撤回されなければなりません。
 ウクライナ戦争は2年を超え、イスラエルによるガザ虐殺が続いています。イスラエルを式典に招待するなという市民の怒りの声が上がっています。
 岸田政権は日米同盟のもとで中国侵略戦争を行う準備を急ピッチで進めています。22年末の安保3文書改定以来、防衛費2倍化、沖縄・琉球弧・日本全土のミサイル配備を進め、今年4月の日米首脳会談で自衛隊と米軍の司令部統合を決定しました。核ミサイルを日本に配備し中国との核戦争を準備する「拡大抑止」閣僚級協議も今年中に行われようとしています。
 虐殺を繰り返すイスラエルや、虐殺を支え、中国との核戦争を準備する米国代表や岸田首相が招待され、「教育勅語」を賛美する松井市長が執り行う式典。一方で反戦反核の声は暴力的に排除する。これは一体誰のため、何のための式典でしょうか?
 「安らかに眠ってください 過ちは繰り返しませぬから」という核と戦争に絶対反対のヒロシマの思いを真っ向から踏みにじる、8月6日「平和公園集会禁止令」の撤回を求めます。
 2024年7月22日
【被爆者】御堂義之 土井玞美子 高木美佐子
【被爆2世】中島健 壹貫田康博 井上千代 野田次郎 平野綾子 吉川眞理 渡子健 鄭澄恵 竹中孝子 島本正勝 吉田光男 新田和生
【被爆3世】宮原亮 鄭伊佐 吉田千尋 中島敦史 上本龍一
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