全存在かけ核戦争阻む 被爆2世の訴え 8・6ヒロシマ大行動実行委員会共同代表 壹貫田康博(いっかんだ やすひろ)さん
週刊『前進』04頁(3355号01面02)(2024/07/29)
全存在かけ核戦争阻む
被爆2世の訴え
8・6ヒロシマ大行動実行委員会共同代表 壹貫田康博(いっかんだ やすひろ)さん
被爆79年目の8月6日は、核戦争を許すのかどうかをめぐる決定的な日となった。
今年4月10日の日米首脳会談を経て日米両政府は、「拡大抑止」と称して核兵器の日本への配備にまで踏み込もうとしている。7月28日には、日米の外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)を開催して「拡大抑止」の具体的な協議を行い、中国との戦争を想定した大規模な日米合同訓練「レゾリュート・ドラゴン24」を8月7日まで実施する。
いよいよ核戦争に向けた具体的な動きが始まった。こうした中で記念式典にイスラエルやアメリカの代表や岸田首相が出席する。核戦争に突き進む岸田首相が「平和のメッセージ」を発し、「教育勅語」を賛美する松井市長が平和宣言を読み上げる。こんな式典は絶対に許せない。このような中で迎える8月6日は、巨大な核兵器の暴力を労働者民衆の団結した闘いの力で打ち砕くために全力を挙げる日としなければならない。
被曝調査で核戦争準備
そして、放射線影響研究所は被爆2世のゲノム解析を今年8月にも着手しようとしている。原爆傷害調査委員会(ABCC)とその後継である放射線影響研究所は、これまでも被曝による遺伝的な影響を調査してきたが、「遺伝的影響は認められない」というのが結論だった。ABCCと放影研は、核戦争のために被爆者・被爆2世のデータを集積し続ける一方で、被曝の影響をできるだけ小さく見せようとしてきたのだ。今回のゲノム解析も、放射線被曝は恐れるに足りないと結論づけるに違いない。ABCCがやってきたのは、「加害者が被害者を調査し、その科学的データをもっぱら自らの占領下において、核戦争勝利戦略と放射線被曝の被害の受忍を世界中の人々に迫る」ことだった。それは今も続いている。
被爆者たちは闘い抜く
1980年、日本政府の原爆被爆者対策基本問題懇談会は「戦争被害は国民が等しく耐え忍ばねばならない」「被爆地域の指定は十分な科学的根拠に基づいて行われるべき」との答申を出した。被爆者が必死の実力的な闘いで切り開いてきた地平を大きく後退させるものだった。だが、「黒い雨」訴訟はこの「科学的根拠」という壁をうち破り勝利判決をもぎとった。それでもなお、日本政府は「黒い雨」被爆者の認定を不当に制限し、ナガサキ・フクシマや被爆2世への補償の拡大を抑え込もうとしている。被爆者・2世が要求し続けている国の被爆責任と国家補償を認める「原爆被爆者援護法」を拒み続けている。彼らは核兵器を本気で使おうとしているからだ。
被爆者・被爆2世3世は、核戦争のための研究材料とされることも、核戦争に動員するための英霊とされることも、再びアジア人民虐殺の担い手となることも拒否する。そして全存在をかけて核戦争阻止の先頭に立つ。8・6広島暴処法弾圧と原爆ドーム前での反戦反核集会つぶしをうち破り、6日朝7時原爆ドーム前に集まろう。