核戦争危機の元凶は米日帝 2プラス2で核配備を協議
週刊『前進』04頁(3353号02面03)(2024/07/15)
核戦争危機の元凶は米日帝
2プラス2で核配備を協議
核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)は6月17日、2023年の核兵器関連支出に関する報告書を発表した。それによると、核を保有する9カ国が23年に核兵器に支出した費用は約914億㌦(14兆6千億円)にもなり、1秒あたり2898㌦が核兵器に使われた計算になる。前年より年間107億㌦増加し、5年前の682億㌦からは34%も増加した。
重要なのはこの内訳だ。アメリカは515億㌦と一国で過半を占め、前年比伸び率も17・8%とトップ。23年の支出額増加の8割は米国によるものだ。次に伸び率が高かったのはイギリスの17%で、2年連続の大幅増加となった。「核による威嚇を繰り返している」と宣伝されるロシアは支出額83億㌦、前年比伸び率は6・1%だ。中国は支出額118億㌦、前年比伸び率は6・7%。5年間の増加幅でみれば、米英は40%を超える一方、中ロは10%ほど。核戦争危機の第一の火元がアメリカ帝国主義であることは明白だ。
さらに米帝は自らの軍事基地だけでなく、北大西洋条約機構(NATO)諸国に米帝の核兵器を配備する「核共有」を行い、全米科学者連盟によればドイツ、イタリア、ベルギー、オランダ、トルコに100発を超える核兵器を配備していると見られている。NATOのストルテンベルグ事務総長は「NATOは核の同盟だ」と強調し、核兵器の近代化や配備数の増加、核兵器搭載可能戦闘機の更新を進めていることを明らかにしている。実際、4月22日にはポーランドが核共有の配備先となることを「受け入れる用意がある」と表明した。
岸田政権は先頭に立ってこの核戦争同盟強化の旗振り役になっている。岸田は7月9~11日にワシントンで開催されたNATO首脳会議に3年連続で出席、それにあわせて日韓豪ニュージーランド4カ国首脳会談や日韓首脳会談も開催されてNATOとの連携強化が確認された。また12日には岸田が訪独して日独の連携強化を確認した。7月28日には東京都内で日米外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)が開催される。中距離ミサイルをはじめとした核戦略資産を日本に配備する「拡大抑止」に関する初の閣僚級協議だ。日帝が「準同盟」級の関係になろうとしているフィリピンでは4月の米比合同訓練の際、ルソン島に米国の中距離ミサイル発射装置が初めて配備された。
現実に核戦争を準備する帝国主義首脳を招待し、反核運動を弾圧して「厳粛に」行われる8・6広島「平和記念式典」など断じて認めることはできない。