広島・長崎の圧殺許さず始まる前に核戦争絶対とめる 8・6朝原爆ドーム前へ 千人結集で集会禁止粉砕を 革共同広島県委員会
週刊『前進』04頁(3353号02面01)(2024/07/15)
広島・長崎の圧殺許さず始まる前に核戦争絶対とめる
8・6朝原爆ドーム前へ
千人結集で集会禁止粉砕を
革共同広島県委員会
(写真 昨年の8・6広島闘争は権力・右翼の妨害をはねのけて原爆ドーム前集会を勝ち取り、岸田の式典出席を弾劾するデモに出た)
2024年の8月6日「原爆の日」は歴史的な大決戦となった。米日帝国主義が現実に中国侵略戦争・核戦争へ突き進む中での、反戦反核闘争つぶしの弾圧と規制を絶対に許すことはできない。昨年の8・6ヒロシマ大行動で右翼の集会破壊と対決した5人がまったく不当にも「暴力行為等処罰法」違反ででっち上げ逮捕され、すでに4カ月以上も勾留されている。さらに広島市は5月7日、今年8月6日の朝5時から9時まで原爆ドーム前を含む平和公園全域の立ち入り規制を行うことを発表した。この集会禁止を粉砕して原爆ドーム前に大結集し、岸田や米・イスラエルの代表
を招く式典に怒りの大デモをたたきつけよう!
平和公園の封鎖を許すな
裁判所は8・6暴処法弾圧の第1回公判の期日さえ決めず、「抗議デモを行っているから」などという理由で保釈請求を却下し、不当極まる拘束を続けている。この弾圧をめぐる攻防のただ中で、「平和記念式典にイスラエルを招待するな」という声が広島市民から巻き起こった。松井一實広島市長がこれを無視してイスラエルに招待状を送ると、全国から千通を超える抗議のメールが殺到した。こうして今年の8月6日が大焦点となる中で、広島市当局は平和公園入場規制に踏み込み、「ビラやプラカード、横断幕やのぼりの持ち込み」「ゼッケンやヘルメットの着用」を禁止、従わないものは「退去を命令」するという「通達」を発表した。だが驚くべきことに、この「通達」には法的根拠はなく、市は「市民への協力要請に過ぎない」と公式に述べているのだ。それにもかかわらず、市は「禁止する」「命令する」と明記した「通達」の撤回を拒否し、市議会では「県警と十分に連携して式典当日の警備にあたる」と答弁した。ここには国家暴力によって闘争を圧殺しようという凶暴な意図と、法的根拠を整えることさえできない敵の追い詰められた姿がある。こんな「通達」に従う必要は全くないのだ。
起きている事態は日本帝国主義・岸田政権によるむき出しの国家暴力を発動した「8・6ヒロシマ」の解体・圧殺だ。4月10日の日米首脳会談で「日米同盟のアップグレード」を確認した日帝は、「核を含む戦力で米国が同盟国を守る『拡大抑止』の強化を巡り日米の担当閣僚による協議を新設」(5月2日付日本経済新聞)するとしている。米日帝は核戦争として中国侵略戦争をやろうとしており、ヒロシマ・ナガサキを核戦争開始の「宣誓台」にしようとしているのだ。
日帝はこの間、ヒロシマ闘争の圧殺に血道を上げてきた。8・6デモの規制を狙った21年の「厳粛条例(平和推進基本条例)」制定、右翼を動員した集会破壊策動、そして昨年には2万4000人の機動隊で広島を戒厳令下に置いて主要7カ国首脳会議(G7サミット)を開催、そこで「核兵器は、防衛目的のために役割を果たし、侵略を抑止し、戦争を防止する」などと明記した「G7広島ビジョン」を採択した。これに前後して、漫画『はだしのゲン』や第五福竜丸を広島市の教育教材から排除し、原爆投下を正当化するパールハーバー公園と広島平和公園の姉妹公園協定も締結した。だが日帝・岸田と松井市長が「ヒロシマつぶし」をやればやるほど怒りは拡大し、闘いの炎は燃え上がってきたのである。
昨年NHKが実施したZ世代(およそ10~20代)3000人へのアンケートによれば、回答者の半分以上が「日本が10年以内に戦争になる」と答え、戦争になったらどうするかという質問には「戦闘には参加せず戦争反対の声を上げる」との回答が最も多かった。中国侵略戦争を前にして人民の反戦意識を解体することもできない日帝・岸田は、焦りに駆られ、法的根拠さえ示せないむき出しの国家暴力による8・6闘争つぶしの攻撃に出てきたのだ。
8月6日は「闘いの日」だ
イスラエルの式典招待について、広島市は「一貫して全ての各国の代表者に招待状を送付しており」、イスラエルも「他の国と同様に招待状を送付」したと回答する一方で、ロシアについては「式典の円滑な挙行に影響を及ぼす可能性があると判断」して招待しないと述べている。これは、ロシアに対するむき出しの排外主義であると同時に、イスラエルが現にパレスチナ自治区ガザで行っている恐るべき人民虐殺を「ヒロシマ」の名で容認し擁護するものだ。これに対し、松井や岸田の言う「平和」「核なき世界」はうそではないかと怒りの声が殺到した。平和記念式典のあり方をめぐってここまで広範な議論になるのは初めてだ。ガザ大虐殺、岸田の戦争への突進、そして核戦争の切迫の中で、「このままでいいのか」という真剣な問いかけが多くの人々の間に生み出されているのだ。今こそはっきりさせなければならない。8月6日は亡くなった被爆者を悼むと同時に、核と戦争を絶対に許さないと誓い、行動する日である。8時15分の黙禱(もくとう)を行うとき、この残虐な帝国主義戦争を絶対に許さないという怒り、それに加担してしまった悔しさ、そして絶対に何があっても戦争を繰り返させないという決意を新たにしてきたのだ。「人間をかえせ」「平和をかえせ」(原爆詩人・峠三吉)、「一度目は過ちでも、二度目は裏切りだ」(同・栗原貞子)という被爆者の怒りと決意は、どんな弾圧にも屈しない8・6反戦反核闘争として闘われてきた。朝鮮戦争下の50年8・6では非合法の反戦集会が決行され、ベトナム戦争下の71年8・6は、首相として初めて式典に出席した佐藤栄作に実力糾弾闘争がたたきつけられた。8・6は怒りの日であり、闘いの日なのである。
戦争式典に怒りのデモを
日帝はこの「ヒロシマの怒り」を解体し、被爆者を「世界平和樹立の礎」(21年制定の「厳粛条例」)として英霊化し、ニセモノの「平和」「核なき世界」のスローガンで核戦争に動員しようとしている。そのためについに、反戦反核を訴えるものを平和公園から暴力的に排除することを決断した。今年の式典の主役は虐殺者イスラエルと、虐殺を支え中国侵略戦争に突き進む米帝および日帝・岸田であり、「教育勅語」を賛美する松井市長なのだ。こんな「戦争式典」に対して黙っていていいはずがない! このような式典が「静かに」「これまで通りに」「円滑に」行われることは、まさに「裏切り」であり、断固粉砕しなければならない。岸田の式典出席について広島市は「内閣総理大臣に平和のメッセージを発信していただくことは大変意義のあるもの」と全面的に賛美している。核戦争を準備し、核武装のために原発2倍化を進め、琉球弧をはじめ日本全土を戦場化しようとしている岸田が「平和のメッセージ」を発する「意義」とは何か! ヒロシマを利用して侵略戦争・核戦争を正当化する「意義」以外何ものでもない。沖縄では6・23「慰霊の日」に岸田に怒りの声がたたきつけられた。沖縄の闘いと連帯し、岸田の式典出席に怒りの大デモを闘おう!
敵がむき出しの暴力で闘争圧殺を狙ってきている以上、これをはね返す力は何よりも数の力である。全国から昨年を倍する大結集で、8月6日朝7時、原爆ドーム前へ! 中国侵略戦争阻止の歴史的な反戦闘争として8・6闘争を大爆発させよう! 8・6弾圧の5人を即時奪還しよう!